表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
使用人の冒険譚《ララバイ》  作者: かぼす
第一章:Prelude
4/38

皆様...ちょっとよろしいでしょうか

 おはようございますぅ、いや……ウソですログアウトしたけどまだ寝てますよ~~、すやぁ……。


 あんまりいい寝覚めではなかった、二度寝は正義だ。


◆ サクヤ&ツカサさん突撃(佐久夜(さくや)視点)


早乙女(さおとめ)!!お父様を捕まえて!」


 お父様が私の初めてのお友達にイタズラしたのは間違いない。


|お父様……つまりゲームマスターでもやっていいことと悪いことがあります。


ぷっつんいたしました、家のメイド長である早乙女(さおとめ)は、私の命であれば、お父様にも怯まず特攻してくれるのだ。


 すぐに被疑者を捕獲し、お仕置きを執行した。


 数分後、ボロボロになった(私の爪で)お父様が苦しい言い訳をすることになった。


「お父様、どういうことなのか説明してください」


錦財閥という日本最大財閥の党首も、愛娘が相手では分が悪いのかしぶしぶ話し始める。


冒険譚(ララバイ)のメインストーリー、つまりエピックのラスボスは『刹那』――つまりセツナにする予定だ」


佐久夜(サクヤ)は青筋を立てている、口元も笑っているようで笑っていない。


「はぁ?御冗談はお顔だけでよろしいのですが?」


「いや……プレイヤーの行動によって物語の方向性を変えるのは、事前に決定されていたのだが。条件を満たしたのがまさか……あのゲームをゲームと思ってないような行動をし続けていたプレイヤーがおもしろくなり、ステータス上限解禁を手助けまではしたのだが……まさかお前の友達だったとは気が付いたら『魔王の資格」を満たしてしまっておったのだ』


十文字(じゅうもんじ)が家まで連れて来たと聞いた時には驚いたぞ、準備が整うまでは『刹那』の告知は待つつもりじゃったんじゃが……想像をはるかに超えるペースでいろんなフラグをクリアしていってしまったのじゃもん」


 いや……じゃもん、とか言っても全く可愛くないのだけれど、悩む……刹那(お友達)が迷惑を被るのはいやなのだが……一緒に困難を乗り越えていくことで仲良くなれる(一緒に遊ぶことができる)チャンスなのも捨てがたい――。


「むぐぐぅ……」


「わかったわ、今回は仕方がないけれど、今後私のお友達に負担をかけるようなことは絶対にやめてよね」


 ……と盛大なフラグをおっ立てるが――これは遠い未来(来年)のフラグなのであったということは、当然だれも知る由もないことだったのです


 …… 学校にて


刹那(せつな)さん、おはようございます」


 寝ぼけてなんとか返事をする、目の前には金髪の美少女がいるのだ、きっとまだ夢の中なのだろう。


「おあようさくやぁ」


「一晩で砕けすぎです、刹那(せつな)、目を覚ましてください……いまは現実ですよ?」


「あ~ごめんごめん、友達だと思ったら気が抜けちゃってさぁ――って朝ぁ?!?!」


 私の叫びによって、とても使用人を召し抱えているような家とは思えないような騒がしい朝を迎えた……。


なんだなんだ?っと他の使用人の人たちも集まって来たが、にしきさんのフォローによって無理やり何事もなかったかのように治められた。


「刹那はお友達だからこれでいいのです!」

「「「「――はい、かしこまりました」」」」


 あ……それで良いんだ?


榊原(さかきばら)さん、オムライスをお願いします」


 ――あぁ、それを食べたいからフォローしたのか。


最速でオムライスを作った。


そして気になることを質問することにする。


「ところで……そこのボロボロのおじさんはどちら様ですか?」


「ワシは、冒険譚(ララバイ)のゲームマスター兼運営責任者兼開発責任者兼、開発会社会長の(にしき)弦十郎(げんじゅうろう)じゃ」


「はた迷惑な老害(おっさん)では?」


 辛辣な言葉を佐久夜(さくや)に投げかけられる。


……て、へぁ!?


(にしき)財閥の一番偉い人?


……佐久夜さくやのお父さん!?


「え……っとぉ?佐久夜(さくや)のお父様ですよね、新しく使用人になりました、榊原(さかきばら)刹那せつなです」


「む……娘のためによろしく頼む……」


 それだけ言って涙目で去って(逃げて)いったおじさん……それでいいのか。


「あの方は(にしき)財閥の党首ですが、佐久夜(さくや)様には頭が上がりません、なのでなんら問題はございません」


 うん――娘って強いね!


 娘に嫌われたらこの世の終わりっていう感じのラノベもよくあるもんね、佐久夜(さくや)ちゃんはとんでもなく可愛いからわかるよ?オジサン!


 ……


刹那せつな?」


 お……!呼び捨てになった、お友達モードといった感じになって来たね。


「クランを作りましょうか」


 クラン=魔王軍を作りましょうって脳内変換されるんだけどそんなに間違ってないよね?


「残りのクランメンバーには目星をつけてあります、学校に行ったら勧誘しましょう」


 ほうほう、どれどれ?メンバーの名前を聞いていく、全員クラスメイトじゃないですか、ふむふむ……。


 そのメンバーとは。


多和田(たわだ)真知子(まちこ)

足立(あだち)瑛太(えいた)

瀬戸(せと)達也(たつや)


 の3人だ、そのうちの瀬戸(せと)君については、見た瞬間に何で選んだのか納得した。


 瀬戸(せと)君は佐久夜(さくや)と同じ日に同じ病院で生まれた、超腐れ縁君じゃないですか!


クラスで噂になってますよ?これはゴシップを期待しちゃいますよ?


後の二名はと言うと。


 多和田(たわだ)さんはオカルト研究会、足立(あだち)君は……貧乏仲間でお隣さんで、昔からよく遊んだ仲である――唯の幼馴染だよ?


 ……


 ――そして昼休み


 佐久夜(さくや)に集められた新メンバー候補は、説明を聞き、いろいろな反応をしていた。


 多和田(たわだ)真知子(マチコ)は元からオタ臭がしていた子なので簡単に買収完了、瀬戸(せと)達也(たつや)は幼馴染属性で気になっていたので、佐久夜(さくや)からの誘いを断れるはずもなくあっけなく撃沈。


 足立(あだち)瑛太(えいた)は……ゲームを買うお金がないという理由から難色を示していた。


 佐久夜(さくや)が使用人のアルバイトを提案していたが、それでも頭を縦に振らない――だけどなぜか、刹那せつなもウチで使用人をしているよ?っと佐久夜(さくや)が言った途端に簡単に落ちた、どういうことだ?え?鈍い?いやいやさすがにそんなことは?


 え?なんで早乙女(つかさ)さん哀れんだ目で私を見ているんですか?というかなんで学校にいるんですか?本当にどういうことかわからない。


 ……


 今回勧誘候補に挙がらなかったクラスメイトの一人、小清水(こしみず)(すばる)は6人を遠くからただただ眺めているだけであった。


 最も、刹那せつなを気にかけているのは彼だけではないのだが、今は知る由もない……。



メンバーがそろったかと見せかけてそうではないのです

クラスメイトとの冒険譚(ララバイ)内の絡みは次回からです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