”仮面”
いつからだろう
ワタシが、それに気が付いたのは
“すごいね”
“さすがだね”
まわりのヒトたちの“期待”に気が付いたのは
その瞳には、“ワタシ“はどのように見えているのだろう
アナタたちにとって、“ワタシ“は、なに?
だから、ワタシは、“仮面”を被った
たとえそれが、息苦しくても
たとえそれが、ワタシの顔を無理やり変えようとしても
それがある限り、ワタシは見捨てられない
そう、思っていた
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“すごいね”
“さすがだね”
まわりの“期待”は変わらなかった
うれしかった
その瞳に映るのは、“ワタシ”は醜くない
アナタたちにとって、“ワタシ”は必要とされている
そして、思った
ワタシの中身を知られたくない
どうか、そのまま、ワタシの中身に気が付かないで
アナタたちに瞳に映る“ソレ”こそが、ワタシのすべてだった
そして、いつしか、ワタシは“仮面”を外さなくなった
たとえ、それが、息苦しくても
たとえ、それが、ワタシの顔を無理やり変えようとしても
それがある限り、ワタシは見捨てられない
そう、信じていた
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“・・・”
“・・・・・・”
いつから、こうなったんだろう
まわりの“期待”が、別物に変わったのは
ワタシの“仮面”を、“当たり前”だと、思われ始めたのは
気付いたら、“仮面“は外れなくなっていた
いや、ちがう
“仮面”こそ、ワタシだった
――――――――――――――――――――――――――――――――――
“・・・”
“・・・・・・”
乗っ取られる気がした
まわりの“期待”に自分が
本当のワタシは、“仮面”の下で泣いている方なのに
ワタシは、“仮面”を外した
どんなに、痛くても、苦しくても
それでも、外さないといけない
そう思った
本当の“ワタシ”を失うと思ったから
血だらけになりながら、“仮面”をはずして
そして、鏡を見た
それは、本当の“ワタシ”?
・あとがき・
短かったですが、読んでいただきありがとうございました。
すこしでも、皆様の心に届くものをかけるようにかんばっていきます。