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2話 ~仲間~


「よし、2人ともこっちに来て」

そう言った女性は扉を開けた。

「ごほごほっ…」

埃っぽい風が吹く。

「あちゃー…。俊太また散らかしたな」

そういうと、その部屋にスタスタとみんな入っていったから、

俺と都夢技も一緒に入っていった。



「ようこそ。『文研』へ。まずは、自己紹介かな?」

俺らの前に立つ5人。

「まず、私は、会長の陽種未来(ひぐさみき)です。文藝学部の3年です」

俺に名前を聞いた女性がそう話す。

「で、あたしが、副会長の桜木結衣(さくらぎゆい)です。同じく文藝学部の3年です」

俺に最初に話しかけてきた、黒いキャミの女性が次にそう言った。

「俺が、会計つとめます大江裕哉(おおえゆうや)です。みんなと違って環境科学学部の3年です」

環境科学…思いっきり理系…。

「あたしは、天草百合音(あまくさゆりね)です。あたしは、脳科学研究学部の2年です」

黒髪のおとなしそうな女性はそう言った。なんで脳科学でココに?

「私は、展同亜歌音(てんどうあかね)教育学部の2年です」

教育学部…。

このサークルすごいや…。

『文研』って言ったら普通、文藝学部なのに…。


「あの…」

俺がそう言ったとき、むくっとだれかが現れた。

「あれ…新会員?」

「あっ、俊太。おはよう。早く、自己紹介中だよ!」

「……そう…。俺、羽瀬川俊太(はせがわしゅんた)。文藝学部の2年です」

眠そうに目をこする男はそう言ってまた、ソファーに寝っ転がった。

「ごめんね。俊太は、ココで寝泊まりしてるから…」

会長さんはそういって頭を掻いた。

寝泊まり…?ココで?

凄い人だな…。

「じゃ、君たちも自己紹介よろしく」

会長さんがそう言った。

「えっ、えっと…新垣泰助です。文藝学部の1年です」

「私は、泰ちゃんと同じく文藝学部の1年の坂上都夢技です」

「よし、泰助にむぎちゃん」

む、、、むぎちゃん?

「あははははははは」

俺は1人で笑い出した。

笑うツボの分かったのは、都夢技ぐらいで、他はキョトンとしていた。

「泰ちゃん!笑わないでよ…」

「だって…むぎちゃんなんて…」

むぎちゃんなんて呼ぶ人……

「泰ちゃん以外呼ばれたことない呼び名だけど…」

そう。俺は昔、都夢技のことをむぎちゃんと呼んでいた。

今は恥ずかしくてそんなこと呼べないけど。

「あっ、幼馴染みなんだよね?」

キョトンとしてる先輩たちの中で会長さんだけが口を開いた。

「あっ、ハイ。そうです」

そう言うと、周りの先輩も「そうだったんだ」と安心の顔をする。


それから、俺らはちょっとずつ話し始めた。


「じゃ、明日は、5時にココね」

明日も呼び込みをするらしく、俺と都夢技も参加することになった。

「あの…会長さん…」

そう言うと、会長さんは笑い出した。

「会長さんってなによ。未来でいいよ」

「いや…先輩呼び捨ては…」

「律儀だねぇ。じゃ、未来さんで」

「…はい。未来さん」

俺は笑顔で未来さんにそう言った。

それを他の先輩も聞いていたのか、「俺は!」とか、「あたしは?」と聞いてきた。

「えっと…。結衣さんに百合音さんに裕哉先輩に亜歌音さん?」

「なんか、固いね…」

「そうだね…」

「な、泰助!俺のことは、ユウさんでどうだ」

「ユウさん…」

「じゃ、あたしリリィ」

「私は、亜歌音でいいよ」

「あの…呼び捨ては…」

「「いいの!!」」

百合音さんと亜歌音さんはそう言った。

「は、はい…」

「私もそう呼んでいいですか?」

そう割り込んできたのは、やっぱり都夢技だった。

「むぎー。可愛い!いいよ♪」

そう言うと亜歌音は都夢技を抱きしめた。

「うわぁ、こんなとこで百合なんか見たくねーっつの」

ゆ、百合?

「あの…ユウさん…百合って…」

「あっ?あぁ、GL。つまり」

「レズ…」

「そう」

レズ…じゃないだろ。これは…。

「リリィってもしかして…」

「あっ、気づいた?百合の英語だよ」

俺がそう言うと、リリィはすぐにそう言った。

「「「「「じゃーねー」」」」」

5人は俺と都夢技に手を振ると、俺らと違う方向に歩き始めた。

「じゃ、帰ろう」

「おう」


そう言って、俺らも歩き始めた。


なんか、楽しそうだったな。

あそこなら、楽しめそうだな……。


そして、ゆっくり目を閉じた。


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