桃太郎の陥落
2056年11月19日
全日本ドーピング規制委員会は、現在行われているドーピングのネガティブキャンペーンのほかに、ドーピングを推奨する内容が含まれる物語などの流通を停止する、と発表した。今回目玉として挙げられているのは、昔話、『桃太郎』である。桃から生まれた男の子、桃太郎は元気に成長し、鬼退治に向かうことになる。桃太郎を心配したおばあさんは桃太郎をひどく心配し、きびだんごを持たせた。きびだんごの詳しい製造方法などは明かされていないが、これが現在でいうドーピングに当たるとみられている。同委員会の浦島太郎会長はこう語る。
「桃太郎はこのきびだんごを自分で服用するだけにとどまらず、動物などにも投与していて、これは悪質としか言いようがありません。『桃太郎』という負の遺産を次世代に受け継がせるわけにはいきません。」
今まで見て見ぬふりをされてきた悪しき日本の文化に勇気を出して切り込んだ浦島太郎氏を筆者は讃えたいと思う。
週刊ジセダイ ライター 一寸法師