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月夜の鬼  作者: 南河原 候
4/5

結月の機嫌直し?

「で、貴女は月夜様に何をされたんですか?」


「されたと言われましても………特に何もされ………!?」


バンッと結月は畳を叩いてそれにびっくりした幸は身体を縮ませた。


「何もされてないですって! あんな抱き合ってて何もされてないなんて嘘が良くつけるわね! 正直に言いなさい。何をされたの?」


「いや、だからですね。怖がっていた私を安心させてくれるために月夜様は私を抱き締めて下さいまして、卑猥な事は何もされていません」


「ふーん。ふーん。ふーん」


えぇ、この人めんどくさいんだけど………………。


正直な事を言ってるのにあの目は信じてない目だし、どうしたら良いんですか、月夜様………。


「その、本当に何もされてないの?」

「はい、さっきからそう申してるのですが」


「そう、その、月夜様はどんな反応をしていたの?」


ん? この人は月夜様が好きだから私と何かあったのかと心配していたの?


「反応と申されますと?」

「だから、私も良く色仕掛けしてるけど、余り良い反応してくれないからもしかしら、貴女みたいな幼女体型が好みなのかと」


違う、この人はただ失礼過ぎる人だ。


私が一番気にしてる体型の事を言って来るとかとんでもない失礼な人じゃないですか。


そこで幸は良いことを思い付いた。


「そうですね~、私が色仕掛けをしたら、顔赤くしてデレデレしてましたね~!」


「や、やっぱり………最近そうなのかなって思ってて………本当だったなんて………」


結月は地面に手を着いてがっくししていた。


それを見て幸のニヤニヤが更に増して。


「それはもう~! 私にメロメロであの夜は襲われ掛けましたよ!」


「ぐは!………………………。嫌、絶対に嫌! 私の月夜を取らないで! 後から来た貴女より私の方が昔っから! 昔っから! 知ってるんだからぁぁぁぁ!!」


結月は泣いて走って行ってしまい。


幸は何処か満足げな顔で居たが直ぐにやり過ぎたと思い結月を追い掛けた。


           ☆


「きゃ! ちょっと、前を見なさいよ!」


走っていたのは結月なのに理不尽な言い方をする。


「あ、すまんって結月か。丁度良い幸はどうしてる?」


「あ、月夜…………様。ごめんなさい、こっちが走ってぶつかったのに怒鳴ってしまい」


「いや、良いよ。結月こそ大丈夫か?」


はぁ、やっぱり月夜は優しい。私が知ってる男の人の中で誰よりも優しい人。


でも、今回の仕打ちは許せない。何で私より先にあの子を抱くなんて………。


「月夜、何であの子を抱いたの?」

「はあ? 何言ってんだ。俺は誰ともそんな関係になった事は無いんだが」


「本当に?」


月夜は頭をかいて溜め息をついた。


その反応に結月は身体をピクッと反応させる。


「俺は誰ともそんなことはしない。俺の言ってる事は信じられないか?」


「ううん。月夜は嘘付かないから………………信じる」


「ありがとう」


月夜は結月の頭を撫でて結月は嬉しそうにしており結月が満足するまで月夜は結月の頭を撫でた。


「月夜様が幼女好きでも私は諦めませんからね!」


「はあ? 誰だそんなデマを流したのは」

「え? だって、昨日月夜様が買った奴隷が言ってましたよ? 私にメロメロでしたって」


「メロメロって、あんな大胆にされたら男なら動じないのはありえんだろ」

「ん?………………」


あれ、話が噛み合わない。あの幸って言う子が言っていた事と月夜が言ってる事が噛み合わない。


まさか、あの子………………。


「ふっふっふ。良い度胸よ。この私を出し抜くとは、ふふふ。後悔させてあげる」


「え。何を後悔させるんだ?」


「いえ。お気になさらずに」


結月は不気味な笑みをしてそそくさに何処かに行ってしまった。


それを物陰から見ていた幸は顔色を変えてやり過ぎたと後悔をしていた。


           ☆


「ふむ、良いんじゃないか?」


屋敷の者に幸の服を任せたら巫女服を着せられていた。

本人もそれで良いのか嬉しそうな顔で居るから何も言わんが、


巫女服って良く家にあったな………………。


「そうですか! えへへ。あの、月夜様、私はどの様な仕事をすればよろしいでしょうか?」


「え。あー、そうだったな」


俺はその事をすっかり忘れていて幸からの疑いの眼差しがあったとは言うまでもないだろう。



「よし。取り敢えず、五月(めい)のもとで屋敷の雑務を頼む」

「はい! 分かりました!」


五月は屋敷の使用人でも役に立つ方でしっかり者だから幸の事は任せても大丈夫だろう。


月夜は幸を五月に任せたら部屋に戻り書類整理を済ませに行った。




「ふぅ」


書類整理があらかた片付いて一息つく。


俺が疲れた顔をしていると結月が「奉仕しましょうか?」っと言ってきたので頭を叩き更に体力を使って疲れた気分になった。


(幸はどうしてるか。皆に迷惑を掛けてないか、いや、違う鬼だから苛めにあってないか………………心配だ)


