ゾンビの誕生
僕は何者だろうか? 学校に登校して、友達とはなす。授業を受ける。家に帰って、小説を読む、アニメを見る。ただ、惰性的に毎日を過ごし、似通った1日、1ヶ月、1年を過ごす。そこに自分を強くだす余地はない。今日も僕は鏡に向かって問いかける。
「僕は、何者だ?」
「俺は、何者だ?」
「私は、何者だ?」
もちろん、答えは帰ってこない。どんなに、問いかけても。どんなに、1人称を変えても。当たり前だ。それは自分で見つけるしかないのだから。
今日も僕は学校に行く。いつも通り授業を受けて、友達とはなし、家に帰り、1日を終える。だが、今日はいつもとは少し違った。言葉に出来ないような小さな違和感。それは、本当に小さいが、歯に引っかかったキャラメルのようになかなか溶け出してくれなかった。今日も僕は鏡に問いかける。
「僕は、何だ?」
「俺は、何だ?」
「私は、何だ?」
やはり、鏡の中の僕は答えてはくれなかった。
今日も学校だ。友達とはなす。授業を受ける。そして、帰る。違和感は、日に日に大きくなっていく。人間の身体を侵すがん細胞のように。
「僕は、何故生きている?」
「俺は、何故生きている?」
「私は、何故生きている?」
鏡に映った僕は真顔でただ、聞いていた。
この頃、違和感が凄い。友達とはなしていても違和感が先にたつ。だが、今日も普段と変わらない応答をして、世間話をして、笑われて、笑った。
「僕は、何者だ?」
「お前は、ゾンビだ」
鏡の中の僕からついに返答される。そうだ、僕は、ゾンビだ。どんな話をされても、どんなに授業を受けても、どんなに小説やアニメを見ようとも僕は何も考えていなかった。ただ、その場の状況に合わせて適切な行動をしただけ、流されただけ。そこに、自分の意思など、どこにもない。ただ、生きるだけ。ゾンビは肉を求めて動く。そこに意思などない。僕は平穏を、同じ、似通った、通常の、普段通りの1日を求めて動く。そこに意思などない。
「僕は、ゾンビだ」
「君は、何だ?」




