清水寺にて。
よろしくお願いいたします。
「俺思ったんだけど、あ、この前の話の続き、みんなさ、したいことをした結果がそうならせたんだと思ったんだよ」
「お、話が進んだ。確かに、有名になりたくてそれを始めた人は少数だろうね、才能の有無もあるだろうし、なにせ有名になりたい人がいたとして何をするのが1番有名になれるなはわかんないだろうし。」
「だよね、よかった」
「俺最初思ったんだよ、そんな残酷な話ないって、なにか功績を残してないと自分を保っちゃいけないのかって」
「まあ、保てなくなりそうなのが俺ですけどね」
「それはなっちゃった物はしょうがないし、思い出したんだけど、名前は思い出せないけどある人が言ったんだ、できるか出来ないかは、不安と恍惚の繰り返しだって、不安な時もあれば、無駄な自信ができる時もある」
「なるほど、確かに、それを聞くと有名なアーティストも俺たちとおなじ人間な感じする」
「みんな不安で、恍惚する時もあると」
「なんか安心したわ」
「よかった」
「結局、今があれば生きていける」
「暇で暇で仕方ない時はもうどうしようもない感じするけどな」
「それはまあなにかするしかないよ」
「だな」
友人がしてる時計が照明に反射し、嫌に明るく見えた。
今日は晴れていて、気持ちがいい天気だ。
「今日はちょっと遠出して、建物でも見に行かないか?」
「建物って、なんだよ」
「清水寺だよ」
「清水寺?まあいいけど」
「じゃ、行くぞ 」
喫茶店を出て、駅に向かい切符を買った。
電車に揺られ目的地についた。
「やっと着いた」
「んで何で清水寺なんだよ」と
「気分が晴れるかなって、でかい建物見ると、自分が何者かとかそういう」
「なんなら人混みに紛れて、もっと自分が何者かがわからなくなってるよ、有象無象だってね」
「みんなそうだよ」
「でもここで有名人だと、人の目を集めて、サインなんかを求められる」
「つまり、わかった。自己顕示欲をどう満たすかって話だ。」
「そう、それかもしれない」
ここまで来てやっと解決策というか、何が問題だったのかがわかった。
歌詞が書けないのがそんなに問題か、ルックスが良くなければならないのか、絵が書けて、人の目を集めることがそんなに重要か。
そう思っていた。
だが、なにか足りない、心に穴が空いたように。
ゲームをしても、絵を書いても、
結局これが何の役にたつのだろうと、どれだけゲームをやったって、プロになれる程はやらないし、絵を書いても、売れるほどは上手くは書かないだろう。
そこになんの意味もない、と。
「お前の気持ちがわかった気がする」
「お前もか、、、。」
きっと幼い頃に比べると、ゲームへの関心が薄くなってるのと、幼い頃に比べると、絵への創作意欲が薄れてるのが原因としてあると思う。
清水寺にある椅子でそんな話をしていると、少し場違いな気がしてきて、なんだか視線を感じるから建物を拝見して、空気を楽しんだら、もう帰ることにした。
駅に向かい切符を買って電車乗ったら、いつもの喫茶店だ。
「ブレンドコーヒーを1つ」
「俺もで」
「でも、歌が売れたからって、顔が知れたからって、どうということは無い気がする。夏休み、喫茶店にて友人とコーヒーを嗜む、どうだ?」
「悪くは無い、というか良い。だけどな、それとこれとは違うんだよ俺にとって」
「今となっちゃ俺にも当てはまる」
「最近何してる?」
「ゲームとか、課題とか」
「ちょっとまって、ちょっと前までの俺の状況を説明すると、今俺が何者か、とかじゃなくて、いつかならなくちゃいけないという責任を負いながらね」
「うん」
「いつかなにか自分が納得行くものになってる"だろう"っていう期待で生きてた訳」
「俺のゲームと課題どこいった」
「それはごめん、それについてどう?」
「すごい納得いった、でも結局問題の先延ばしにしかなってないような気がするんだよね」
「何者かになる確証はないしね」
「そうそう」
日が暮れてゆき、地面は夕焼けのオレンジと、コンクリートの黒が混ざりあった色に変わっていった。
帰った日の夜、俺は兄に同じ問いをしてみた。
すると
「俺は今、ジュースを持って自室に行き、テレビを見る。それだけで何者かなんだよ」
と言っていた
「羨ましいな、それは」
と答えその夜を終えた。
お疲れ様でした。




