虹の向こう側
黄金に輝く稲がたわわになって、雨に濡れて輝きを増している。その向こう側に大きな虹がかかっている。 この村に住む、小学3年生の颯太は、学校の帰りに友達3人と、虹を眺めて、颯太が言った、(虹の向こう側には何があるのかな?) (バカだな〜、何にもあるわけ無いだろ) (行った事無いんだから分からないだろ) (虹を追いかけてるうちに消えちまうさ) (お前、追いかけた事あるのか?) (あるよ。追いかけてたら、海にはまりそうになったよ。怖かった〜) (そんなに遠いのか?) (そうだな、見てるうちに消えちゃったよ) 好奇心の強い3人組。何やら良からぬ事を考えているように、にゃっと笑った。
この3人は、お米を作ってる村に住んでいる。学校から帰ると家の手伝いをしていた。
颯太は、真っ直ぐ帰らず、何時もお父さん、お母さんに怒られていた。 3人の中で一番好奇心が強い。あそこに行くと危ないからなっと、何度も怒られても、行きたくなる。他の2人は、そんな颯太には着いて行けないので、何時も先に帰る事になる。 颯太は、危ないから絶対山には入ったら駄目だからなって言われていたが、気になってしょうが無い。
友達に言うと、(山は止めとけよ、帰って来られなくなるらしいからな) (そうだよ、そうちゃん、絶対駄目だからな)って.2人にも止められてしまった。 何で、帰って来れなくなるのに、大人は入っるんだよ。
颯太は考えました。帰れるように、印を付ければ良いんじゃないか?リボンならどうかな? リボンなんて家にはない。 ボロの布ならあるな、それにしよう。 納屋に入って、ボロの布を、ランドセルに入れた。
友達にも内緒で、山に入る事にした。
先ずは入口の木に結んで、少しずつ進んで、木に結んでいった。 少し空けた所に出た。滝が流れている。綺麗だな〜、青空と白い雲。 白い雲を、見ているとお腹が空いてきた。何も持って来なかったから帰る事にした。 無事に帰れた。やっぱり印を付ければ帰れるんだな。明日も、行ってみよう。
次の日、山の入口には、ちやんと印があった。 それをたどって、滝の所まで出た。 今日は、給食のパンを、取ってあったので、それを食べた。 そしてまた、少しずつ進んで、印を付けて行った。こうして毎日、学校の帰りに、山に登って行った。
随分登った気がするな、あそこまで行ったら帰ろう。 登って見ると、そこは見晴らしの良い場所だった。もうこの先は無いようだ。給食の残りを食べなから、寝転んで居ると、向こうの方に、大きな山が見えた。 あそこは何だろう? 気にはなったけど、もう帰らないと怒られる。
慌てて山を降りた。家に帰るとやっぱり怒られた。 (学校から帰ったら、家の手伝いをしなさい。もう、たけちゃんも、しんくんも家に帰ってるのに、あんたは何をやってたの?) (お母さん、凄いもの見つけたんだよ。あれが何なのか教えて?)
さっき見た山の事を話したら (知らないね、何処で見たんだい。) (海の向こう側) (父ちゃんに聞いてみな。) 父ちゃんが帰って来たから、聞いてみた) (知らんな〜、村長に聞いてみたらどうだ。) (解った聞いてみる)
次の日、学校からの帰り道、友達に村長に聞きたい事が有るから、一緒に行かないかと誘った。2人共、(嫌だよ、村長怖いもん) (そうだよ、何聞くんだよ〜、俺は行かないけどな) (じゃー良いよ、1人で行く)
村長の家の前で、どうしょうか迷ったけど、勇気を振り絞って、戸を叩いた。 (あの、村長さんにお聞きしたい事が有るんですが。) (君は誰?) (颯太と言います、米を作ってて、学校から帰ったら手伝いをしています。) (おーそうか、偉いな、ちょっと待ってろよ。こっちに入って待ってろな) 何か、豪華な部屋に通された。
暫くして、(僕かね、私に聞きたい事があるのは) う〜顔が怖い。 (はい、海の向こうに見える山は何ですか?) (ああ〜あの山は、まだ誰も行った事がない山だ。何度挑戦しても、行け無い。だからまだ分からないな) (そうなんですか?もし、僕が行くとしたら、行けますか?) (そうだな、いっぱい勉強して、大人になる事だな。) (勉強はどんな勉強をすれば良いんですか?) (学校に行って、色んな仕事して、経験を積むことだな) そうか〜普通に学校に行って勉強すれば良いんだ。頑張って勉強しよう。
颯太は、村長の家から、帰ると、お母さんに、(僕、これからいっぱい勉強するから、学校から帰るの遅くなるね) (お前はまた余計な事考えてるな。家の手伝いが先だからな) (分ってるよ〜) ほんとにもう。 何で怒られてるのかさっぱり分からないな。
次の日から颯太は、今までに無いほど勉強に打ち込んだ。 それから暫くして、俵を何処かに持って行く日がやって来た。前に何度も、俵に隠れて付いて行こうとしたが、見つかってこっぴどく叱られた。今度は、米を包む俵を被って俵の横になってみた。何とか見つからずに着いたみたいだ。
そこは見たこともない物が沢山並んでいる。 ぼーっと見ていると、頭をこつかれた。(こら〜颯太何度いやぁ〜分かるんだ。付いてきて帰れなくなったらどうするんだ。絶対離れずに付いてこいよ。) やっぱり怒られた。でも帰される分けではなかった。
ほー、凄いな〜色んな物が沢山、触ろうとして、こつかれて怒られた。何度も怒られたけど、家には帰ってこれた。
お母さんに、今日合った事を話してたら、お父さんが、(良い勉強になっただろう。大人になったら、あそこに行ける様になるからな。) と言われた。 あれも勉強なんだ。
あそこは何をする所なのか、お父さんに聞いた。 (あそこは市場だ、売ったり、買ったりするんだ。うちは米を売って、肉や野菜を買ってきたんだよ) そうなんだ。ほんとに良い勉強になったなと思った。 そして次は何時行くのかと聞いたら、お米が出来て、俵にしたら行くよ。 先が長いな〜。 どうにかして、行けないかな〜。村長に聞いて来ようかな?
