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無音の令嬢  作者: お狐
2章 『無音』の令嬢
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別れと再会

お詫びの連続投稿第二弾!




新しい物語の始まりです。どうぞ、お楽しみください!

「ライラや。話したいことがある。此方に来なさい。」



老師が修行を中断させるなんて珍しい。


確かに、真っ黒な雨雲が空を覆ってて、もうそろそろ雨が降り出しそうだけど。


それぐらいで止まるような生易しい人ではない。


………なんか、違和感。





「え?どうしたの?」


「それがの。昨日完成した複合魔術、あったじゃろ?……あれで、儂がライラに教えられる全てのことじゃ。」


「………えっ?」



「いやぁ、ライラは素晴らしい才能の持ち主じゃな。……あぁ、そうそう。ライラの体は今は5歳相当といった所じゃが、成長を止めていただけでここの結界から外に出れば12歳相当の体になるはずじゃから、そこは気をつけてな。」


「えっ!?ちょ!」


「ふふん。すごいじゃろ?体が大きくなると魔力が扱いやすくなってしまうからな。小さくとどめておいた方が後々有利になるから止めておいたのじゃよ。」





老師がつらつら言葉を並べて喋ってるけど、全然頭に入ってこない。

全身から血がサァッと引いてく感じがする。ふわふわする。クラクラする。


……なにこれ?


ぽつぽつと雨が降り始めた。


なんでこんなに不安なの?なんで、なんで?


そんな訳ないっ!





「すとーーーーーっぷ!」



キーーーン、窓が割れたが其れを気にする暇は余裕は無い。





「なんじゃ急に!煩いのぉ。」


「なんじゃじゃないわよ!もう8年も経ってたの!?修行を始めて!?というか、もう教えることはないってどういう事よ!まだ、教えてない秘術があるでしょ!…………それに、老師が饒舌になるときはお酒飲んだ後か、嘘つくときだって私は気付いてるんだからね!」


「……………」


「ねぇっ!答えて!私と一緒にいることが嫌になっちゃったの!?たがら、修行の途中で放り出すような真似をするの!?」




ねぇ、お願い!生みの親(あのクソども)みたいに(ライラ)を捨てたりしないで!

直すから!全部全部全部全部全部全部全部!全部っっ!


















「………………………………ぶふぉっっっ!」


「…………はっ?」


「ぶひゃっひゃひゃひゃ!いや、違うんじゃ!別に、『なんじゃじゃ』でツボった訳では断じてないぞ!!」


「…………」


「ぶっふぉ!あは、ふぁはは☆¥%>〒€+!ー☆$%#=+÷$:〒*<=×$→♪〒\</[〜0々<・|2」÷8………くふふっ。


いや、すまない。ちゃんとシリアスしようとしたんじゃけど、無理じゃった。」


………………………………………………………………………………………………………



「おーい。ライラさんや?」


「……………コロス。ゼッタイコロス。」


「ひいっ!!ちょ、マジで落ち着いて!!うぉぁーーー☆°÷3^→¥€$!」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






ふぅー。いやぁ、いい気分だなぁ(殴った殴った)

少し湿った風だけど、それさえ気持ちいい!



「じゃあ、行ってきます。あそこから出れば年齢が元に戻るのよね?」


「ぞ……ぞうじゃ。」


「…………………ねぇ、私が本当に秘術を見つけられると思う?だって、神様の記憶にも無いものよ?」


「ぞりゃぞゔじゃろうな。儂が魔界で編み出じだものじゃし。」


「えっ!そうなの!?………まぁ、いいわ。私がきっと、それを編み出して、貴方をギャフンと言わせてやるわ!そうしたら…」




そうしたら、きっと、貴方を救ってみせる。




「どゔじだのじゃ?」


「いえ、なんでもない!………本当に、今までありがとうございました。この恩は一生忘れません。」


「ほっほっ……ゲボォっっ!……………気をつけてな。我が弟子。……我が愛娘。」



「………っっ!!………《ハイ・ヒール》!………………ありがとう!行ってくるっ!」





………あぁ、(ライラ)が泣き始めちゃったじゃない。そんな、愛情を向けられて。


………もう。どうしてくれるのよ。





辺り一面が真っ白な光に包まれた中、私は走り出した。

最後に私の愛(ボコボコの顔)を増し増しにしながら。










「ほっほっほ。…………あの子が何を成し、何を得るのか。………愛しい娘に幸多からんことを。」




其処には唯草原が広がっていた。

………何一つとして痕跡を残さずに。



風が吹き抜けていく。









ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








ふぅ。頰にあたる風が気持ちいい。

一歩前進する毎に大きくなる体。不思議なものね。


魔力で編んだドレスじゃなかったら大変なことになってただろうなぁ。



…………それよりも、この世界の子たちって発育よすぎない?前世と比べても凄いんだけど。



「おお。これが12歳の体か。確かに、魔力を流しやすいわね。魔力回路が長くなったからかしら。」



取り敢えず、リュカ様やハル、あの子達の顔でも見に行きましょうか。心配しているだろうしね。


『瞬間移動』







……とーちゃくー!


王城前の脇道!中に入って不審者扱いされたら嫌だしね。


服装よーし!魔力声帯よーし!笑顔よーし!


オールよーし!……門番さんに話に行こう!




「あの、すみません。」


「おや、どちらのお嬢様ですか?」


「えぇっと、ライラというものなのですが、」


「あっ!ライラ様でいらっしゃいましたか!!リュカ王太子様より伺っております!謁見の間に直接案内しろ、との事なのですが、よろしいでしょうか?」


「え、えぇ。」


「それではこちらに。」



何でそんなに準備万端なんだろう?


…………まぁ、いいか。


なんか、いきなり会うのは緊張するなぁ。






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