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荒廃した世界で。  作者: 七風
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第1話「波乱」

どうも、いらっしゃいませ。

少しでも足を踏み入れていただき、感謝感謝でございます。

良ければ暇つぶし程度に読んでいただければ、と思います。

それでは、いってらっしゃいませ。

ここは貧困に見舞われている大陸、『トラム』。僕が住んでいるのは、トラム大陸の中心街である『トラムシティ』。僕はそのトラムシティの一角にある一軒家で、友達と二人で暮らしている。

友達の名前は『アクロ』。僕が雇役されている騎士団の正式な騎士として働いている。少し抜けているところもあるが、何事にも真っ直ぐな良い奴だ。


あぁ、そういえば自己紹介がまだだったか。僕の名前は『ネジ・グランファートン』、トラム大陸の王に雇われている傭兵だ。身長はあまり高くはないが、力とその腕前は一級品として認められている。


そんな僕だが、元は奴隷としてこの大陸に売られたんだ。そう、あの殺したい程憎い母親に。確かあれは、僕がまだ7歳の時だったかな。


「大丈夫、大丈夫だから…貴方一人で強く生き延びるのよ…」そう言って母は、僕を突き放した。『大丈夫』がどう大丈夫なのか、どうして僕を一人にしたのか、それすらも今は聞くことが出来ない。母親が生きてるかどうかすらも僕には分からないし、今となってはどうでもいい。


自己紹介が長くなった。話を戻そう。この世界は4つの国に分かれている。経済が豊かな国『リトルバーク』残虐行為で国民を従えている『ナルス』、平々凡々とした暮らしを追求している『レント』、そしてここ、『トラム』。


昔はあまり格差がなく、4国間で貿易を行うなど、友好的だった。だが、レントとナルスの国民達が反逆を起こしてしまった。理由は、『財産を分けろ』『領地を分けろ』など、耳を向ける価値もないものだったという。

結果、歴史に残る世界大戦が起こり、国の間に圧倒的な格差が生まれてしまったんだ。


でも、僕は今こうして生きている。仕事もあるし、仲間もいる。それだけで、生きていてよかったと思える。


「おいネジ、今朝ラナちゃん来てたぞ。なんか焦ってたみたいだけど」それは僕が丁度、アクロと一緒に騎士達の鍛錬をしていた時のことだった。

勿論、働いている時にアクロが話しかけてくるなんて今まで無かったことだし、ラナはこの街から少し離れたところに住んでいる。滅多な事がない限りはここまで来ることは無い。だから少し不思議だとは思った。


□■


鍛錬が終わり家に帰ると、ラナは家の前で座り込んでしまっていた。僕たちの姿を見ると、ハッとして駆け寄ってきた。そして間髪入れずに話し始めた。

「ネジ!私の街が!どうしよう!ねぇ!」

「な、なんだよいきなり!落ち着いてから話せ!」

ラナは相当焦っているようで、とりあえず落ち着かせる為に部屋に入れて毛布をかけてやった。

部屋の中には、『ナロク』もいた。

「あぁ、ナロクも来てたんだな」

「うん…ラナさん、焦ってたみたいだから…」

「とりあえず、ラナちゃんはどうしちゃったんだよ」

アクロが声をかけると、疲れた声でラナは話し始めた。


「昨日の夜中、帰ろうと思って家までの道を歩いてたんだ。そしたら、街が明るくて。何かしてるのかなって思って見に行ったら、街が、全部が燃えてて、それで…」話しながらその時の事を思い出したのか、ラナは震え始めた。

「家も人も、全部燃えてて…みんな、『助けて』って…でも私、怖くなって…」

「ラナさん…」「ラナちゃん…」

「…とりあえず、連れてってよ」


今の話を要約すると、ラナが家に帰ったら住んでいる街が大火事に遭い、燃え尽きていた。だから僕達に助けを求めに来たって訳だ。

なんて流暢に説明している暇もなく、僕達はラナの住む街に向かった。


□■


着いた先は、街と呼ぶには程遠い場所になっていた。たくさんの家や市場で栄えていた街は、見る影もない。それを目の当たりにした僕達は、ただ立ち尽くすしかなかった。

「私の…街が…。あぁっ…」

「こんなの…誰がやったんだよ…!」

ラナは泣き出し、アクロは怒りを顕にしていた。

「ナロク、ラナを頼む。僕は向こうの様子を見てくる」そう言って僕は街の様子を見に行くことにした。


街はもう粗方燃え尽き、残骸に溢れていた。木が燃えたのか、人が燃えたのかも分からない。そして、街全体にすごい匂いが漂っていた。

「すごい匂いだ…。ん?なんだこれ」

僕の足元には赤色のペンダントが落ちていた。最初はまだ火種が残っているのかとも思ったが、それは紅玉でできた上等なペンダントだった。僕はそれをみんなの元へ持ち帰った。