1度行ったから、もう怖くない。 村長の家の前で、村長に会った。 村長さん、(また、聞きたい事があったので来ました。) (ああ〜、こないだの坊主か、なんだ?) (隣の町に行くにはどうしたら行けますか?) (馬車が、あれば行けるよ) (馬車?) (何だ、馬車を知らないのか?) (あれだ、乗ってみるか?) (乗ってみたいです) (今から隣町に行くから、一緒に来るか?) (はい、行きたいです) (では、行こう)
馬車なるものに初めて乗った。 お尻がやたらと痛い。 着いたようで降ろされた。 あれ?この前と違う、前は、色んな物が沢山並んでいた。今は、見たことも無い、凄く大きい家が幾つも建っている。 村長に着いて行くと、何処かの扉を開けて中に入った。
これも、見たことの無いような物が飾ってある。とっても綺麗だった。 帰りに、村長に、何処の町に行ったのか教えて欲しいとお願いした。 (何だ学校で習わなかったか?) 地図を広げながら、一つ一つ教えてくれた。
今行った町を中心に、他の町が、囲っている。僕の町の名前を初めて知った。 田原町と言うんだそうな。そして、他の町の名前と、何を作っているのかも教えてくれた。
村長に、(他の町にはどうやって行くんですか?) 村長は、(今、乗ってきた馬車で行くんだよ、歩いては行け無いな。) (馬車はどうやったら手に入りますか?) (作ってもらうか、買うかだな。だが、普通の家では買えんな。どうしても、他の町も見たいなら、また来なさい、連れてって上げるよ。) (良いんですか?行ってみたいです、勉強の為に) (勉強熱心だな。良い事だ。また、おいで)
村長の家から、帰ったら、また怒られた。 (何度言ったら分かるのかねこの子は。何処をうろついて たんだ。) (村長に、聞きたい事が合ったから、聞きに行ってたんだ) (何を聞いたんだい。村長さんに迷惑掛けなかっただろね)
今日合った事を全部話した。 (何だい、また、村長さんと、何処か行くのか?) (うん、何時になるか分からないけどね) (お父さんに言っとくよ) 何とか理解してもらった。
何日かして、お母さんが、(颯太、村長さんが呼んでるらしいよ。例のあれかね?行ったら帰ってくるの遅くなるかもしれないね) (うん、分からないけど、行ってくるね)
村長の家に行って、声を掛けた。(こんにちは、颯太です) (おー、来たか。今から、隣町に行くから、一緒に行こう) (はい、うちの人にも、言って来ました。 (随分、用意が良いな) そして、馬車に乗った。 やっぱりお尻が痛い。 この前と違う所だ。
工場? 何か作ってるのかな?村長に聞いてみた。(ここで何か作ってるんですか?) (そうだよ。馬車を作ってる) (馬車ですか?) (良く見とくんだよ、どうやって馬車になるか。颯太にも作れるようになるかもしれんぞ。) 颯太は、工場の中に入って、みんなが作ってるのを、見ていった。とっても難しそうだな。僕にはとても出来そうにないな。
そして、また馬車に乗って、何処かに向かった。今度は、甘い匂いがする。お腹が空いて来た。 村長が、(ここは、お菓子を作ってるんだよ。1つ貰おうか。食べるか?) と 1つくれた。なんて甘くて美味しいんだ。ほっぺたが落ちそうだ。もっと欲しいな〜。でもそれは無理だった。村長が、(ここの仕事も良く見ておくんだよ。) 颯太は、つまみ食いをしそうになった。もうここに居ると、お腹が減ってしょうが無いや。
また、馬車に乗って、何処かに向かった、今度は、機械の音がする。 何だろう。 布がいっぱいぶら下がっている。
村長は、(ここは布を織る所だよ。織った後、色を付けて、服が出来上がるんだよ) (ここの仕事も良く見ておくんだよ) 何だか不思議だった、こんな糸が布になるんだ。機械の音は、これだったんだ。みんなが、何やら踏んでいる。布が少しずつ出てくる。へー、これが、服になるんだな。
今日は、良い勉強になったな。馬車に乗って、家に帰って来た。 村長が何やらお土産をくれた。 お父さんとお母さんに、お土産を渡した。(まあ〜村長さんがくれたの?何だろね、良い匂いがするよ。みんなで、分けて食べよう、) あっ!さっき食べたお菓子だ。また食べれた。村長、ありがとう。 お母さんが、(村長さんに、お礼をしないとね)って言ってた。何するんだろう?
それから数日経ったある日、また、山に登った。目印は健在だった。 何やら下の方から音がする。 気になって見に行った。 あれ? お父さん? 木を倒してる。 ずっと見てると、おじさんに、(怒鳴られた、どっから入って来たんだ。危ないから、帰りなさい。) そうか、山に入る事が禁止なのは、木を倒してて危ないからなんだな。 直ぐに、山を下りた。もう山に登るのは止めようと颯太は思った。
それから、月日は流れて、颯太達、3人は、働きに出る事になった。 隣町だという。 前に村長に連れて行って貰った所かな? 3人は同じ工場で、働く事になった。 颯太は、やっぱり前に村長に連れてきて貰った工場だ。 確か、馬車を作ってるんだったな。 工場長の挨拶で、馬車の部品を作っていると説明が会った。 しょうちゃんは、車輪の部品を作っている所に。 たけちゃんは、椅子を作ってる所に、俺は、馬車本体だ。 デカイので、俺に出来るのかな〜。 不安は有るけど、班長に言われるまま仕事した。 帰りは、1人だ。 そう言えば、行きも最近一緒にならないな。
久しぶりに会ったしょうちゃんに、(最近、朝も、帰りも会わないな〜終わるのが、遅いのか?) (遅くないよ、颯太が遅いんだろ。俺が帰る時、まだしょうちゃん仕事してたぞ) ‼️ (俺が、遅いのか?なんでだろ) (忙しいんじゃ無いのか? たけちゃんとは一緒に帰るよ、朝も一緒だし) ‼️ 俺だけ、朝も行く時間が違うのか? 明日、班長に聞いてみよう。
次の日、班長に、(ここの仕事の時間は何時から始まって、何時に終わるんですか?) (お前、聞いて無かったのか? ここは、他の部所より早くて遅い終わりだ。 なんせ忙しいからな) 何か納得行かないな〜。 でも、文句は言えない。誰が何処の部所になるかを決めたんだろう? 村長に聞いてみようかな。
仕事帰りに村長の家に寄った。 村長に、今日合った事を話した。 村長は、(それを決めるのは、工場長だな。面接の時に紙を貰って書かなかったか?それを見て、工場長が何処の部所に行くかを決めるんだよ) そう言えば、何か、紙貰って書いたな。そうなのか。じゃーしょうが無いな。 納得出来たので気持ちよく働ける。
