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元オタクの動画配信者が結婚して嫁3人の主夫になる  作者: 龍田まや


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17/40

第17話 お義父さん(仮)と婚約者(仮)

俺は仕事の空き時間を利用して陶芸教室に通うことにした。

まずは直接出向いて中川先生にノアとのことを話す必要がある。

事前に電話をして会う約束をし、車を走らせた。


「どうもこんにちは」

「いらっしゃい、お待ちしてましたよ」

先生はいつものように準備をしていた。

「こちらにお掛けになってください」

机の上には手続きに必要な書類が置いてある。俺は言われるまま必要事項に記載してサインをした。

「はい、これで手続きは完了です。基本的には予約制で月4回までは定額、それを超えると追加で料金が発生します。材料費や焼成費も別途必要となります。よろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です」

「それじゃこれで受け付けますね」

先生は事務員の方に書類を手渡し、このあとに俺が何か話したいことを察したようで、目で合図し、俺を連れて自宅へと向かった。


「あれからノアと話したんです」

「ええ」

「お父さんに対する想いなども聞きました」

「そうですか」

「俺としては二人の仲を引き裂くことはしたくないし、その権利もありません。一応、宮尾家には彼女の婚約者となるべくして迎えられましたが、まだその条件は満たしてないし、仮に今すぐ満たしたとしても彼女とすぐにそういう関係にはならない、いやなれないと思います」

俺は出されたお茶を一口ゴクリと飲んだ。


「あなたとノアが会っていることは秘密にしておきます。俺からは話しません。何れ彼女の口から家族に話す日が来ると信じてます」

それを聞いた先生は少し安心したような表情を浮かべた。

そして、彼もお茶を一口ゴクリと飲んだ。


「分かりました。本来なら私の口から家族に伝えるべきことだとは思いますが、あなたの言った通りにいたします」

「俺から伝えることは以上です」

「ありがとうございます」


少し緊張感があったが、お互いスッキリした部分もあり、和やかなムードになりつつあった。

俺が次の言葉を発するまでは…。


「ところで婚約者の話なんですけど、実はノアだけじゃないんです」

「?!だけじゃないってどういう意味ですか?他に女がいるってことですか?!」

先生は少し声を荒げてそう言った。男の親なら当然そうなる反応だ。

しかし、俺が次に発した言葉が彼をさらに困惑させることになった。


「あなたの娘3人と結婚することになってます」

「3人って??それって重婚ってことですか?」

「一般的にはそう呼ばれてますよね」

そう話すと彼は一瞬で全てを察したかのように落ち着きを取り戻した。


「麦なんですね?そう仕向けたのは」

「ええ。俺も最初聞いたときは意味が解らなくて。正直今でも戸惑ってます」

「しかし、それは法律的にアウトなのでは?」

「ねじ曲げるとか捻り潰すとか言ってました」

「彼女らしいですね…」

「彼女の話だとその考えに至ったのはあなたとの離婚が関係してるとのことなんですが、何か心当たりありますか?」

「心当たり…。あると言えばありますし、無いと言えばないです」

彼はスッキリしない濁した言い回しをした。

「離婚した理由を伺ってもよろしいでしょうか?」

俺はそう切り出したが、彼は言葉を選んでいるようで少し時間をかけてこう言った。


「ノア以外の娘2人、ルナとモカは変わりないですか?」

「2人ですか?俺は最近宮尾家に来たばかりなので、それ以前のことは分からないですが、俺が来てからは変わりないと思います。モカが少し元気がなくて飯の量が減ったくらいかな」

「少し元気がない…。体調が悪いとかそんな感じですか?」

「いや、体調は普通だと思います。いつもだと俺に対して厳しい言い回しとかするんですけど、今日は力がないというか精気がないというか」

「そうですか…」

「あ、そうではなく離婚した理由について話していただくのは難しいですか?」

「それは…追々話せる日が来たらそのときにでもお話します。今はまだ…」

何か含みを持たせた言い方だが、俺は無理に追求しないことにした。


「それとノアは今日から料理の勉強も始めたので、そのうちごちそう作ってくれることを期待しといてください」

「え?勉強ですか?それは嬉しいですね。小さかったあの子が料理まで出来るようになって、子供の成長速度には驚きますね」

「ちなみにノアがいつも作ってくれる料理って何ですか?」

「カレーかシチューです」

「え?それだけ?」

「はい。それに総菜をトッピングしてコロッケカレーとか唐揚げカレーとかバリエーションをつけてます」

「ははは…(こりゃごちそう作れるようになるのは当分先になりそうだわ)」

「でも、洗濯は上手いんですよ!」

ビミョーな顔をした俺を見て、自分の娘を必死でフォローしたが、洗濯なんて洗濯機に洗濯物と洗剤入れりゃ誰でも出来る。

大丈夫ですよ。あなたの娘はとっても可愛いんだから。それだけで充分なのです。


俺は先生としばし歓談した。

話す限りでは悪い人には思えないし、何故離婚したのかよく分からなかった。

結婚どころか彼女すらいない俺が言うのは何だが、夫婦にしか分からない事情があったのだろう。

義理の父となったとしても上手くやっていけそうな気はする。







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