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使用人の冒険譚《ララバイ》  作者: かぼす
第三章:Etude
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エージェントの暗躍、そして探偵はクマを見た

 現実世界にいながらにしての異世界体験のようなバーベキューを終えた私たちは、男女別れてお風呂タイムである.。


 花火の話もあったのだが、錦祭で打ち上げ花火を上げるらしく、今回はそちらを楽しみにすることになったのだった。


 ちなみにバーベキュー中にはお客様扱いされていて、メイド的な振る舞いをさせてもらえなかったのだが、佐久夜(さくや)からは、その代わりとある極秘指令を仰せ付かっていた、それは十一日後に迫った早乙女(さおとめ)さん……もとい(つかさ)さんの誕生日にどのようなプレゼントを贈るのがいいのかどうか!それを探るというものだ。


 私と多和田(たわだ)さんはある日佐久夜(さくや)から依頼を受けてから早乙女(さおとめ)さんを観察していた、なんて完璧な人なんだろうという感想しか浮かんでこなかったのだがとにかく観察を続けた。


 ダブルオーセブンのように、名探偵のようにと言いたいところだが私はあれを真似しよう。


◆ このメッセージは5秒後に消滅する


 私は刹那、十のマイナス十八乗……ってそれはさすがにどうでも良いね、ん?知らないかな?私の名前の刹那というのは数字で言うと――


 0.0000000000000000001


 と(あらわ)される、それを時間的かつ微分的な概念で表すと一瞬っという意味だ……とにかく無駄な説明は長くなってしまったが、とにかく佐久夜(さくや)からは


 「早くつきとめなさいよね」


 ――と命を受けたのだ、誕生日前日をタイムリミットと見据えて、八月二十二日にはカッコよく


 「ミッション・コンプリート!」


 と言わなければならない状況であったのだ……当然私だけが司さんを見張っていたら怪しまれるので、多和田(たわだ)さんにもエージェントになってもらったよ――さすがに冒険譚(ララバイ)の内の様に素早くは動けないからね。


◆ エージェント『セツナ・ハント』


 バーベキューをしていた間、某スパイ映画のメインテーマが脳内再生されていたよ、毎度のこと無理難題を押し付けられながらも解決をしていくイケメン、私にはまだそのような白馬の王子(ひと)は現れてはいないし、まだ花の高校二年生、まだ慌てるような時間じゃないね。


 ――だけどね、どう見てもね、何度見てもね。


 (にしき)(サクヤ)さんと瀬戸せと(タツ)君は告ってないだけで両想いだろ絶対(怒)


 足立(あだち)(エータ)くんは一方通行(アクセラレータ)刹那(せつな)が好きだよね絶対……、刹那(せつな)は鈍過ぎると思う、足立(あだち)君ってばなにか新しいことを成功するたびに褒めてもらいたそうに刹那(せつな)の姿を目で追ってるんだよ?分かりやすすぎるでしょう?(憤怒)


 ――まぁそれは置いておこう、リア充は爆発しておけばいいと思う……いやね?刹那(せつな)の方は究極どう進んでも貧乏人(しつれい)同士だしどうということはないのだけど、(にしき)さんのほうは最大財閥VSド平民ですよ?……今の”ド”って由来知ってる?”超ド級”の由来って知ってる?”ド”……は昔の戦争で当時最大級だったドレッドノートとかいう潜水艦の頭の”ド”をとったものらしいよ――ほへ?そんなトリビアいらないだと?いやいやいや待つのだ待つのだ待つのだ……とにかく超平民の瀬戸(せと)くんがくっつくような逆玉の輿は見ていて面白いのか?そうなのか?振り回されている姿を見る分には物凄い面白いのだが……とにかくだ、私の語る回を取り上げないでほしいのだが?!(激怒)、ちゃんと合宿開始時点からクラン結成まで司さんを極秘に監視していたのだよ?


 その成果、とくとご覧あれ。


◆ プライベートアイ『シャーロック・マチルダ』第一巻


 夏休み初日、つまり合宿の初日私たちは錦邸の前で全員が揃うのを待っていた。


 十文字(じゅうもんじ)によって荷物を……バスの荷物スペースに詰めていく、住込み組ではないのは私と瀬戸(せと)君だけだから遅刻をするとしたらこの二人しかありえない……そして待ち合わせの時間が来た。


早乙女(さおとめ)さん、瀬戸(せと)君置いて行っちゃおうか?」


 と刹那(せつな)さんが冗談めかして話しているのだが、早乙女(さおとめ)さんの表情は硬い。


「いえ、まだお待ちいたします、十文字(じゅうもんじ)さん連絡を入れて頂けますか?」


 待ち合わせの時間から十分後、連行されるかのように下手人がしょっぴかれてきた。


「いやぁいやぁ……はっはっは――」


 頭をポリポリとかいてその場はごまかしたようなのだが、このシャーロック……アガサ・クリスティーと言い換えてもいいが、この超美少女推理女子高生探偵の『目』はごまかせないのだ。


 車――リムジンに乗る直前、瀬戸(せと)君はお礼だとか言って(にしき)さんに紙袋を渡していた、

「開けてみていい?」「おう(照れ)」のようなやり取りをした後、少し開いた袋から見えたのは小さいのだがとてもかわいらしく、巷で大流行していた白いクマ……そのぬいぐるみストラップ――うわぁ……これガチなやつやん。


 そして乗り込んだ車中、ぬいぐるみの姿はなかったのだが、錦さんの右隣を瀬戸(せと)くんが確保、

次の日以降の座禅の時間も常に右側のスペースを確保、午後の泳ぐ時間でも錦さんがソコソコ深いところに行くときにはその浮き輪から着かず離れず、ナイトだね。


 最後に冒険譚(ララバイ)刹那(せつな)達がクラン結成クエストに行った時、二人一組で修行をすることになっり、近接組、後衛組の時には、私は赤面してしまったし、司さんはプルプル震えていた。


 詳しいことはプライベートアイ『シャーロック・マチルダ』第二巻で綴るとしよう。


 「あれ?早乙女(さおとめ)さんの観察出来て無くね?」

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