[そう、颯太は、気になることがあると、納得行くまで誰、彼構わず聞く。]
仕事が終わって帰ろうとしてたら、仕事仲間が、(颯太、海に行った事あるか?泳げるか?)と聞いてきた。 (海は、山の上からしか見たことが無いな、泳ぐって何?) (そうか〜、お前も泳げないのか、誰か泳ぎ方教えてくんないかな〜。
颯太は、(班長に聞いてみようよ) (えっ!班長怖くないのか?) (何で、怖いんだ) (いっつも怒鳴ってるだろ) (怒鳴ってるのが怖いなら、うちの父ちゃん、もっと怖いぞ) (お前の父ちゃんには、会いたくないな) (俺、聞いてくるよ)
班長に、(僕は、海で泳いだことが無いです。班長は、泳げますか?) (何だお前、泳いだ事無いのか、俺が、教えてやろうか?) (是非、お願いします。もう、1人居るんですが、良いですか?) (ああ、良いよ)
同僚に、(班長が、泳ぎ方教えてくれるってさ。一緒に、教えて貰いに行くよな) (おー分かった。何時からだ?) (それは聞いてない、行く時教えてくれるよ) (お前な〜。緊張しないのか?) (何に緊張するんだ?) (もう、お前と話してると、何だかどうでも良くなったよ)
班長に呼ばれて、(明日、休みだから、泳ぎの練習をしょう。ここで待ち合わせだ) 班長に言われたので、同僚の、かんたに伝えた。
次の日、待ってると、班長が何やら持ってきていた。 丸い輪っかの様なものだ。 海に入る前に、体操をした。これをしないと、足が釣って溺れてしまうそうだ。
それから、輪っかを付けて海に入った。 輪っかが浮いた。これは何だか楽しいな。 班長が、(今から、この浮輪を外して、浮く練習をする。体の力を抜いて、上を向いたら浮けるからな) うわ〜ほんとだ、体が浮いてる。気持ちいいな〜。
かんたが、騒いでいる。(怖いよ〜、浮かないよ〜。誰か助けて〜) (かんた、体に力が入っるんだ。力を抜いてみろ。) (絶対離さない?) (大丈夫だ、絶対離さない) (ほら、浮けるようになったじゃないか) (これで浮いてるの?、手を離してみて) (もう、とっくに離してるよ)
何だか、騒がしいので、颯太は見に行った。 おー!上手く浮いてる。 俺はどうなのかな? 班長に聞いてみた。 (颯太は、筋が良いな。上手く泳げるようになるぞ) 取り敢えず出来てるなら良かった。
それから、泳ぐ練習をした。足を、バタバタさせる、両手は交互にかくように動かす。 難しい。 足が出来ても、両手を動かすと体が沈む。 息が出来ない。 何度も、死ぬかと思った。 でも、班長は褒めてくれる。 (颯太、それで良い、上手く出来てるぞ) (かんた、もう少し体の力を抜け。 班長の、声に合わせて頑張った。
土曜日、日曜日と、休みは終わったから、明日からは練習出来無い。 班長が、(仕事帰りに、海に入るなよ。命取りになるからな。夜は、暗くなると、何処まで泳いだか分からなくなって、帰って来られなくなる) (帰って来られなくなった人が居るんですか?) 颯太は聞いた。
班長は、(ああ、居る。遺体となって帰っ来た) 颯太は、ぞっとした。絶対、仕事帰りに、海に入らないぞ。
暫くして、かんたが、仕事に来なくなった。 班長に、(かんたの家は、何処にありますか?) (かんたの家に行くつもりか?、止めておいた方が良いな。家で何かあったのかもしれない。行ったら、迷惑になるかもしれないからな)
そして、ひと月が経った頃、かんたが、職場に来た。 何やら、班長と話しているが、聞こえない。 後で、かんたにどうしたんだと、聞いてみた。 (母ちゃんが、倒れたんだ。俺は、長男だから、家族の面倒を見ないといけないからな。) (お母さんは、良くなったのか?) (少し動きづらそうだけど、元気になったから、もう仕事に行っても良いかなっと思って。
長い事、連絡もし無いで休んでたから、クビになるかと思ってたけど、班長が、そんな理由なら良いと言ってくれたから、また、ここで働くよ。もう、泳ぎの練習は行けないな。颯太頑張れよ)と言われた。
休みの日、班長から、もう、俺が教えてやれる事が無くなったから、今日で練習は終わりだ) 班長に、(向こうの山まで泳いで行けますか?)と聞いたら、(それは無理だな。漁師でも、向こうの山には行けなかったらしいからな) (どうしたら、行けますか?) (何だ、お前、あの山に何かあるのか?) (どんな所か見てみたいんです) (そうか、なら漁師になる事だな。漁師になって海の怖さを知る事からだな。もし、お前が漁師になる気があるなら、俺の知り合いに会わせてやるよ) (はい、合わせて下さい) 班長に、次の休みに、ここで待っているように言われた。
休みの日に、班長に言われた場所で待っていると、真っ黒に日焼けしたおじさんと班長は一緒に来た。 (この子が、漁師に興味がある子だ。) 真っ黒に日焼けしたおじさんが、(漁師の何に興味があるんだ?) (はい、向こうの山に行ってみたいから、海の怖さを教えて欲しいです) (面白い事言う子だな。向こうの山に行くとしたら、頑丈な船と、泳ぎが得意でないと無理だな。うちの船も頑丈だけど、向こうの山には行けなかったな。) (おじさんは、向こうの山に行こうとしたの?) (ああ、そうだ。何があるのか確かめたいからな) 俺と一緒だ。と颯太は思った。
おじさんに、(漁師になるにはどうすれば良いの?) (何だ、漁師になりたいのか?)(はい。どんな仕事なのか知りたいです) おじさんは、うーんと言いながら、何かを考えている。
おじさんが、(颯太、漁師はな、生まれた時から漁師なんだ。途中から漁師になった者は居ない。だから、颯太が漁師になるには、颯太の両親の許可がいる。両親に話して、漁師になっても良いと両親からの許可が取れたらもう一度、来い。) 班長とおじさんが、何やら話しているが、分からない。
家に帰って、今日合った事を話した。 お母さんが、(何で、漁師になりたいんだ。今の仕事が嫌になったのかい。) (違うよ、海に出て見たいんだ。そして、向こうの山に行ってみたいんだ) お父さんが、(海の向こうの山がそんなに気になるのか?海は怖いぞ。命掛けの仕事だぞ) おじさんにも言われた。でも、どうしても行ってみたい。
