時空魔法、チョー便利!
「この3名と、私、参謀ハルが全体を指揮して、ライラック商会、もとい、《女神の救い》にございます。……何か、気になる点や、御不快な点などございましたら、全てを変えますが………。」
『大丈夫よ。……ハルは頑張ったのね。』
「……っ!いえ、私には勿体無いお言葉です。」
まぁ、それでも、『全てを変えます』って完全にヤバい奴の発想だけどね……。
頰を赤らめている姿はこんなにも可愛いのになぁ。
「細々とした報告は後にレポートとして提出したいと思います。……今日はお疲れでしょう。こちらに泊まられますか?」
うーん。せっかくの豪華なホテルだけど、帰らないとリュカ様が心配するよね。
あ……。ハルはどうするのかしら。
『今日は帰ることにするわ。』
「承知しました。……あの、ライラ様。…………わ、私をっ!もう一度、貴方様の執事にして頂けませんか!?」
……あぁ、また心配させちゃったのね。ダメな主人でごめんね。でも……
『勿論よ!私も今聞こうと思っていたの。……報酬はどうしましょう?』
「報酬だなんてそんな……。私はライラ様のお役に立てるだけで幸せです。」
『そういう訳にはいかないでしょう?何か欲しいものはないの?無かったらお金にするけど。』
「……あの、ライラ様。付かぬ事お伺いしますが、修行が終わったばかりの今、お金はお持ちなのでしょうか?」
『持ってないわ。でも、無いのなら稼げばいいのよ。』
「……っ!?私如きの給料を払うためにライラ様が労働を行うなんて、死んでも償いきれません!!」
『そ、そうなの?』
「そうです!…………………それならば、大変無礼な願いだとは分かっているのですが、その……」
『いいわ。なんでも言って。』
「………………っ!先ほどのようにっ!ほ、褒めて頂けないでしょうか!?」
へ?そんな事が給料になるの?
「なりますっ!山のような黄金にも勝ります!」
あ、あれ?私何か書いたっけ?お、おかしいな?
「おかしくありません!」
『なんで、私の思ってることをピンポイントで当てるの!?』
「それは、ライラ様を理解するために8年間精進して参りましたから。」
こ、怖い。有能すぎて怖いよ。
「有難いお言葉です。」
『私は何も、喋ってないよ!?』
「あ、これは失礼。それでは、給料も、決定しましたし王城に戻りましょう。」
『え?決まってない……』
「いえ、ライラ様が『なんでも言って』と仰いましたので。」
あっ!……まさか、ハルに揚げ足取られるとは……。なんか悔しい。……まぁ、本人が望んでるんだからいっか。
『それなら、私の転移魔法で行きましょう。』
「……私が転移魔法を使えないばかりにライラ様のお手を煩わせて申し訳ございません。私の努力不足です。」
『いや、使えたら色々とヤバいわよ?……というか、貴方には時空魔法の適性がないのだから、努力が足りないわけではないでしょう?貴方は十分頑張ってくれてるわ。』
「……っ!有難うございます……。」
『じゃあ、お三方、これからもよろしくね?』
『ハッ!』
そうして、王宮の自室へハルとともにとんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《リュカ目線》
あぁ、ご令嬢達のせいでライラを迎えに行くのが遅れてしまった!……いや、振り切れなかった自分が悪いのだが。
そういうわけで、私は今全力疾走(身体強化+風魔法)をしている。
もうすぐ、待ち合わせ場所だ!
「ライラっ!待たせて済まない。さぁ、帰ろう!………って、居ない!?」
どういうことだ!?ライラが約束をすっぽかす訳がない。……誰かに足止めを食らっているのか?
それならば、
『風が吹き荒れ、土を舞い上げる。風が吹き荒れ、水を荒げる。何故風は吹く。何故風、土、水は共同なのか。汝に問おう。悠久の友、シルフィール』
風が巻き起こり、簡素な作りの東屋は吹き飛びそうだ。……まぁ、後で直せばいい。それよりも。
今回使ったのは王族直系の者だけが使える秘技、元素召喚、というものだ。
私は魔力だけは常人の20倍程はあるが、それでも魔力欠乏が起こるほどに魔力を使うものだ。
今回は風の元素、シルフィールだ。彼女に広範囲にわたり捜索してもらう。
「シルフィールよ。ライラ、私の大切なライラを探しておくれ。」
ビカッ!と、あたりに眩い光が広がり、直ぐに収縮した。そして、私を中心に同心円状に風が瞬く間に八方に広がっていった。
あぁ、どうか、ライラが無事に見つかりますように。
2章の『これが…先生?』から『汚い私』にかけて、ライラが喋る事ができているような描写があったので修正いたしました。
ご指摘ありがとうございました。




