二人の馴れ初め
友則と晴乃はカドタクリーニングの応接間で待機していた。晴乃は何やらそわそわしている様子だ。それに相反して、友則はふかふかのソファに深く腰掛けて過去を追想していた。
昔からアイツは頭が冴える男だった。第一印象は根暗な、いけ好かない奴だった。寡黙で大人びた目つき。自然と友達は少なかった。
そんなアイツが俺に初めて掛けた言葉といえば…
「…何してんの?」
だった。今思えば実に彼らしい。思わず頬が緩む。
あの時の俺たちは中3、受験のストレスからちょっとしたイタズラをしていた気がする。それも生徒指導室行きのレベルの。その時の返答も実にユーモラスだった。
「…それじゃすぐバレるだろう。あれとそれをこうしてみろ。」
この指示に従った結果、その事件は犯人が見つからないまま卒業を迎えた。それ以来、友則は雅臣のことが気に入った。いつの間にか腐れ縁になり、今となっては大学のサークルで仲良くなった後輩と共に探偵なんてやっている。
「……ふ。」
思わず笑みを漏らすと、横から突き刺さるような視線を感じた。
「どうしたんだい。晴乃ちゃん?」
「それはこっちのセリフですが…いえ、何でもありません。」
あまりそんな諦めたような目で見ないでほしい、というのが友則の本音であったが、どうせ言ったところで改善されることはないだろう。
奇妙な沈黙が室内を支配する。友則が居心地の悪さを感じ始めた頃、見計らったかのようにノックの音が鳴り響いた。




