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何者か。  作者: 彼女
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ある喫茶店で。

少しでもどこかに響いたら幸いです。

「俺最近、考えてることがあって、俺ってなんなんだろうって、

例えば、検索して名前が出てくる人気のアーティストとかいるじゃん?その人たちは自分が何者かってのはわかると思うんだよ。」

「うん」


「なんならYouTubeに出てくる動画を投稿してる人達でもいい。」

「うん」


「あでも」

と。

「再生回数が少ない人達はどうなるんだろう、再生回数が多ければいいのかな」

ここまで聞いて俺はなんて返すかを迷っていた。

「有名になればいいのかな?」「いや、有名かは関係ないんじゃない?」

「そうかな」

「だって有名じゃないと意味が無いみたいに聞こえるし」

「まあそれもそうか、んでね、1回試しに、何者かになろうと思って作曲してみたわけなんだけど」

「へーすごいじゃん」

「でもめちゃくちゃ難しくて、途中でもう無理だと思ったんだ、こんな難しいことをこなしながら、歌詞も書いて歌も歌って、技術があって能力も高ければ、なにか自分が何者かってのが生まれるのかな」「何が言いたいかって言うと、何者かになって評価されないと、辛いんだ、無価値な人間なんだって」

「それは分かんないなー、俺は今の自分に満足してるし、いや満足はしてないけど、俺は俺なんだなーって」

「でもそこから離れて俺みたいな状態になると、辛いんだ」

「そっか」


喫茶店の中で2人、コーヒーを啜っていた。

店内は明るくて、外では雨が降っている。

「俺の親、社長なんだけど、なんか違うんだよな。世間的な知名度がないというか」

「もうこの際有名になったから何者だとかじゃなくて、自分が納得いってるかいってないかじゃない?それで成し遂げたのがお前の言うアーティストで、やってないのがお前」

「じゃあなにか凄いことをして知名度が上がらないとダメなのかな」

「ダメって訳じゃないど、満足はしないんじゃないかな」


ここまで話して、なんだか自分も何者かにならなくてはという気持ちが湧き出していた。


「あー俺も異世界とか言って能力貰えりゃどうにかなるかなー」

「異世界いったところでお前は何者なんだよ」

「まあ、確かにそう言われると虚無感が残るな」


「だよな、結局なんだったんだろうな」

「なんだったんだろうな」

と2人で笑いあった。

コーヒーも無くなっていた。

「最後に、俺がアインシュタインだったら?」

「凄いことをしたんだなとは思うし、それを尊敬する気持ちはあるけど、ただそれだけだね」

「じゃあダメだ、俺別に尊敬されたいわけでもチヤホヤされたい分けてなもないから」

「お金は?」

「別に、ちょっと多めにあればいいくらい」

「だよな」

雨が少し弱くなったところで俺たちは帰ることにした。

家が近いので途中まで一緒に帰った。

「じゃあまたあの喫茶店で」

「はい、じゃあまた」


お疲れ様でした。

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