失せもの探し
私には他の人にはない不思議な力があった。何か失くしたもののことを考えると、ぼんやりとその在り処が脳裏に浮かんでくるのだ。今ではその特技を活かして探し物専門の占い師などをやっている。
そんな私のところに、ある日一人の少女が訪ねてきた。
「両親を探しているんです」
失踪でもしたのかと事情を聞いてみると、生まれてすぐに捨てられて顔も知らないが、生きているのなら一目だけでも会ってみたいのだという。
しかし私は今までペット探しをしたことはあっても、人間を探すのは初めてなのだ。もしすでに亡くなっていたらどうなるのか。何も見えないのか、あるいは墓の場所でも浮かぶのだろうか……。
とりあえず試しのつもりで、演出用に置いてある水晶玉をじっと見つめながら、少女の両親について思い浮かべようとする。そして脳裏に浮かんできた光景は――これは夜闇や建物の中などではない、一筋の光も差さない、真っ暗で、重く息苦しい雰囲気……どうやら地面の下であるようだ。
「――わかりました。場所までははっきりとしませんが、ご両親の現在の居場所を探ると、おそらくどこかの地面の下深くの光景が見えました。……お気の毒ですが、ご両親はすでにお亡くなりになられているものと思われます」
その答えを聞いた途端、少女ははらはらと綺麗な涙を流し始めた。
「配慮が足らず申し訳ありません。どうかお気を落とされませんよう――」
「いいえ、違うんです」
少女は手の甲で涙をぬぐうと、打って変わって満面の笑みを見せながら言った。
「占い師様が見たのはきっと地獄なんです。身勝手にも私を捨てた両親がちゃんと地獄に落ちていると聞けて、安心して思わず涙が――」