お父さんが、(颯太は、言い出したら聞かないからな、今度、漁師さんに会うなら、お父さんもお母さんも一緒に行くからな)と言われた。 班長に、両親からの許可を貰えた事を伝えた。 班長は、(そうか分かった、知り合いに伝えておくよ)
それから数日して、班長と、両親と、俺で、おじさんに会いに行った。
おじさんとお父さんが話をしている。(うちの、バカ息子をよろしくお願いします。言い出したら聞かない子で、ご迷惑お掛けします)と言っていた。 お母さんは、おじさんに、何かを渡して、(息子をよろしくお願いします)と言っていた。 そして、両親と班長は帰って行った。
残された俺は、おじさんの家に連れて行かれた。 (漁師は、朝が早いから通いでは働けないから、うちで住んでもらう。これが、うちの家族だ、颯太より1つ上になるかな?慎吾だ。一緒に漁に出てもらう。寝る所が無いから、悪いけど馬小屋で寝てくれ。触らなければ、噛んだり、蹴ったりしないからな、安心してくれ。明日の朝から、一緒に漁に出るからな。朝は早いから、さっさと寝ることだな。おやすみ)
馬は、馬車を引く馬しか見たことが無い。 ここでは、馬は何をするんだろうか?。気になるけど今日は早く寝なきゃだ。 寝ていると、馬が、俺を舐めだした。 うへー、食べられるんか?。 ただ舐められただけだった。 怖かった〜。
次の朝、もう馬は起きてた。馬って立って寝るのかな~。 颯太は、気になる事ばかりで、何だかそわそわしていた。
おじさんに挨拶して、みんなでご飯を食べた。 船に行く前に、色々持って行く荷物が有るからと、持たされた。 何に使うのかな?聞きたいけど、忙しそうで、聞けなかった。
船に乗り込んで、出港する前に、おじさんが、何かを言って、みんなも後から同じ事を言っていた。流石に気になるから、おじさんに聞いた。 おじさんは、(無事帰ってくれるように、祈るんだよ) と教えてくれた。 船が出港した。海が荒れてる訳では無いけど揺れている。 魚が捕れる所まで、船を走らせると、船を停めて、魚を捕るための網を海に投げいれた。
慎吾が寄ってきて、(颯太は、船酔いは大丈夫か?) (船酔い?) (船が揺れたら気持ち悪くなるだろ?颯太が吐いて無いみたいだったから、大丈夫なのかと思って。大抵は、初めて船に乗ると、船酔いして吐くんだけどな) (そういえば、気持ち悪く無いな。揺れは心地良い位かな。) (心地良い、初めて聞いたわ、お前面白いな)
そんな話しをしていると、おじさんに、(みんなで網を引っ張るぞ) そーれ、そーれ、かけ声を掛けながら網を引っ張った。 大量の魚が網に掛かってる。 凄い。 この魚を網から外して、選別していく。
おじさんが、(颯太、魚の顔を良く見て覚えるんだぞ。1人で選別し無いと駄目だからな) 慎吾に教えて貰いながら、魚の顔を覚えた。どの魚も顔が違う。同じのは同じ所に入れる。 段々楽しくなってきた。 お昼ご飯は、採りたての魚を焼いて食べる。 これが、ほっぺたが落ちそうになるぐらい美味しかった。
漁が終わって、今度は、船を降りて網の手入れをする。 穴が空いてないか、ほつれてないかを一つ一つ、みんなで見ていく。 この網は、自分達で作ってるからまた、教えてくれるようだ。
颯太は、慎吾に、( ここに居る馬は、何をするのに飼っているの?) ( 市場に魚を売りに行く時に、馬の背中に乗せて運ぶんだよ。重いもの運ぶ時にも、馬に手伝って貰うんだ。だから馬は大事なんだ。 颯太は、馬と寝てるから、大事にしてやってくれよな)と言われた。 颯太は、寝る時馬に、今日も御疲れ様、明日もよろしくと、声を掛けた。 馬が寄ってきて、颯太を舐め始めた。 くすぐったいよ〜、もう良いよ〜分ったよ〜。颯太は、馬が可愛くってしょうが無くなった。 馬も横になって寝れたら良いのにな。
朝起きると、馬が颯太の隣で横になって寝ていた。 うわ~、馬も横になって寝るんだ。 これからは一緒に寝ようなっと頭を撫でたら起き上がって、颯太を舐め始めた。 顔洗わないとな。 朝ご飯を食べて漁に行く。 今日も1日漁に出て、網の手入れである。
そうこうしている間に1年が経った。 おじさんが颯太に、(明日から少し実家に帰って休んでくれ。これから、海が荒れるから暫く漁が出来なくなるからな。)と言われた。
久しぶりの実家だな、自分で採った魚をお土産に、家に帰った。 お母さんが、目を丸くして、(この魚、颯太が採ったのかい?お父さん見て、颯太がこんなにいっぱい自分で魚を採ったよ) と、大はしゃぎだ。 弟や、妹も嬉しそうだった。 颯太は漁師になって良かったなって思った。
漁師にはなったけど、何時になったら、あの山に行けるかな〜。 今度おじさんに聞いてみよう。 班長に魚を持って会いに行った。
(班長、お久しぶりです、この魚、俺が取ったんです。食べて下さい。) (そうか〜、颯太も一人前になったんだな。有り難く頂くよ) 班長に漁師の船よりもっと頑丈な船は作ってもらえるのか、聞いてみた。
班長は、(工場長に聞いて見ないと分からんな。でも何でだ?) (向こうの山に行くには、漁で使う船では行け無いと、おじさんが言ってたから) (まだ、諦めて無かったんだな。分かった、工場長に聞きに行こう)
工場長に、頑丈な船の話をした。 (出来無い事はないが、日にちが掛かるのと、かなりな額になるけど、払えるのか?) (いくらになりますか?) (作ってみないと、分からんな。どうする?作るか?) (はい、お願いします) 班長が、(お前、大丈夫か?お金は貯めてるのか?) お金?どうなんだろう?そう言えば、使った事無いかな〜。
班長に、(俺が働いたお金は、何処にあるんですか?) (えっ!使った事無いのか?) (はい、有りません。服とか、食べる物とかは貰いもんなんです) (それなら、銀行に行って、幾ら入っているか確認するんだな) (銀行?何処になりますか?) ‼️ 行った事無いのか、颯太は。 仕方が無い連れて行くか。颯太を連れて銀行にやって来た。
(颯太ここが銀行だ。通帳は持って来たか?) (これですか?)(そうだ。それをここに入れると、お金を、出したり入れたり出来る。今日は通帳に記帳だな) (はい。) 通帳に記帳して、班長に見せた。 (お前、使ってなくて、これだけしか無いのか?船なんか買えないぞ) (そうなんですか?どうすれば??)
