プロローグ。
大学受験がおわり次第書き直します。
俺には妹がいる。
俺によく懐いていていつも俺のことを「お兄ちゃん」と呼んで慕っていてくれた。
初めて妹と遊園地に行った時、妹はまだ4歳だった。
小さな足で一生懸命に俺の歩幅に合わせて歩く姿が可愛いくて、よく意味もなく頭を撫でてやっていた。
小学校に入学する時には、大きなランドセルを背負いながらも俺の隣を元気に歩いていた。
下校する時は時間が合うこともほとんどなかったが、同じ時間に下校する日はいつも一緒に帰っていた。
妹の他愛もない話を俺はいつも笑いながら聞くばかりで、
そんな記憶の中の妹が、目の前で泣きじゃくる妹と重なる。
今年で10歳になる妹は、身長も随分高くなっていて最近少し恥じらいを覚えたのか、周りの目を気にしてあまり外では話掛けてくれなかった。
そんな妹が、今は顔いっぱいに涙を浮かべて俺の体に縋り付いている。
「お兄ちゃぁあんっ……お兄ちゃぁぁああんっ………」
縋り付く妹の服が、俺の血で汚れていく。一週間前に俺が買ってあげた白いワンピースの大部分が赤く染まる。
「ダメっ……『』を一人ぼっちにしないで………ぐすっ」
そんな妹の頭を昔みたいに撫でてやる。いつものように意味もなく撫でるのではなく、今は妹を落ち着かせるため、『大丈夫だよ』と語りかけるように優しく撫でる。
「大丈夫。」
違う。本当はそんな意味なんかじゃない。
ただ必死に自分自身の不安を和らげるために、これで最後であろう妹との時間を、最後に妹をしっかりと感じるためだけに撫でていた。
「お兄ちゃんは『』を一人ぼっちになんかしないよ。」
そう言い残して、妹を残して、僕は死んだ。
意識はもう無いはずなのに、
感じる。次第に記憶も薄れて行く。
目に見えていた景色が、妹の声が、思い出色に彩られ、そして消えて行く。
今では、あんなに愛おしかった妹の名前さえも思い出せない。
記憶が薄れ、意識が薄れる。
僕の存在が薄れ、僕が消えて行く。
視力が失われて行くように、視界がぼやけ、次第に黒く染まって行く。
黒く染まる。
染まる。
そして僕の意識が、途切れた。
ご迷惑をお掛けしますが、大学入試後真面目に書きたいと思いますのでお待ちいただけると嬉しいです。
あ、ちなみにプロットは完結まで大雑把に考えてます。