第1話「三人組の日常」
化学科工業高校生のドキドキ青春学園コメディです。
甘酸っぱい禁断の青春を皆様へ
朝の教室。
窓際の席にカバンを置くと、丸尾有は机をバンバン叩きながら大声を出した。
有介「なぁ、一葉!シャーペン貸して!」一葉「.......お前、また?」
既に席に着いていた藤井一葉が呆れ顔でケースをゴソゴソ。
有介「おはよー哲也!」
前の方から振り返った芳賀哲也が苦笑する。
哲也「“おはよー”じゃねぇよ。昨日も借りてた
だろ」
有祐は得意げに胸を張った。
有介「今日も忘れました!(ドヤッ)」一葉「胸張ることじゃねぇ」
芳賀「二年の工業高校生が“筆記具”忘れるなよ」
有祐「でも弁当はある!」
芳賀「生きる準備は万端かよ」
一葉「授業は生き残りサバイバルじゃないっての」
周りの席から笑い声が上がった。
有介「なあ、放課後どうする?軽音の後、ゲーセンかカラオケ行かない♪?」
一葉「台本の直しあるけど、一時間ならいける」一葉が演劇の台本を開きながら答える。
芳賀「俺は陸上終わったら合流するわ。......・で、有は金持ってんのか?」
有介「今日は財布ある!......はず」
芳賀「“はず”で生きるなよ」
有介「とりあえず、校門前18時集合な、遅れたら缶コーヒー奢りな」
約束が決まると、有介はホームルームまでの僅かな間、ギタ一の練習を始めた。
コトンーー前の席の多野が、落ちたギターピックを拾って振り向く。
多野「.....落としたよ」
有祐「あ、ありがと。俺の、です」
一葉「ピック落とすほど練習してないけどな」
祐「うるせぇ、これからだ!」一何も変わらないはずの放課後。
小いさなピック一枚分だけ、世界が転がった。
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