工場長の所に行った。 (これだけでは全然足りないな) (どうすれば良いですか?) (今から働いてもな〜買えるだけのお金は貯まらんな。颯太が、向こうの山に行けたら、払ってくれなくって良いよ) (えっ!良いんですか?絶対行きます) (凄い自信だな。颯太の夢を買ってやるよ) 工場長は、船を作ってくれる約束をしてくれた。
まだ、おじさんの所には帰れないから、隣の服を作ってる工場で働く事にした。 ここの工場長は、女の人だった。 機械で布を織ってるのも女の人だった。
工場長に、僕も布を織ってみたいですと言ったら、(それは無理ね。織るには、学校に行って資格を取らないと駄目だからね) (学校があるんですか?今からでも入れますか?) (颯太くんは、漁師じゃ無かった?仕事しながらは無理だね) そうなのか、諦めるしか無いか。
颯太の仕事は、糸に色を付けて、干して乾かす、重い水を、布に色を付ける為の桶に入れる為に運ぶ。 桶の水は、桶の横に有る穴にホースを付けて、海に流す。 颯太は思った。 井戸の側に桶を置けば運ば無くても良いのにな。それを、一緒に働くおじさんに言ってみた。
おじさんは、(それは無理なんだよ、桶の水を海に流すホースが、海まで届かなくなるんだよ) (もっと、ホースを長く作れば良いんじゃ無いですか?) (これが、1番長いんだよ。これ以上長くすると、水が途中で止まって、また戻って来るんだよ) ( そうなんですね) 颯太は納得したので、せっせと水を運んだ。
隣の食品工場も気になるので、そこでも働く事にした。 工場長は、若い男の人だった。 ここでも、女の人が多かった。 機械に、お肉を入れて、ソーセージになったり、魚を入れて、板の無いかまぼこだったり、缶に、味付けされた魚を入れて蓋をしたり、する事がいっぱいあった。 前に、食べた事のあるお菓子は何処だろう? おばちゃんに聞いてみた。 (お菓子は、作って無いんですか?) (お菓子は、隣の隣の部屋で作ってるよ) 行ってみよう。
隣の隣の部屋では、甘ーい匂いがする。 この匂いだ。 早速、仕事をしたいと言うと、 (ごめんね、人が足りてるから、他の所で聞いてね) と言われた。 残念! そうこうしている内に、漁師のおじさんの所に、帰る時が来た。 みんなに挨拶して、いっぱいお土産を持って帰った。
(おじさん、ただいま帰りました。これお土産です。皆さんで分けてください) (颯太、元気だったか?家に帰ってゆっくりして来たか?) (暇だったので、工場で働いていました。お土産の、服とか、食品を作っていました。なので、沢山、お土産を貰ったので持って来ました) (何だよ、休まずに働いてたのか、颯太は、働きものだな。 これを、颯太が作ったのか?) (俺が作った分けでは無いですね、機会が作ったんですよ。俺はそれの手伝してただけです) ふ〜んと感動してた。
颯太は、何時も可愛いがってくれるおばあちゃんにお土産を持って行った。 おばあちゃんの家に、織物機があった。 おばあちゃんに、今もこれで織って、服を作ってるのかと聞いてみた。
(いいや、今は作って無いよ。もう、足が痛くて機械を動かせないんだよ。何だ、颯太、織ってみたいのか?) (うん、でも学校で教えて貰わないと出来ないんでしょ?) (学校?行かなくても織れるよ。 織り方教えて上げようか?) (えっ!良いんですか?教えて欲しいです) おばあちゃんが、糸を持って来て、こうやって織るんだよつと教えてくれた。
夢中でやってたら、糸が無くなった。 (おばあちゃん、、糸が無くなったよ) (そうかい。もう、糸はそれでおしまいさ。こんなに織ったんだね。これなら、服が一着出来るな)とおばあちゃんは何やら縫い始めた。
(これは、颯太が作った服だよ。着てみな)
服は、颯太の体にピッタリだった。 おばあちゃんの家で作った服を着て帰った。
今日から、漁に出る。久しぶりなので、緊張した。 夏には無い魚がある。 また顔を覚え無いとな。
漁が終わって、昼飯はやっぱり、採れたて、美味しいな〜。
ある日、おじさんと慎吾が、言い争ってた。 とうしたのか聞くと、いつもおじさんが、1人で市場に行くから、慎吾は、俺が行くと言っている。 (2人で行けば良いのでは無いですか?何なら、俺も行きたいし)
そして、3人で、市場に行く事になった。
馬の背中に、魚を入れた袋を2つ乗せた。 乗せたと言うより、ぶら下ただな。
慎吾と、俺は店に出す為の、板とか、籠をリヤカーに乗せて運んだ。
市場に着いた。 子供の頃に来た事のある場所だった。
おじさんが、(魚はな、生物だから、早く売ら無いといけないから、こうやって声を出すんだよ)
"採りたての新鮮な魚だよ、早い物勝ちだよ"
おじさんと一緒に大声で叫んだ。
"採りたての新鮮な魚だよ~早い物勝ちだよ〜"
お客さんがいっぱい来た。
颯太達のお陰で早く売れたよ。
(おじさん、色々見てきてもいいですか?) (ああ〜、良いよ) (俺も行きたい) と慎吾が言ったので、2人で色々な店を見て歩いた。
見たこともないものが、置いてあったので、(これは、何処から持ってくるんですか?) と聞いてみた。
(この品はな、隣の小さい山から持ってくるんだよ) (そこには、どうやって行くの?) (船だよ。それ専門の船が出てるんだよ) (何処に有りますか?) (何だ?興味あるのか?だったら連れて行ってやるよ)
おじさんに、今の話をして、連れて行って貰っても良いかと、聞いてみた。
(構わないけど、颯太1人で帰って来れるのか?) (それは大丈夫です。道は覚えましたから)
おじさんの了解を得て、行く事になった。
小さな山に行く為の港は、漁師の港とは違っていた。
船が並んでいて、みんなが色んな物を運んでる。賑やかな港だった。
颯太は、おじさんの船に乗せて貰って、小さな山に行った。
小さな山の港も賑やかで、人の出入りが激しかった。
おじさんは、(ここから、売ったり買ったりするんだよ)と教えてくれた。
雰囲気は市場と一緒だな。 置いてるものが珍しいな。お土産に買って帰ろう。
おじさんに、お礼を言って、お土産を持って帰った。
おじさんに、お土産を渡すと、(おっ!これは何だ?珍しい物が沢山あるな。)と嬉しそうだった。
何日かして、工場長から連絡が合って工場に行く事になった。
(こんにちは、工場長、ご無沙汰しています。今日は連絡を貰ったので、伺いました)
(颯太か、船が出来たから知らせたんだ) (船が出来てんですか?)
