どうしようもない男の子
なろう様では初投稿です。
すこしでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
どうしようもない男ですが。ヘタレですが。
気づいたら、恐れ多くもアクセス数が多くなっていたので、今更ですが気になったところをこそーりと直しました。
「えっ?転勤・・・?」
そうなのよー。と、困ったようにでも嬉しそうに返事を返す母。
父親が栄転で引っ越すことになったらしい。
しかも海外。
私はどうするかというと、海外へ一緒に行くか全寮制の高校へ転校するかの二択らしい。
親が見繕った全寮制の高校は今住んでいるところから電車で40分くらいだし、親と離れるのは寂しいが長期休みは親のところで滞在することを約束させられた上で全寮制の高校に転入することにした。
私には大好きな人がいる。
そこそこモテて、女性にはとても紳士的だが、私にだけなぜか意地悪な人。
彼が自分だけには素を見せてくれていると私は思っている。
半年前にダメもとで告白したのだが、
その時の返事は
「好きな奴いないし、とりあえずでいいなら付き合ってもいいよ。でも、俺に好きな人できたらそこまでな。あと、俺はしたいことは今まで通りするから。」
だった。
えっ?
思わず言葉に詰まった私に
「どうする?」とニヤリと笑みを浮かべて問う彼。
よーし!ここまできたら怖いものなしだ。これはチャンスだと思って頑張るぞ!
「お願いします!私が好きな人になれるよう頑張る!覚悟しててね!」
そうタンカをきって半年間彼氏彼女の関係を保っている。
私と彼の日常。
ランチは彼の気が向いてくれたら一緒に食べる。
帰りも彼の気が向いてくれたら一緒に変える。
ただ、どちらも予定変更は大いにある。
このあいだも...
今日は一緒に帰れるって言ってたし、楽しみだなぁ♪
私は自分の席で彼が来るのを待っていた。窓側なので開け放した窓から風が入って気持ちがいい。
と、そこへメールを受信。
『たけたちと茂の誕生日プレゼントを買いに行く
またな』
はぁ~~。
またか...
そう。
彼はドタキャンが多いのだ。
帰るか
荷物を持って立ち上がろうとしていると、
ちょうど校舎から彼とその友達が出てくるのが見えた。
えりかが彼の腕に抱きついたまま歩いていたのだ。
「重い」と彼が言う声が聞こえるが
「いいじゃない。彼女よりいろんな意味で存在感あるでしょ?それに…‥」
後半が聞き取れない。
えりかたちも一緒なのか。
まぁ、彼と同じクラスだししょうがないか。
それにしても、うらやましい。
私は彼に積極的な態度をとれないので尚更えりかがうらやましくなる。
そもそも私が積極的になるとかなりいやがられそう。並んで歩いていて手が触れそうになっても少し距離を取られるくらいだし。
ていうか、彼に今好きな人ができたら確実について振られるな。
でも、どうやればいいのか今ではまったくアイデアも浮かばない。
今日は彼とお昼だー!
先生が出張に出なければならないらしく、少し早めに授業が終わったので彼の教室の外で待つ。
「いやー、今日の体育暑くてきつかったから早めに切りあがってよかったなー」
どうやら、中で男子が着替えているらしい。そうか、このクラスも早めに終わったのか。
彼の着替えを想像して顔を赤くする。
変態な私。
「そういやさ、ゆずちゃんともうなげーな。お前大切にしてやってんのか。」
彼の友達の茂くんの声がする。
「半年くらいか?すげーな!ラブラブじゃん。かわいいよなー、ゆずちゃん。」
やめてほしい。自分の話題を直接耳にするのはなんか居心地が悪い。離れようと足を動かす。
「そんなんじゃねーよ。ちょっと面白いかなって。近々別れる可能性だってあるし。他にもたくさん女はいるしな。ゆずなんか、普通だよ、普通。」
がーん。。。
「お前っ、それひどくねーか。」
「いや、そういう約束で付き合ってるし。
とにかく、俺のことはいいよ。別の話題ふれよ」
覚悟していたこととはいえ、少しは私に情が湧いてもらってると思ったんだけどなー。
その日のお昼は私もついつい無口気味になり、
「調子悪いのか」と彼を心配させてしまった。(貴重だ。)
昨日夜更かしして眠いだけだと返すと、ほっとしたような顔を向けてくれた。
だいぶ打ち解けてくれていてうれしかったが、彼にとってそれでも恋愛対象にはほど遠いのか。
それでこの転勤話。
うう。。もう彼との恋愛はないと言っているようなもんだ。