月夜は段々っと仕事より幸の心配をしだしてそれに勘づいた結月は溜め息をついたら部屋を出ていった。


そして、暫くすると結月が使用人用の服を着た幸を引っ張って連れてきて月夜はそれにびっくりした顔で直ぐに駆け寄った。


「おいおい、大丈夫か?」

「あ、はい。大丈夫です」


「むぅ。何でその子ばかり………」


「何か言ったか?」


「何も!」


結月はふんっと言って何処かに行ってしまった。


(何で怒った?………………よく分からないが怒らせたのなら後で謝るか)


そうと決まれば後で結月が好きなおはぎでも用意してやらないとな。


「月夜様、結月様とはどの様なおっ関係なんですか?」


「うーん。友達………いや、俺の大切な仲間の一人だ」


それを聞いた幸はその中に私は入って居るのか気になったが自分が思ってる答えと違ったら怖いから聞かなかった。


「ん? どうした、そんな暗い顔をして」


はっと気づいて幸は直ぐに笑顔を月夜に向けた。


笑顔を向けられたがそれは何処か作り笑顔で俺は心配なる。

もしかしたら、使用人達に苛められているのか、それとも俺が怖いか………………。


そうを考えると胸の辺りが痛くなる。幸にはそう思われたくないって心の何処かで叫んでいる気がする。


月夜はそっと幸の頬に手を当て悲しそうな顔で幸に問い掛けた。


「俺が怖いか?」

「………………いえ、怖くはありません。むしろ、月夜様はカッコいいですよ」


「!?………………。バ、バカを言え! 俺がカッコいい訳あるか!」


月夜は顔を真っ赤にして逃げて行く様に書類が乗ってる机がある椅子に座ってもうスピードで仕事をしだした。


「………………ふふふ。月夜様、お茶でも用意しましょうか?」

「ん? いや、良い。もう下がって大丈夫だ」


幸は不満足そうな顔で「はい」っと言って戻って行った。


幸には悪いがお茶は結月に淹れて貰いたいから、後は結月の機嫌直しも合わせて一緒に飲みたいしな。


月夜は使用人におはぎを頼んでおいて結月が戻って来るまでに仕事を終わらせ様と張り切りだした。


           ☆


「もう~! 月夜様は私が居ないと駄目なんですから!」

「あ、うん」


帰ってきた結月にお茶をしないかっと誘ったら直ぐに機嫌を直して今に至る。


「あ、お茶請けを忘れました。今すぐ買って来ますね!」

「それなら大丈夫だ。さっき使用人におはぎを頼んでおいたから」


俺はさっき使用人から受け取った重箱を出した。


「なら、直ぐにお茶用意しますね!」


結月は鼻歌を歌いながらお茶を淹れだして俺は皿でも用意しようとしたら「私が用意しますから、月夜様は動かないで下さい」っと言われたので大人しく待つことにした。



「月夜様、あーん!」

「いや、自分で食べれるから」


「そんなことを言うと、また拗ねますよ?」


くっ、卑怯だ………………。


「ほら、あーん!………………本当に泣きますよ?」


俺が食べるか否かうじうじしてると結月は泣き目になってしまい仕方なく結月が差し出して来ているお萩をパクりっと食べた。


小豆の甘さに少し粒が残されたもち米のおはぎはやはり美味しい。


「月夜様はあの幸をどうするつもりなんですか?」


「どうするか………か。まぁ、別にどうすることも無い。幸が生きたい様にするだけだ」


「何で、あの子にそこまで肩入れをするの………………月夜のバカ」

「え。いま何て?」


俺がバカとか聞こえたが、その前の言葉が聞き取れずもう一度聞き直すと、


「何もありません。そんな事より、お萩を食べましょう!」

「あ、あぁ」


結月にはぶらかされたが機嫌を更に拗らせたくないので大人しく結月からのあーんを受けつつ頭を撫でてやった。

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