工場から海に出たら、立派な船があった。
工場長から船の説明を受けた。
漁には出てても、船を動かしたことが無い。
(工場長、漁に出てても、船を動かしたことが無いんですが、どうすれば良いですか?) (船を動かしたことが無いのか、そこから勉強だな)
学校に行くように言われた。仕事しながら、学校は行けないな〜。
漁師のおじさんに、言ってみた。 (暫く、仕事を休んで、学校に行けば良いよ) (ありがとうございます。実家からの方が学校が近いので、そこから通います) (そうか、解った。頑張れよ)
おじさんに了解を貰って、実家に帰った。
両親に、事情を話した。
(まだ、諦めて無かったんだね。まあ〜頑張りなさいね) 兄妹達は、大喜びで、颯太の周りをはしゃぎ回った。
今日から、学校に行く。新しい事を知るのが嬉しくって、うきうきである。
学校に着いた。もう皆来てた。自分の席を探して座った。 隣の子が、(安田龍介と言います、よろしくね) っと言われたので、颯太も名前を言って挨拶した。
これだけの人数何だな、もっと沢山居るのかと思ってた。 女の人は1人しか居ない。
授業が始まった。 颯太は、知らない事だらけなので、わくわくが止まらない。 分からない事は、どんどん聞いて言った。
試験が始まる1週間前頃、颯太の周りに人が集まって来て、ここ、教えてと言ってくるようになった。
教える事をした事が無いけど、自分の勉強にもなるから、楽しく教えていた。 女の人が申し訳無さそうに、(私にも、教えて貰える?) と言って来た。
周りの人が、冷やかしてくる、何を言われてるのか分からないけど教える事は別に良いと思ったので、(良いですよ。皆と一緒に勉強しましょう) と言った。
それから、最後の試験の日がやって来た。これに受かれば、船を動かす事が出来る。
試験の結果が貼り出されていた。 良かった〜受かってた。
颯太は、先生に呼び出された。 (颯太くん、素晴らしい成績でした。船には何時乗るのですか?)
(直ぐにでも乗りたいです。乗って、向こうの山に行ってみたいんです) (向こう山? 無謀ですね。まだ、誰も行けてないと聞いていますよ。船は、あるのですか?) (学校に来る前に、船が出来てたんですが、船を動かす事が無かっ事に気が付いて、それで学校に来る事になったんです。)
(凄い野望ですね。頑張って下さいね。行ける様になったら、是非誘って下さい。私も行ってみたいです) (ありがとうございます。良い報告が出来る様に頑張ります)
颯太は、学校から家に帰って、受かったことを伝えて、工場長の所に向った。
(工場長、船舶の試験に受かりました。何時でも、船を出港させれます) (もう、受かったのか、凄いな。どうする?何処の港から出港する?)
(考えて無かったですね。漁師のおじさんに聞いてみます)
颯太は、漁師のおじさんに、試験に受かった事の報告と、何処の港から、向こうの山に向かったら良いか聞いてみた。
おじさんは、(ここからでも良いけど、行けなかったからな〜) 暫く考えて、(取り敢えず、この港から行ってみれば良いかな。一応、行けなくても、帰ってこれたからな)
工場長に、漁師の港まで、船を移動させて貰った。
漁師のおじさんが、(颯太、本当にもう行くのか?忘れ物は無いか?もし、戻って来る事になっても必ずここに来いよ) とおじさんは、とっても心配してくれた。
船を、出港させる時、皆が来てくれた。 凄く嬉しいけど、直ぐ戻って来る事になったら恥ずかしいなっと思いながら、皆に手を振った。
[こうして、颯太の冒険が始まった。
さてさて、無事に向こうの山に行けるので
しょうか?]
良いお天気で、良い風が吹いていて、滑り出しは、順調だな。 船の上で、おばちゃんに貰ったおにぎりを食べた。 少し眠くなって来たな〜と思っていると、嫌な風が、吹いてきた。
そして、船が回り始めた。
ぐーるぐーる最初はゆっくりだったのが、段々、激しく回り始めた。ぐるぐるぐるぐる。
気が付いたら元の港に着いていた。
船を停めて、漁師のおじさんに、聞きに行った。
(やっぱりそうか、途中で渦巻きに巻き込まれるんだよな、そして、ここの港に戻って来る事になるんだ)
颯太は、考えた、真っ直ぐ行くから、渦巻きに巻き込まれんのかもしれないな。
颯太は、今度は、前よりずっと左の方から行ってみる事にした。
そして、またしても、渦巻きに巻き込まれた。次は、右からと、何度も位置を変えて行ってみたが、駄目だった。
颯太は、小さい山から行ったらどうかと考えた。
小さい山の港が分からなかったので、漁師のおじさんに聞いてみた。
(それなら、ここから東に向かって行けば行けるよ) (おじさん、ありがとう。行ってみる)
颯太は、東に向かって舵を取った。
小さな山が見えて、沢山の船が並んでいる。
船を停める場所が無かったので、小さな山を素通りした。
暫く行くと、島があったので、船を停めて、島に入った。
誰も居ないし、見たことの無い木が生えていた。
日が暮れたので、この島で、ご飯を食べる事にした。
石を集めて丸く囲って、そこに枝を入れて火を付けたら、爆発した。 ‼️何でだ? 気になる颯太は、持って来た枝を束ねて、"火を付けたら爆発する"と紙に書いて船に乗せた。
次の枝は、火を付けたら、炭になった。
颯太は、また、木を束ねて、"火を付けたら炭になる"と紙に書いて船に乗せた。
颯太は、面白くなって、色々な木に、火を付けてみたが、他のは普通に火が灯っただけだったので、そこに網を乗せて魚を焼いたり、貰った野菜を焼いて食べた。
木が有るから、ハンモックを作って、そこで寝ることにした。星空が輝いていて綺麗だった。
朝も、昨日の夜の様にして、ご飯を食べた。
船に戻って、出港だ。
少し行くと、また島のような物があったので停めた。そこは、砂浜だけの島だった。
船が停めれるようになっていたから、誰かが来ているのかな?