だめなのかなー。
転入試験を受けたり引っ越しの準備を進めながら、転校についてと彼についてを悩んでいる日々を過ごしていると、ある日彼とえりかが付き合いだしたというウワサが流れた。
ええーーー。
最近お昼もあまり一緒にいなかったし、帰りも彼の部活と私の家のばたばたで彼を待つと言うこともできてなかったから、あわない間にそうなったのかな。
いや、でもそれだったら私に一言あってもいいはず。
私が別れたと聞いていない友達が心配そうにこちらを見てくるが、私もどうしていいのかわからない。
と、その時彼からメールが届いた。
『昼いつもの場所に来れるか』
向こうからは珍しいな。
やはり好きな子ができたと言われるのか。
『ごめんなさい。今日は無理です(>_<)』
とりあえず、顔文字入りで返信しておいた。ウワサを気にして断っていると思われたくないから。
気にしてるというのが本当だが、来週転校なので手続きでいろいろ忙しいのだ。
ちなみにまだ誰にも言っていない。
転校ってなんか大げさだからまだ友達にも言えていない。
でも転校と言っても、会えない距離じゃないからみんなに言うのは今週の最終登校日でいいかなと思っている。
ブー、ブー。
『わかった』
昼休み。
これからどうすればいいのかと考えていると、
「ゆずちゃん、呼び出しー」
クラスの子が声をかけてくる。
ドアの方を見ると・・・
「えりかちゃん・・・」
えりかだった
えりかについていき、人気のない生物室に入る。
「ごめんね、突然。」
頭を少し傾げてかわいく見えるえりか。
「ううん…」
「周がお昼にゆずちゃんと会えないってて、
それならって、私が代わりにきたの。」
代わり?
「周と私付き合いたいと思ってるんだけど、ウワサ知ってる?」
「・・・うん」
「あ、まだ付き合ってないんだよ?周はまだゆずちゃんに言えてないから。それでお昼に言おうと思ってたらしいんだけど話したかったのに会えないって言ってたの聞いたから。」
「・・・」
「ごめんね、ゆずちゃん。でも私、周を幸せにするから。」
「・・・うん」
他にどう返事できようか。
生物室を出ると、木村くん、つまり周君と友達が歩いてくるのが見えた。
「周~」
えりかが木村くんに抱きつく。
「おい、ジュースこぼれるだ・・ろ」
私と目が合う。
そしてえっというような顔をする木村くん。
自分でも悲しい顔をしている自覚はある。
だが、今はしょうがないではないか。
木村くんたちにペコッと頭を下げ、何も言わずに背を向ける。
「おい、」
後ろから呼び止められる声がするが
「周、ジュースもーらいっ」
えりかに対するものだろう。
もう後ろの人達を見たくなかった。
夜に
『今日なんで呼び止めたのに無視したんだ。
顔色悪かったけど、大丈夫か。』
と珍しく用件以外のメールが彼からあったが、返さなかった。
登校最終日。
もちろん、周りには文句を言われたが転校先がそんなに遠い場所ではないので逆に急にで大変だねと同情された。
帰りには昼休みに買いに行ってくれたという(もちろん校則違反だが担任はその場面は寝てる振りをしてくれた。むしろほとんど担任が出してくれたらしい。)花束と寄せ書きをもらって、みんなで写真を撮った。後日送ってくれるらしい。
登校最終日の翌日、朝に引っ越しトラックを見送り、高校に向かう車の中で木村君にメールを送った。
『転校することになりました。
別れるって言葉でいいのか分からないけれど、今まで付き合ってくれてありがとう。
直接木村君に別れ話をされるのはつらいから、ずるいけどこれでよかったのかと思います。
転校だなんて、つくづく木村君と私は縁がなかったんだなー、残念。なんちゃって(笑)
お互い、次はもっと素敵な恋愛ができるといいね。
えりかちゃんとお幸せに。
心配しないでね、きちんとアドレスから木村君の個人情報は消しておきますので!』
送信。
そして木村君のアドレスを消去。
今までのメールも。
すごくもったいないけれど、あれば忘れられないのでなくなく消しました。
私のアドレスもやっぱり消されちゃうのかな。。
少し寂しい感じはする。
新しい土地ですぐ恋愛をする気にはなれないだろうから、このまま当分は木村君を思い浮かべながら悲しくなるんだろうなぁ・・・。
案の定、木村君からすぐ返信はこなかった。授業中だもんね。
寮に着いたので車から降りると、膝に載せていた携帯が、運悪く水たまりにポチャンとお浸かりになりました。
え!
