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沈むものたち  作者: 螽斯
賞金首狩り
3/15

ギルド

 都市ダイバースの冒険者は、早朝が最もせわしない。全ての冒険者が、ダンジョンの入口へこぞって向かうためだ。武器も年齢も性別も、ごったになって出来上がる冒険者の波は、はたから見ても息苦しいものだった。

ゲント・ランパードはその光景を路地裏からじっと見ていた。そうして最後の一人がダンジョンに納まるのを見届けると、ギルドに向かい始めた。

 

 ダイバースは三つの建造物で成り立っている。迷宮であるダンジョンと依頼の斡旋をするギルド、冒険者が組織として集まり、拠点とする「ホーム」だ。大通りはダンジョンとダンジョンを線で結ぶように造られ、その通りに面した位置にギルドは置かれる。

ゲントは無数に並ぶホームの中からギルドを見落とさないよう注意して歩いた。しばらくしてギルドを見つけると戸を押し中に入った。


 ギルドの入り口付近には無数のベンチが置かれている。ベンチには何人かの人間がまばらに座っていた。彼らは何をするでもなく、ただぼうっとしている。恐らく「日雇い冒険者」の抽選にあぶれたのだろう。

日雇い冒険者はダンジョン内での採掘や死体の運搬に励む職業だ。厳しい仕事だが、一日の宿代と飯代は稼げる。だが抽選から外れた彼らは貰えない。だからここで体力を使わないよう、じっとして留まっているのだ。


 ゲントは彼らの前を素通りして受付まで移動する。受付はベンチとその向こう側を仕切るように置かれている。受付の先ではギルド職員達が、右に左に動いていた。開店から閉店まで、彼らはいつも忙しそうにする。


ゲントがしばらく受付にいると、気づいた職員が用件を尋ねてきた。賞金首だった元冒険者ザインを討伐したことを伝える。職員は記号が書かれた紙きれをゲントに渡し、待つよう言った。ゲントは手近なベンチに座り、静かに待った。


数十分後、書類を手にした職員がゲントの名前を呼んだ。職員は討伐を証明できるものを見せるよう言った。ゲントは剣帯からザインの剣を外すと受付に置いた。職員は血のついたそれを一瞥すると、ザインの名が書かれた書類にバツを記した。他に遺品が無いか聞かれたので無いと答える。遺品は最低限でも討伐の証明になる。残ったものは売りさばけばいい。正直に遺品すべてを渡しても報酬は変わらない。だから隠す。職員も深く追求してこなかった

血のついた剣と書類を手にして職員は奥に行ってしまう。またしばらく待たせると木板に金を乗せて職員がやってくる。ゲントは懐から銭袋を取り出してさっさとしまう。大した金ではない。五日過ごせるかどうかの量だ。踵を返してギルドから出る。

 ゲントはこの場所が嫌いだった。


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