12話 ~秘密…?~
更新おそくなって本当にごめんなさい。。。
創作活動もしばらく続いて、
秘密基地はだんだんと完成に近づいていた。
「あとは、ドアと屋根つけるだけだね」
木の上に作った秘密基地。
俺たちは、ガキみたいに顔をくしゃっとさせて笑った。
未来さんの指示通り動いて、後は、ドアをつけるだけというところまでにたどり着いた。
その時だった。
「約一ヶ月でよくここまで出来たよね」
亜歌音が言った。
「正確には、3週間ですよ」
夏来もそう言う。
俺は、気づいてしまった。
「なぁ…みんな…」
「ん?泰助どうした?」
「なんか、忘れてないか?」
「なんも?ドアつけるだけだけど」
秘密基地はそうだろうな…。
「会誌、発刊まであと一週間ですけど、ネタあるんですか?」
月の3週間目。
つまり、あと一週間で次の月になる。
未来さんが、来月には、もう発刊すると言ってた。
つまり、来週は、発刊日だ。
「…ま、まじ?」
「すっかり忘れてた…」
「信じらんない…なんで忘れてたんだろう…」
みんなが焦りだした。
まぁ、そのはずだ。
みんな、秘密基地を作るのでいっぱいいっぱいで小説なんて書いてなかったから。
「と、とりあえずさ…忘れちゃった物はしょうがないし…」
「あの…会誌って、学校が紙代くれるんですよね…。ムダにしていいんですか?」
未来さんが、誤魔化そうとしたところに俺は釘を刺す。
「…泰助…。なんかいい方法ない?」
最終的には、未来さんが、俺に泣きついていきた。
俺は、なんだかんだ毎日夜書いてたからいくつか話はあるけど…。
みんなはないよな…。
「もぉ、こうなったのは仕方ないですし、あと一週間でいいものが出来るとも思いません…」
「泰助…酷くない?」
「まぁ…。このこと載せるしかないんじゃないですか?」
俺はため息混じりにそう言う。
「えっ?」
「は?」
みんなの驚きの声。
というか、みんな信じられないみたいな目でこっちを見る。
なんだよ…。
「こ、ココを載せるの?」
「はい…。ココ作ったって記事会誌に出せば一応活動報告になるかと…」
「ちょ、ちょっと泰ちゃんそれ本気で言ってる?」
都夢技が焦ったようにそう言う。
「だって、この1ヶ月これしかやってないだろ…。これ載せるしか…」
そんなにこれ載せちゃ駄目なのか?
なんかまずいのかココに秘密基地たてること…。
「だって、泰ちゃんこれ秘密基地だよ」
…。なんか、今嫌な予感が脳をよぎったんだが気のせいだよな?
いくら都夢技でも、そんな馬鹿なこと…
「秘密基地は、みんなにばらしたら秘密基地じゃなくなっちゃう…」
……や、やっぱりかお前!!!!
ふざけんなよ…。そんなんで会誌作れなくて学校側にどう謝るんだよ…。
みんなだってそう思うだろ…。
……って…あれ?
「あの…みんな都夢技と一緒の考えですか?」
「当たり前じゃん」
未来さんの一言で俺は奈落の底に突き落とされた気分だ。
なんだこいつら…。
■□部室□■
「泰助…」
「まじかよ…」
「怖っ…」
「まじ怖かったよぉ…」
「鬼!」
はい。
すみませんね…。
鬼で!
なぜこうなったか…。
それは、さっき俺が先輩達に向かってキレたからだ。
いや、俺は律儀と言われたんだ。出来るだけ先輩にはそんな態度を取りたくない…。
でも、これは仕方ないだろう…。
そう、俺はキレた。
「馬鹿野郎!そんなもん仕方ねーじゃねーか。これ載せるしかねーだろ!だったら、一週間で俺をあっとさせる小説書いてこいよ!俺は書けてるんだよ!」
ってね…。
「雷が落ちたかと思った…」
そら落ちもするわさ…。
「とにかく、これ載せますからね。みなさんは、来月の小説書いててください」
「はーい」
亜歌音がしぶしぶ返事をした以外は無言で俺に訴えかけていた。
また同じことを繰り返させる気かこいつらは…。
■□印刷室□■
「で、出来た…」
「で…出来ちゃった…」
結局完成したのは発刊日の2日前だった。
「本当に、これを発刊するの?」
リリィが涙ぐんでそう言う。
「はい。そうするしかないでしょ。もう100部印刷したんですし…」
「売れるのかな…」
この大学の会誌は、一冊50円というお金を払って手に入れる。
言わば、会誌は、そのサークルの会費を稼ぐための第一方法だ。
そして、発刊日。
100部のうち、50部が人手に行き渡り、
『文研』の会誌、『向日葵』は、見事2日で完売となった。
そして、その後、
俺たちの秘密基地は、色んな人に知られ、訪れられたことは言わなくても分かるだろう。