表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

一話「3人組の日常」♯3

夕暮れ、軽音部の音楽室。

アンプの電源を落とし、ギターケースを背負う有祐。

汗をぬぐいながら出口へ向かうと、廊下の先に誰かの姿があった。

有介「・・・・あれ?」

多野「・」

偶然通りかかったのか、多野が窓の外を眺めて立ち止まっていた。

ふだんは大人しくて控えめな彼女が、ほんの少し緊張した顔で振り向く。

有介「おお、多野!今帰り?」

多野「うん…...。ちょっとだけ、ここを通っただけ」

有介「へえ?まさか俺の演奏、聞いちゃった?」

多野「.....少しだけ」

その言葉に、有介はにやりと笑った。


並んで靴箱へ向かう。

廊下にはもう人気がなく、夕日が赤く差し込んでいた。

有介「どうだった?ギター」。

多野「......」

一瞬迷ってから、小さな声で答える。

多野「真剣な顔、してた。......いつもと違って、かっこよかった」

その言葉に、有祐がわざと大げさに胸を張る。

有介「おおっ、キタ!人生で初めての”かっこいい”いただきました〜!」

多野「ふふ…・・・・・大げさ」

口では呆れながらも、笑みをこぼしてしまう。

彼のいつもの冗談っぽさと、さっき見た真剣な横顔のギャッ

プ。

そのせいで、胸の奥が少しざわついていた。


靴を履き替えながら、まだ会話は続いていた。

有介「俺、普段はアホだし忘れ物もするけどさ。音楽だけは本気なんだ・・・」

多野「・・・知ってる」

有介「え?今なんて?」

多野「今日、見て思ったの。・・・・・・真面目で、いいなって」

思わず口にした瞬間、多野は顔を赤くして視線を逸らす。

有介は一瞬きょとんとして、それから耳まで赤くしながら笑った。

有介「おいおい、そんなこと言われたら、ニヤけ止まらんだろ・・・・・」

多野「・・・・もう、知らない」

二人が並んで歩いていると、遠くから声が飛んできた。

芳賀「おーい、有介一!そろそろ集合時間だぞー!」

一葉「おー!さっさと来いバカ丸尾!」

校門前で手を振る二人。

どうやら、すでに待っていたらしい。

有介「おっと、いけね!遊ぶ約束してたんだった」

多野「.....そうなんだ」

有介「うん。また明日な!」

有介は軽く手を振って、仲間の元へ駆け出していく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