違う友達。
よろしくお願いいたします。
今日は違う友達と会う約束をしている。
その友達は読者モデルをしていて今までの俺たちの話には縁もゆかりも無い様な印象を持っている
「久しぶり」
と友人。
「久しぶり、元気にしてた?」
「最近は忙しくて、疲れてるよ」
「悪いね、忙しい時に」
「いいよ、てか誘ったの俺だろ?」
「そうだけどさ」
「相変わらずだね、それはそうと、俺読者モデルやめようと思うんだよね」
「なんで?」
せっかく手に入れたモデルという立ち位置を捨てる、俺からしたら理解が出来なかった。
「だってさ、楽しくないんだもん」
「楽しいか楽しくないかの問題なの?」
「そう、やってて楽しくないからやりがいがない」
「ちょっとさ、話聞いてくれる?」
「いいけど」
「俺たちは今、生きてる実感がしないんだ。」
「唐突だなー」
「いや、ほんとに。好きなことをしていてもご飯を食べていても、それがなんだって思う。価値のない自分が価値のないことをし、価値のない就寝をする。どうだ」
「どうだと言われても、それが普通なんじゃないの?」
「普通、普通か。」
この時俺は、こいつが読者モデルだからこいつの就寝を価値のあるものだと言うことは出来なかった、正直自分でもよく分からなかった。
「普通なんだよ、いたって。でも注目されてる人だったら、有名人だったら、気持ちよく眠れるはずなんだ」
「不眠なの?」
「ああ」
「それが理由ではないとは思うけどね、とにかく、読者モデルの君だったら何か違うんじゃないのか?」
「いいや、至って同じだ。よく寝れはするけど」
「やっぱり寝れるんじゃないか」
「それとこれとはまた別の話だよ」
いつの間にかコップの中のコーヒーは空っぽになっていて
外はもう暗く、肌寒かった。
「今日の話は覚えておくよ」
「俺も、少し考えておくよ」
と言って、2人は別れた。
お疲れ様でした。