家庭教師が来ることになった
冒険ものばかり書いてるのでたまには…と思い、書いてみました。
「拓也ー。家庭教師、来ることになったから。」
「……なんでだよ、母さん。」
「あなたの成績が悪いからよ。もう少し勉強しなさい!」
え~と、俺の名前は岡村拓也。現在、中学2年生だ。まあ、わかると思うけど、頭は悪い。5教科の平均偏差値は49。てなわけで母さんが家庭教師を呼んだのだ。
「今、アンタの部屋にいるから挨拶してきなさい。」
「来てんのかよ!!」
まあ、ぶつぶつと文句を言ってもしょうがない。俺は階段を上り、俺の部屋に入った。
「あの~。」
「あははははは!!」
なぜか、俺の部屋に漫画を見て大爆笑している女の人がいるんだが……まさか、家庭教師の人じゃないよな。うん、そんなはずが……
「あっ、拓也くんね!私が家庭教師の堺美咲です!よろしく!」
家庭教師だったよ。畜生め。まあ、けっこう美人だし……、いやいや!何考えてんだ!?俺!?落ち着け落ち着け……。
「よ、よろしくお願いします。」
それにしてもすごい服装だ。胸元がよく見える服に、かなりのミニスカート。なんだ?勉強させる気はないのか?堺先生(家庭教師なので先生と呼ぶことにしよう。)は改めて言った。
「さてと、今日は顔合わせだけだから、今後の日程だけ教えておくわね。まずは、授業の日にちだけど月、木、土の週三回。月曜日には国語と社会、木曜日には数学と理科。土曜日には英語と…。」
英語と…なんだ?
「先生の特別授業をします♡」
うわああああああ!!!これ絶対おかしいだろ!!なんだよ!特別授業って!!しかもなんで最後に♡マークがついてんのおおおお!?………………ハァッ、ハァッ、いや、そんなことがあるはずがない。特別授業ってのはわからないけど聞けばいい。うん!
「と、特別授業ってのは何をやるんですか?」
「え、ええとね……………ちょ、ちょっとトイレ貸してもらっていいですか!?」
「え、ええ、いいですよ。トイレは一階にあるんで。」
「ありがとうございます!」
風のように去って行ったな。トイレ、よっぽど我慢してたんだな。
―そのころのトイレ
「ふ~、なかなかうまくいかないな~。」
堺美咲は一人で愚痴をこぼす。
(北川先輩の通りにやったのに~。)
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一週間前
「あの、北川先輩、聞きたいことがあるんですけどいいですか?」
「いいわよ。どうしたの?」
「北川先輩って家庭教師をしていらっしゃるんですよね。」
「ええ、それがどうかした?」
「実は、私もすることになったんです。」
「なるほど、で、私に家庭教師の指導をしてくれということね?」
「はい。そうなんです。」
「教える人は男なの?」
「はい、そうです。」
「年は?」
「13です。」
「わかったわ。初日は大事だから慎重にしなきゃね。まず服装は、そうね、下はミニスカートで決定ね。」
「え、ええ!?なんでですか!?」
「まあ、あとで言うわ。あと、上の服も、胸元が見えるような服にしなさい。あと、胸を大きく見せるのも忘れずにね。」
「え、ええ~?」
「いい?13歳の男なんて思春期真っ盛りなのよ。こんなエロい服着て行ったらどうなると思う?」
「え……わ、わかりません。」
「絶対、アンタにくぎ付けになるに決まってるわよ!だからそれを利用して、勉強させるの!「こんな美人な家庭教師がいるんだから、絶対に頭がよくなって見せる!!」っていう具合にね!」
「な…なるほど……。」
「あと、特別授業ってのをするって?」
「え、なんで知ってるんですか?」
「私の情報網なめんじゃないわよ。授業を伝えるときにこういいなさい。「先生の特別授業をします♡」って、一回言ってみなさい!」
「先生の特別授業をします。」
「違う!」
「先生の特別授業をします。」
「違う!」
「先生の特別授業をします♡」
「それ!それよ!これで効果抜群だわ!」
「あ、ありがとうございます!」
「それじゃあ、がんばっといで!」
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「全然うまくいかないじゃないですか~せんぱ~い。しかたないわね、頑張っていくわよ!」
堺美咲は一人、トイレの中で盛り上がっていた。
「それにしてもトイレ長いな~。」
俺は一人、自分の部屋に残っていた。暇だ。