少年の日々
私の悪夢をここに。
少年は只、無心に撫でていた。同じ物は無く、みな違うそれらはごつごつ、ぎざぎざ、すべすべ、ぼこぼこ...。飽きることもなく掌で感じ、悦に浸る少年はたいそう奇妙であった。
少年の元を訪れる変わり者はいないのである。唯一人の変わり者を除いて。変わり者は少年を訪ねる折には必ずそれらを持ってきた。
『こんな物がいいのかい?』
変わり者の口は三日月のように釣り上がる。
「これがいいんだ。」
少年は慣れた手つきでそれを受け取った。
いつだったか、近郊の村に出入りをする商人だと変わり者は言った。「霧の声だね。」『霧の声?』「なんでもない、なんでもないんだ。」
少年は変わり者が来るのを楽しみにしていた。正確には新しいそれを受け取るのを楽しみにしていたのだが。
「これはなんだい。」『これは石さ。』「イシ?」『そうだ。』「ふぅん。」
つまらない響きのそれはイシと呼ぶに相応しくなく、かと言って他に浮かばなかった少年はそれと呼ぶ事にした。
新しく手に入れては飽きずに掌で転がし、撫で、あちらこちらを視る。その手触りが少年にはたまらなかった。他の、どの、何よりもそれに魅力を感じ惹き付けられた。
最近、自分自身悪夢にうなされており、その変な夢を元に話を書くことにしました。話の内容は容易に理解できても、得体の知れない気味の悪さを覚えるという演出できたら良いなと思い、あえて稚拙な文章で書かせていただいております。