砂浜に入ると、小さい、カニや、えび等が居た。カニを捕ろうとしても中々捕れない。暫く格闘してると、海水が、腰辺りまで流れて来た。
慌てて、船に戻ると、服やら、靴の中に、小さなえびとカニが入ってた。 今日のご飯はこれに決まりだな。
樽いっぱいの水を、少しずつ飲んでたけど、今日は、せっかくのカニとえびがあるから、鍋にする事にした。
良いだしが出て、美味しかったな〜。ここに戻って来れたら、土産として皆に上げたいな。
今日は、船で寝ることにした。何度か船の上で寝たけど、方向が変わってないか、気になって良く眠れなかったけど、今日は、島にある棒に括り付けてあるので、安心しんして眠った。
次の朝も良いお天気だった。そう言えば、雨に遭わなかったな。
向こうの山が近くなって来た。岸の様な所に出た。船を停めて、少し陸に押して入れておいた。
目の前に森がある。 恐る恐る入って行った。
少し開けた所に出たら、突然、大きな体で、色の黒い人に出合った。何かを言っているが分からない。
身振り手振りで、話してみたら、ニッコリして、付いて来るように手招きした。
着いて行くと、屋根が藁のような家が合った。
そこに、白いひげを生やした老人が居て、何やら話しているけど、全く分からない。
困っていると、何故か馬小屋に連れて行かれた。
ここで、寝なさいって事かな〜
食べた事もない様な、おかずが出て来て、皆、手で取って食べている。
分からないので、同じ様にした。 う〜ん面白い味だけど、美味しいな。 沢山食べる様に、身振り手振りで、言って来るので、沢山食べた。
次の日、朝から、馬を連れて、草原に行った。
1頭だけでなく、他の家の馬も連れて行く様だ。
どうも仕事を教えてくれているようだ。
少し日が落ちる頃、馬を1軒、1軒、馬小屋に入れて行く。
大変な仕事だった。 颯太は、馬が大好きなので、どの馬も懐いてくれた。
それから、段々、皆が話していることが分かって来た。
子供達に、字も教えてもらった。颯太の名前も皆に覚えて貰った。
白いひげの老人は、村長さんだった。
村長さんは、颯太に、何処から来たのかと聞いてきたので、今まで合った事を全部話した。
(向こうの山に行く事が出来るのか?今まで誰も行けなかったんだよ)
颯太は、(来る事は出来たけど、帰れるか分からないんです。暫く、ここで働かせて貰えませんか?)
(もう、十分働いて貰っているよ。皆、颯太が馬の世話をしてくれる様になってから、馬が元気になったと喜んでいるよ)
(僕は、向こうの山で馬と一緒にねていたので、馬には詳しいんですよね。ここの馬は、何をしているんですか?) (草原の草を食べてもらう事で、草の増殖を防いでいるんだよ。それと、馬糞は畑の肥料になるからね。後は、荷物運びだな)
(馬を、馬小屋に入れ終わったら、夜釣りに行こう)
仕事が終わって村長さんと、村の人と一緒に船に乗った。船の回りに灯が付いていた。
竿に針が6本付いていて、針に、えびやカニを付けて、海に投げ込む。
颯太も、竿を渡されて、おじさん達の教えてもらったようにやってみた。
ウキが付いていてそれが沈んだら引きどころらしい。
えいや〜と引き上げたら、魚が、6尾釣れていた。
魚の色が鮮やかで、見たことも無い魚ばっかりだった。
釣れた魚は、1つの生簀に入れた。
颯太は、選別しないんだな〜と不思議に思った。
陸に戻ったら、板の上で、魚をさばく。
頭、骨、内臓を桶に入れる。さばいた魚は、塩を振って台に、魚を置いていく。網を被せて終わりみたいだ。
おじさんに聞いた、(この魚はどうするの?)
(干して、保存食にするんだよ) (売りに行ったりしないの?) (売る?ここにある物は、村のみんなで分けるんだよ)
ここには、市場とか、工場とか無かった。
30人が暮らす村だった。
魚の骨、頭、内臓は乾燥させて、すりつぶして、畑の肥料にするらしい。
服とかは、女の人が、編み棒で編むそうだ。
山は大きいけど、人は少ないんだな。
夜釣りは、毎日行くわけでは無かった。
颯太は、毎日朝から馬の面倒をみているので、知らなかったけど、並べた魚を、裏返す作業があるらしい。
良い頃合いになったら、袋に1尾づつ入れて納屋に置いておくらしい。
大きい納屋が何箇所かある。そこに、野菜やら何やら分けて入れて置くみたいだ。
少しずつ村の事が分かって来た。
ある日、カニとえびを取りに行くから、馬は置いておいて良いので、一緒に行こうと言われた。
行ってるみると、何と、ここに来る前に寄った所だった。
砂浜に入って暫くしたら、海水が入って来た。
おじさん達は、颯太に網を渡して、(網を海水の底の方に付けて置けば、海水が引いた時に、カニ、えびが入ってるんだ) と教えてくれた。
海水は入ったり、引いたりする速さが割と速いので、取っては、船にある桶に入れて行く。
これは楽しい。
ある程度取ったら、船に戻って、山に戻った。
颯太はおじさんに、(このえびとカニは、漁の時に使うの?) と聞いた。(そうだな、全部使えない時は、乾燥させて肥料にするよ)
颯太は、(えっ!お鍋の出汁に出来るのにもったいないな〜) おじさんが、(お鍋とは何だ?)