車を降りた父が拾ってくれて、
『んー。一応乾かして様子を見るか』
といってくれたが、見事に電源がつかなかった・・。
母が
「今日は忙しいから、明日新しい携帯買いに行きましょう」と言ってくれたのでとりあえずはどうにかなった。
スマホにしていいと言われたので、若干気分が上向いた。
よし!片づけよう!
次の日、携帯ショップに出かけて機種変の手続きを行った。三ヶ月前に電池パックを変えに行っていたので、そのときに進められてとっていたアドレスのバックアップデータがあって助かった!
それがなかったら、みんなに一人ずつ電話をかけたりしなきゃいけなかった!
とりらえず、メールの問い合わせを行ったが、木村君からは返信がなかった。
んー。もうこないのかな。
少し胸が痛い。
最後くらい何か言ってほしかった。
新しい高校のクラスは、みんなとても気さくですぐ仲良く慣れた。
二日目は放課後にみんなで歓迎会と称したカラオケにいき、金曜日には部活がない子でクレープを食べにいこうということになり、男女数人で帰っていた。
歩いていると、運動部の子だろうか、
「かっこよかったね。誰の彼氏だろうね。」とコンビニの袋を下げて校門の方から歩いてきた。
なに、イケメン?!と一緒に帰っている女子メンバーがそわそわしだす。
いいなぁ。私もいつか新しい恋に興味持てるのかなぁ。ふと、そう思う。
だが、まだ毎日木村君からの返信を確認しているうちは無理だろうな、とふっとさみしく笑ってしまう。
「女子って単純だな。って、神田は気にならないかんじだな?」
「そうだぞ、神田。男は顔じゃないぞ!」
「ゆずちゃんは、女の鑑だねー!」
はっ!
「ち、違うよ。まだ前の恋引きずってるだけだから!」
はっ!!!
思わず言ってしまった・・。
「そっか、俺たちが慰めてやるよ。
クレープ食べた後ゲーセンでもいって、パーッと気晴らしする?」
「あんた、それ自分が行きたいだけじゃん。カラオケにしようよー。」
「それこそお前がいきたいだけだろっ」
「バレたか(笑)」
みんなの話に笑いながら校門を抜けると
「ゆず」
幻聴が聞こえた。
周りが呼んだのがそう聞こえたのだろうと思い、そのまま歩いていると、誰かに腕を捕まれた。
振り向くと、
木村君が、いた・・。
「えっとー・・。ゆずちゃん、知り合い?」周りにつつかれながら、斉藤君がおそるおそる代表で聞いてくる。
「あっ、うん。元彼・・」
「元彼じゃない。」
「あ、ごめん。あの、前の学校の同級生です。」
「ゆず、ふざけてんの?」
「えっ?」
「あのー、ゆずちゃん?」
再び斉藤君が代表で聞きたいことがあるらしい。
「ゆずってよばないでくれる?なんなの?ゆずが好きなの?」
かみつく勢いで木村君が斉藤君に話す。
「ご、ごめん。
神田。とりあえず、今日は取り込んでるし俺らだけでいってくるよ。また別の機会に行こうな。」
とばっちりを受けて疲れた斉藤君を慰めながら、他のクラスメイトもこそっと私に挨拶をして帰って行く。寮に帰ったら問いつめられそうだ。
そして残された二人。
どうしていいか分からない私と、若干いつもよりつかめない木村君。
「あの、木村君。」
「それ。」
「なんで木村ってよぶの?俺にはちゃんと名前があるんだけど。」
あ、名字より名前で呼んで欲しい人なんだと思い、
「周君」と言い直す。
「なに?」
「とりあえず、近くの公園に行こう?」
学校近くの公園についたが、途中手をつながれて今もそのままだ。
「周君、私たち、別れ・・」
「てない。」
「でも、私メール送ったんだけど。」
「俺は了承してない。だから、別れてない。」
「えっと、えりかちゃんと付き合うんでしょ?私はかまわないから別れ・・」
「ない。」
埒があかない。
「えとね、私転校しちゃったでしょ。そんなに遠くないけど、遠恋ってただでさえ別れやすいのに、気持ちが強くないと無理だと思うの。えとね、そういうの私たちは無理だと思うの。」
「・・もう俺のことは好きじゃないの?」
その一言で、私は爆発した。
「もぅ!だから、私だけ好きでも無理なの!最後には周君の負担になるし、私もすごく不安でつらくなるのみえてるから無理なんだってば!」
「ゆずだけじゃない!」
「・・なにが?」
「俺だってゆずのこと好きだ。」
???!!!
