表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

DVな男


お絵描き、折り紙、お風呂にお外で遊ぶのも全部お父さんがいいの。お母さんと手を繋ぐのはダメ!私の特権なんだから。目がぱっちりでかっこいい私のお父さん。大きくなったら結婚するんだよ?約束だよ?


そんなお父さんとお母さんと私はいつも一緒に寝るの。いつも1番に私が起きるのに、今日はお母さんとお父さんが何か言い合ってるなぁって思いながら起きたの。


多分だけど、そんな気持ちで起きたと思うの。でも、次の瞬間には壁の隅に背中をグッと近づけて、視界が歪んでて、頭もぐわんぐわんしながらただただやめてって小さな声で何度も口ずさんでた。


お父さんがお母さんの上に馬乗りになって、グーにしたり、ぱーにしたりして、腕を振り回してるの。お母さんの目がぶどうみたいな色になっていくのをただ見てることしか出来なくて。

じっと見てたら「男を怒らすとなぁ、こういう目にあうんだよ!!」って聞いたことないぐらい低い声で、でも、ビクって体が固まるぐらい大きな声でお目がぱっちりでとても怖い人が私に向かって叫ぶの。



不思議だよねぇ。それでもあの人は私の大好きな人で、大切な人だったの。

1年後両親は離婚したけど、それでもあと何回寝たらお父さんに会えるの?って何回も聞いて、毎月1泊2日のお泊まりを楽しみにしてた。


お母さんはあれから別人のようになって、気づけば「あなたなんて産むつもりはなかったの。あの人が産みたいって言うから仕方なく。あなたなんて産まなきゃよかった」って毎日言われ続けた。高校生になるまでそれがおかしい事だなんて全く気づかなかったんだけど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