そうか〜、おわんとかお鍋とかも無かったんだった。
颯太は、自分が居た村での事を話した。
おじさんは、(それはやってみたいな〜。鍋は鉄で作るだよな。おわんは木でも良いのか。)
おじさんは、他の人達と話しをして、作ってみることにしたみたいだ。
颯太は、馬を、草原に置いたら直ぐに皆の所に行って、鍋の形とかおわんの形を伝えに行った。
取り敢えず、鍋1つと、おわん5個が出来上がった。
颯太は、火の準備とお鍋に水とえび、カニをいれた。 良い匂いがしてきたので、野菜と魚と鶏肉を入れて、ぐつぐつ煮て、野菜が柔らかくなったので、おわんによそった。
先ずは、村長から食べた。
村長は、びっくりした顔で、(こんなに美味しいなんてな)と言った。
全員の分は無いから、また明日から、鍋、おわん作りである。
颯太は村長に、(今回は、魚やお肉が入って居ますが、無くても、えび、カニのだしだけで野菜を煮ても美味しいですよ) (ありがとうな。違うやり方を教えてくれて、また、颯太の村の事を教えてくれないかな) (僕も、まだまだ、知らない事ばかりです。気になった事は誰かに聞いて、ここまで来ました)
(そうか、我々も、気になる事をそのままにしない事だな。颯太の考え方に教えられたよ)
颯太は、自分の山に帰る事にしたので、村長に挨拶に行った。
(自分の山に帰れるか分からないけど、帰ります) 村長は、(帰れたら、また来いよ。気を付けてな。)と、沢山のお土産をくれた。
山の皆にお別れを言って、颯太の船に、荷物を運んで、出港しようとしたら、皆が、港まで来てくれて、手を振ってくれた。
颯太は思った、良い人達だったな、また来たいな。
船は、カニ、えびが捕れる島を通り過ぎて、何泊か船でして、木が沢山生えてる島に来た。
確かここから、自分の山まで近かった様な気がするな。
この島で、1泊したら、懐かしい小さい山が見えて来た。 やっぱり、沢山の船が並んでいる。
そして、漁師のおじさんの港に着いた。
帰って来れたんだな〜。
早速、おじさんの家に、でも誰も居なかった。
漁に出てるんだな。
隣のおばあちゃんの家にも、誰も居なかった。
仕方が無いので、工場長に会いに行った。
(おー颯太か。向こうの山には行けたのか?)
(はい、何とか行けました。お土産を持ってきたので、皆さんで分けてください)
(そうか~、颯太は凄いな、夢が叶ったんだな。船はどうした?) (漁師のおじさんのの港に停めています。向こうの山では、ここには無い野菜とか、漁が有ります、また行って、こっちの野菜や魚と交換して貰おうと思っています。
ただ何日もかかるので、橋がかけれたらな〜と思っています)
(颯太、また厄介な事考え出したな。向こうの山まで、何日もかかるのに、橋を渡すのにどれぐらいかかると思うんだ) (そうですね。何回か行ってみて、どうやって橋を渡せるか考えます。考えたら、工場長、橋作ってくれますか?)
(物によるな。ちゃんとした図面を書いてくれれば作るよ)
(図面を書くにはどうすれば良いですか?)
(自分で書くなら、学校に行くしか無いな)
(学校は何処に有りますか?) (役所に行って聞いてくれよ。俺も、そこ迄は知らないな)
役所に行って聞いてみた。学校は漁師の家から近かった。
仕事しながら、学校に行けそうだったので、手続きして来た。
それから、実家に帰った。
お母さんに、お土産渡して、向こうの山に行って来た話をした。
お母さんは、嬉しそうに、(行けたんだね。良かったね。良い経験したね。これから、どうするの?)
と聞いてきたから、工場長に話した事を言った。
お母さんは、(また、学校に行くのかい、何処から通うんだ?) (漁が終わってから、学校に行くよ)
(仕事しながら、学校に行くのか、大丈夫なのか?)
(学校が近いから大丈夫だよ。お父さんは?) (今日は、市場の日だからね、帰って来るの遅くなるよ、今日はここで寝るんでしょ?) (そっかーだから、漁師のおじさん居なかったんだな。まだ漁師のおじさんに会ってないから、今日は帰るね。皆によろしくね)
颯太は、村長にも挨拶に行った。
(おー颯太、向こうの山には行けたのか?) (はい、行けました) 颯太は、村長にも、工場長に言った事を言った。
(また、凄いことを考えたな。それが実現すると、大変な事になるな) (大変な事?) (人の行き来が盛んになると、町が潤うんだよ)
どんな風に潤うんだろうか、気にはなったけど、聞かなかった。先の事は分からないもんな〜
颯太は、仕事して、学校に通ってと大忙しである。設計の勉強は難しいけど面白い。
颯太のわくわくが止まらない。
そして遂に、設計図が完成した。
工場長、役場の人、橋に関わってくれる有志を集った。
設計図を元に、皆が集まって、話し合いである。
何日か話し合って、橋を作る事になった。
何故だか橋に携わってくれる人が生き生きしてる。これからが大変なのにな〜。
そして、向こうの山の村長にも話をして、手伝ってくれる人を、何人かお願いした。
途中にある変な木が沢山はえてる島で
、燃えない木が見つかったのでそれを使う事になった。ここの木は、不思議で切っても切っても直ぐに生えて来て無くなる事が無い、不思議な島だった。
こうして、2年の月日が経ち橋は完成した。
馬車2台が横並びで走れるぐらいの幅がある。
途中休憩出来る場所もある。
とっても立派な橋が出来上がったのである。
向こうの山の人とこちらの山の人と話し合った結果、山に名前を付けようと言う事になった。
こちらの山、颯太が住んでる山の名前が、双山[そうざん]
向こうの山の名前が、湖山[こやま]
2つ合わせるとふたご山になる。
こうして、2つの山、ふたご山は交流を深めて、仲良くなりました。
颯太の、気になった事が、2つの山をむすんだのです。
しかし、颯太はまだ虹の向こう側が気になります。
さてさて、どうなりますやら。
おわり