「これ、母さんのペンダント…!」「よかったね、ラナさん」少し、ラナにも元気が戻ったようだ。

「でも、誰がこんな事したんだろうな。もしかして、リトルバークの奴らか!?」

「あの金持ち共がこんな所来る訳ないだろ、多分…」

確かに、この街は貧困に苦しんではいるが、リトルバークより歴史は深い。金になるようなものも少なからずある筈だ。それを狙って攻め入ってくるというのも

強ちない話ではない。


「とにかく、ラナは僕の家に来なよ。どうせこんな状態じゃ帰る場所もないんだろうし」

「そうだよ!4人になったら楽しいしさ!ナロクも女の子が増えると気が楽になるだろ?」

「そうね。ラナさんと一緒は嬉しいもん」

「うん…」

こうして、僕達は4人で暮らすことになった。


□■


「紅玉のペンダント…落としてきたですネ?」

「全く、貴様がヘマをするからいけないのだ」

「…申し訳ございません。以後、気を付けます…」

「全く…。折角貴様を拾って育ててやったのだから、もっと上手いことやって欲しいのだ」

「…善処します」

「国王様が呼んでるネ、さっさと行くですヨ」


国王様に呼ばれて、私は謁見室へと向かった。差詰め、今回ヘマをした私への叱咤を行うのだろう。少し不安になりながらも、私は長い廊下を少し急ぎ足で歩いていった。


謁見室では、かなり不機嫌そうな国王様が座っていた。私が扉を閉めるなり、突然大声を上げ始めた。

「お前、またヘマしやがって!何回言ったら気が済むんだ!お前は今まで何を聞いてきた!」

「…すいません」「その謝罪も何回も聞いた!もう聞き飽きたわ!全く…」

私への怒りをある程度ぶつけた所で、国王様は立ち上がり、こちらへ歩いてきた。恐らく、お部屋へ帰られるのだろう。


「…グランファートンの血、甘く見てるわけじゃねぇ。だけどな、そのまんまじゃ、いつかお前の息子に殺されるぞ。お前がな」

「…重々承知しております。」

そうして、国王様は部屋を後にされた。私への皮肉を口にして。


「息子に殺される…か。」私はかつて、実の息子を奴隷市場に売った。生きるお金が欲しかったわけじゃない。ただ、あの子を私一人で面倒を見るのは辛かった。だから、一人にした。あの子が今どうしているか、何を考えているかは分からないし、生きているかも分からない。でも、叶うのならまた会いたい。


きっと、次会う時は敵同士。それでも、あの子の成長を目にしたい。


あの子は、私の大事な子なのだから。


□■


次の日のトラムシティでは、隣街が焼け野原になったとの事で広場で号外を配っていた。記事の中には、『リトルバークの国民の犯行だ』だの『何者かの私怨によるものだ』だの、憶測ばかりが記されていた。

僕とアクロはいつものように城へ向かった。そう、こんな時でも働かないといけない。アクロはともかく、僕は雇われの身。どんなに辛くても、行かないといけないんだ。


城に着くと、トラムの国王の隣に、見慣れない男の姿があった。

「あぁ、ネジ君にアクロ君、おはよう。こちらは、リトルバークの国王、レートだよ。私の旧知の友人でね」

「よう小僧共、レートだ。ラーテルには世話になってるんだ、よろしくな」

そう言うと、男はニカッと笑った。

「うおぉ!国王様がリトルバークの王様と友達なのか!すげぇ!すっげぇ!」

「うるさいぞアクロ。僕達は騎士達の鍛錬があるので、これで」

△▼

「ラーテルもあんな小僧を雇うようになったんだな。あの頃は小僧を毛嫌いしてたのにな」

「ハハハ、私だって歳を重ねれば変わるものだよ。ネジ君とアクロ君はとてもよく頑張ってくれているからね。つい、応援したくなってしまうんだ」

「…ん。今、なんて?」

「だから、応援したくなるって…」「その前!アイツらの名前、何つった!」「ネジ君と、アクロ君…」

「ネジ、何だ!」「ネジ・グランファートンだよ、彼の名前は。なんだそんなに焦って、君らしくないぞ?」


俺は、若しかしたらすごい発見をしてしまったかもしれない。そう思ったが最後、俺は止まらない。

「なぁお前、お前だよ」「僕、ですか」

こいつが、コイツさえいれば。

「お前、ネジだろ」「あぁ、そうですけど」

お前がいれば、あの女は。

「お前にいいこと教えてやるよ」「はぁ」

そして、俺は。

「俺の手下にはな、実はな…」


ーこのガキにとっての禁忌を口にした。


「マキ・グランファートン、お前の母親がいる」

「…はぁ?」

△▼

おかえりなさいませ。

如何でしたでしょうか、第1話「波乱」。

初回ということもあり、少し長めにしてみました。


初めて書く作品ということなので、できるだけ続けていけたらな、というのが私の心の内でございます。

初めてなのでまだ文法や言葉などが身についておらず、読みづらいところもあるかと思います。ですが、これから先ドンドン続いていく中で、身につけていけたらなと思います。


不定期ながら、書いていきたいと思います。

それではまた、お疲れ様でした。

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