元通り
短めですが、やっと普通に戻れそうで、私も安心してます(笑)
甘くて美味しいケーキを食べたあと、劇場に向かい、リュカ様にドレスや小物類をいただいて、着替え直した。
白のふんわりとしたシルエットの二重重ねの可愛らしいドレスだった。内側の生地には可憐な白のバラが刺繍され、外側のシフォンの生地がふわりとそれを包んでいる。
オフショルダーになっており、下に白いレースのシャツを着て、露出を抑えながらも色気のある衣装。
リュカ様のセンスの良さがうかがえる。
「あぁ、とてもよく似合っている。花の精霊かと思ったよ。」
ありがとうございます書いて、劇場に足を進めた時、転びそうになっている子供がいた。その先には階段があって、転んだら確実に落ちるだろう。
私はとっさに風魔法で、子供の体を支え、身体強化をさらにして、その子の元までシュンと、移動した。
男の子はなにが起こったのかわからなかったようで、ポカンのした後に泣き出してしまいました。
「あぁ、大丈夫!?走っちゃいけないと言ったでしょう!?」
そう言いながら、走りづらそうな正装に身を包んだ両親らしき方々が息を切らして、男の子を抱きしめました。
「本当にありがとうございました。貴女はとっさに風魔法でこの子の体を支えてくださいましたよね?それに、この子を受け止めてくれました。貴女は私たちの恩人です。何かお礼をさせていただきたい。……あぁ、私は隣国のローザ王国の商人、ダンジョーグ・ニックと申します。男爵位を賜っております。」
立ち上がってそう言った、男の子の父親、ニックさんは丁寧にお辞儀をしながらそう言いました。
『声が出ないので、こちらで失礼します。私はライラと申します。私は貴族ではなく、身分も高くないので、そんなにかしこまらないでください。』
そして、一瞬驚いた顔をしてから、訝しむようにあることを聞いてきました。
「……………今、ライラとおっしゃいましたか?もしかして、ブランシェット家と何かつながりでも?」
え?何で知ってるの??
「なぜ貴殿がそんなことを知っているのかな?それと、彼女は私たち王族の保護下にある。下手な真似はしてくれるなよ?」
そう言って、私の後ろから、ニュッと出てきたリュカ様は中々にドスが効いた声でニックさんに話しかけました。
「………えぇ。滅相もございません。王太子様、お会いできて恐悦至極に存じます。先程、彼女に息子の命を救われたもので何かお礼をしたいと思っていたまでにございます。」
ニックさんも中々肝が座っているのか、物怖じせずに恭しく言葉を返す程度にとどまっています。どうやらそこらの貴族とは違うようです。
……つまり、胡散臭い。
「そうですか。礼の件ならば後で貴殿のところに使者を送ろう。今はアンオフィシャルな場だから、ひいてもらってもいいかな?」
「あい分かりました。それでは。……お嬢さん、本当にありがとうございました。礼はなんなりと尽くさせていただきたいと思います。」
そう言って笑顔で立ち去っていく途中に、よくわからないまま話を聞いていたであろう男の子は笑顔で私に手を振ってくれました。………めっちゃ可愛かったです。
あ、因みに私もよくわかんなかったです♡
「ライラ、咄嗟に人助けをできるなんて君はすごいな。私は全然動けなかったよ。」
そういって、どこか遠いところを見るような目で私を褒めるリュカ様は、なんだか少し悲しそうでした。
『……いえ、そうは言っても、私がまた何か面倒ごとを呼び込んでしまったようで。申し訳ないです。』
「…………………あぁ。やっぱり君は目が離せないね。いつもの君だ。」
後半はよく聞き取れなかったけど、リュカ様が嬉しそうに微笑んでくれたし、それでいいか、と思ってしまうチョロい私ですが何か?




