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幻想探偵 ルイマーレ  作者: あねものまなぶ
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檻山に浮かぶ赤い宝石

正直、ここは読み飛ばしてもいいかもです。

話が進まないし、会話文も少ないので読みずらいと思いますよ~

殺風景で薄暗い部屋。

その片隅に積まれている、大小さまざまなサイズの鉄檻の山。

太陽の日が差し込まない此処は、檻という存在の無機質な雰囲気も合わさり非常に冷たい空気が流れている。


不気味な雰囲気を助長するかのように、部屋に充満する嫌悪感を感じさせる鉄の臭いと呻き声。

そんな部屋に近づいてくるコツコツと響く二人分の足音。


古びたドア特有の金属同士が擦れ合う不快な音と共に、下品な笑い声が部屋の空虚を埋める。

現れたのは、口の周囲に髭を蓄えた恰幅の良い中年男性。


大きな体躯に合わせるようにあつらえられたスーツは皺ひとつない上質な照りを放つが、はち切れんばかりの腹と、それを何とか留めているジャケットのボタンが彼のダラしなさを感じさせる。

でっぷりと膨らんだ腹の脂肪が汗として浮き出したのかと思う程のテッカテカの顔。


それは豚串から滴り落ちる油のようで、世間からは嫌悪の対象として受け取られてしまうだろう不潔感も醸し出していた。


そんな彼の後ろから現れたのは、身綺麗な漆黒のビジネススーツを纏う金髪の若い女性。

キッチリと皺なく着こなしたジャケットの上からでもはっきりと分かるほどの盛り上がりを見せる胸は、隣にいる男の様に男性の熱を持った視線を集めることだろう。


更に、彼女の膝上程の短さのスカートから僅かに覗く白い肌が熱を助長させる。

だが本人は、男性の熱のこもった視線など意に返すことなくただ当たり前のように受け入れている。

端正な顔には感情が宿っておらず、無機質な人形のようにも見える。


そんな彼女は懐から白いハンカチを取り出すと、

「隼人様。失礼します」

隼人と呼ばれた隣に居た男性の滴り落ちそうな油汗をハンカチで拭う。

それだけでなく、顔全体の汗をぬぐいスーツの皺を治していく。

その間も隼人の視線は彼女の胸に向かっていた。


「ご苦労」

汗が拭われたのを確認すると目の前に広がる部屋の中へ隼人と女性は消えて行く。

この部屋自体、そこまで広くない様で廊下からの光で部屋内を視認できる位には照らされている。


彼がは部屋の一角、檻の山を覗き込む。

次々と、中を覗き込み、黒光する革靴で足元に転がっている檻を二三回小突く。


「きゃっ!」

すると、檻の中から女性の悲鳴と共に檻自体が僅かに揺れる。

それは、中にいる何かが衝撃に驚き動いた為ことを現す。

「ふむ...取り敢えずは生きていると。なら問題ないか」

その反応は想定通りの物らしく、隼人は特段何の反応を見せない。


だが、後ろに控える女性が鈴木隼人に何かを話しかける。

「隼人様。こちらと適合する素体の回収が完了致しました」

「ほぉ。数カ月で漸く四体目か。では施設に運び出せ。その際は全ての事項に対して万全を」

「はい」

その後も、部屋の中に乱雑に置かれた檻を見て回る。


「そう言えば、お前が居たなぁ。カーバンクルよ」

とある檻の中にいる猫に触ろうと手を伸ばす隼人。

だが、耳障りな甲高い声に制され、太い手は空中に留まる。


檻内の猫は全身の毛を逆立て牙を剥き出しにした威嚇を行っている。

それは外敵に対してのみ行う攻撃的な行為。

しかし、威嚇されることに顔を潜めるどころか、口角を限界まで上げた心底面白おかしいような表情を浮かべる隼人。


「コイツと相性がいい素体は見つかったか?」

「申し訳ございません。只今、都内を捜索しておりますので、少々お待ちください」

「絶対数が少ないから仕方ないと言えばそうだが、プライオリティはコイツの方が高い。その点を全員に共有していけ」

そんな会話をしながら部屋を後にしていく二人。


静かに閉っていく扉。

暗闇が満たすこの空間の中には、僅かながらも物音がしていた。

それは、人の会話で容易に掻き消えてしまうような小さな音。

羽音であったり、呼吸音であったり、はたまた、呻き声であったりと様々な種類の音があちこちの檻の中から聞こえた。


その中の一角、カーバンクルと呼ばれた猫のような外見の生き物の額に浮かぶ赤い宝石の輝きがふわりと消えようとしていた。

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