皆様...ちょっとよろしいでしょうか
おはようございますぅ、いや……ウソですログアウトしたけどまだ寝てますよ~~、すやぁ……。
あんまりいい寝覚めではなかった、二度寝は正義だ。
◆ サクヤ&ツカサさん突撃(佐久夜視点)
「早乙女!!お父様を捕まえて!」
お父様が私の初めてのお友達にイタズラしたのは間違いない。
|お父様……つまりゲームマスターでもやっていいことと悪いことがあります。
ぷっつんいたしました、家のメイド長である早乙女は、私の命であれば、お父様にも怯まず特攻してくれるのだ。
すぐに被疑者を捕獲し、お仕置きを執行した。
数分後、ボロボロになった(私の爪で)お父様が苦しい言い訳をすることになった。
「お父様、どういうことなのか説明してください」
錦財閥という日本最大財閥の党首も、愛娘が相手では分が悪いのかしぶしぶ話し始める。
「冒険譚のメインストーリー、つまりエピックのラスボスは『刹那』――つまりセツナにする予定だ」
佐久夜は青筋を立てている、口元も笑っているようで笑っていない。
「はぁ?御冗談はお顔だけでよろしいのですが?」
「いや……プレイヤーの行動によって物語の方向性を変えるのは、事前に決定されていたのだが。条件を満たしたのがまさか……あのゲームをゲームと思ってないような行動をし続けていたプレイヤーがおもしろくなり、ステータス上限解禁を手助けまではしたのだが……まさかお前の友達だったとは気が付いたら『魔王の資格」を満たしてしまっておったのだ』
「十文字が家まで連れて来たと聞いた時には驚いたぞ、準備が整うまでは『刹那』の告知は待つつもりじゃったんじゃが……想像をはるかに超えるペースでいろんなフラグをクリアしていってしまったのじゃもん」
いや……じゃもん、とか言っても全く可愛くないのだけれど、悩む……刹那が迷惑を被るのはいやなのだが……一緒に困難を乗り越えていくことで仲良くなれる(一緒に遊ぶことができる)チャンスなのも捨てがたい――。
「むぐぐぅ……」
「わかったわ、今回は仕方がないけれど、今後私のお友達に負担をかけるようなことは絶対にやめてよね」
……と盛大なフラグをおっ立てるが――これは遠い未来のフラグなのであったということは、当然だれも知る由もないことだったのです
…… 学校にて
「刹那さん、おはようございます」
寝ぼけてなんとか返事をする、目の前には金髪の美少女がいるのだ、きっとまだ夢の中なのだろう。
「おあようさくやぁ」
「一晩で砕けすぎです、刹那、目を覚ましてください……いまは現実ですよ?」
「あ~ごめんごめん、友達だと思ったら気が抜けちゃってさぁ――って朝ぁ?!?!」
私の叫びによって、とても使用人を召し抱えているような家とは思えないような騒がしい朝を迎えた……。
なんだなんだ?っと他の使用人の人たちも集まって来たが、錦さんのフォローによって無理やり何事もなかったかのように治められた。
「刹那はお友達だからこれでいいのです!」
「「「「――はい、かしこまりました」」」」
あ……それで良いんだ?
「榊原さん、オムライスをお願いします」
――あぁ、それを食べたいからフォローしたのか。
最速でオムライスを作った。
そして気になることを質問することにする。
「ところで……そこのボロボロのおじさんはどちら様ですか?」
「ワシは、冒険譚のゲームマスター兼運営責任者兼開発責任者兼、開発会社会長の錦弦十郎じゃ」
「はた迷惑な老害では?」
辛辣な言葉を佐久夜に投げかけられる。
……て、へぁ!?
錦財閥の一番偉い人?
……佐久夜のお父さん!?
「え……っとぉ?佐久夜のお父様ですよね、新しく使用人になりました、榊原刹那です」
「む……娘のためによろしく頼む……」
それだけ言って涙目で去っていったおじさん……それでいいのか。
「あの方は錦財閥の党首ですが、佐久夜様には頭が上がりません、なのでなんら問題はございません」
うん――娘って強いね!
娘に嫌われたらこの世の終わりっていう感じのラノベもよくあるもんね、佐久夜ちゃんはとんでもなく可愛いからわかるよ?オジサン!
……
「刹那?」
お……!呼び捨てになった、お友達モードといった感じになって来たね。
「クランを作りましょうか」
クラン=魔王軍を作りましょうって脳内変換されるんだけどそんなに間違ってないよね?
「残りのクランメンバーには目星をつけてあります、学校に行ったら勧誘しましょう」
ほうほう、どれどれ?メンバーの名前を聞いていく、全員クラスメイトじゃないですか、ふむふむ……。
そのメンバーとは。
多和田真知子
足立瑛太
瀬戸達也
の3人だ、そのうちの瀬戸君については、見た瞬間に何で選んだのか納得した。
瀬戸君は佐久夜と同じ日に同じ病院で生まれた、超腐れ縁君じゃないですか!
クラスで噂になってますよ?これはゴシップを期待しちゃいますよ?
後の二名はと言うと。
多和田さんはオカルト研究会、足立君は……貧乏仲間でお隣さんで、昔からよく遊んだ仲である――唯の幼馴染だよ?
……
――そして昼休み
佐久夜に集められた新メンバー候補は、説明を聞き、いろいろな反応をしていた。
多和田真知子は元からオタ臭がしていた子なので簡単に買収完了、瀬戸達也は幼馴染属性で気になっていたので、佐久夜からの誘いを断れるはずもなくあっけなく撃沈。
足立瑛太は……ゲームを買うお金がないという理由から難色を示していた。
佐久夜が使用人のアルバイトを提案していたが、それでも頭を縦に振らない――だけどなぜか、刹那もウチで使用人をしているよ?っと佐久夜が言った途端に簡単に落ちた、どういうことだ?え?鈍い?いやいやさすがにそんなことは?
え?なんで早乙女さん哀れんだ目で私を見ているんですか?というかなんで学校にいるんですか?本当にどういうことかわからない。
……
今回勧誘候補に挙がらなかったクラスメイトの一人、小清水昴は6人を遠くからただただ眺めているだけであった。
最も、刹那を気にかけているのは彼だけではないのだが、今は知る由もない……。
メンバーがそろったかと見せかけてそうではないのです
クラスメイトとの冒険譚内の絡みは次回からです