「えっ、うそ・・」
「うそじゃない。」
「い、いつから・・」
「もうずっと前から。告白される前から、好きだったんだ・・。」
「適当なこと言わないで!」
悔し涙があふれる。
「告白したときあんな態度とったくせに!
いつもいつもドタキャンしたくせに!
友達に私のことすぐ捨てるみたいなこといってたくせにっ」
「えっ?なんでそれ・・」
「えりかちゃんとつきあうくせに!
周君の言うことなんて信じないっ!
私は早く忘れたいっ!幸せな恋がしたいのぉー!!」
大泣きしてしまった。
そうだ、私は好きになってもらいたかった。私に少しは興味を持ってもらいたかった。お互いを慈しむ関係を築きたかったんだ。
「ゆずっ!」
木村君は、いきなり地面に正座した。
「本当に君を傷つけてごめんなさい。
もう一度チャンスをください!
神田ゆずさん、俺とつきあってください!必ず幸せにします!後悔させません!」
そのまま土下座した。
涙も止まり、呆然とその姿を見る私。
そのまま10分ほど経っただろうか・・。
「あの、周君。」
「なに。」土下座のままこたえる周君。
「まだ周君のこと好きだけど、今までのこと考えたら、やっぱり無理だと思う・・。ごめんね。
あと、顔上げてくれる?ほら、立って。
制服汚れるから。」
しぶしぶと顔を上げて立ち上がる周君。
「俺の言い訳聞いてくれる?」
「え?」
「それ聞いて許す気になったら、もう一度やり直してくれる?」
「・・うん。」
それで周君が納得するのならと、そう返事すると、
「俺、ゆずが告白してくれて嬉しかった。でも、優しくしようとしてもできなかった。なんでか、ゆずには心とは反対のこと言っちゃうんだ。
ずっと一緒にいたいのに、好きな奴ができるまでとか言っちゃってさ。言ったあとに焦ったけど、ゆずが頑張るって言うのを聞いて、すごく嬉しかった。
それで、ゆずがもっと俺のことを考えるようにドタキャンしまくってヤキモチやかせようとしたり、本当は一緒にいたいのに、もう少し頑張ったらもっとゆずは俺のこと考えるんじゃないかって・・。
友達にゆずのこと悪く言うのは、周りがみんなゆずのことかわいいかわいいって言うのがムカついて、わざとゆずのこと悪く言ったりした・・ごめん。」
「えりかちゃんのことは・・」
「あれは、びっくりした。ある日学校いったら、なぜかそんなウワサが流れてて。おれがゆずのことを話した友達が勝手にえりかにねじ曲げて伝えてえりかとかが言いふらしたらしい。俺、本当にえりかを何とも思ってないし、ずっとゆずに誠実だったからな。」
「ほんと?でも、最後に周君に呼び出されて私が断ったとき、えりかちゃんが私のところに来たんだよ。本当は周君がえりかちゃんとつきあうって直接言うんだったけど、私が周君と会えないから、えりかちゃんが言いにきたって・・」
「はぁっ?!ふっざけんな、あの女!」
周君がここまで声をあらげるの珍しいかも・・と思っていると、
「ゆず、だからあの日呼び止めても振り向かなかったのか・・?」
「うん。直接顔を見る勇気がなくて。」
「違う。俺、あの日本当は今までのこと全部謝ってやり直すつもりだったんだ。ゆずの元気が少しずつなくなっていってたから、俺・・・。」
「え・・そうだったの?」
思わず周君の顔をまじまじと見つめるが、周君は真剣な目をして頷いてくる。
「ゆず、好きだ。これからはなるべく会いに来るし、なるべく一緒にいたい。転校は本当にショックで、メールもショックで電話したけどつながらなくて、それなら直接話したいとここまで押し掛けてしまったけど、本当に好きなんだ。
っ頼む。本当に最後にチャンスが欲しいぃ。」
電話かけてくれたのか・・。
たぶん、水没してたときかな。
それよりも、びっくりした。周君が泣いている。
泣きながら、それでもずっと、
ごめん、頼むから、ごめん、頼む
と繰り返している。
カチャン...
周君の言葉が、ようやく私に届いた気がした。
周君に近づいて、私よりずっと大きな体を抱きしめる。
「ゆず・・?」
「私も黙っていなくなってごめんね。
うん。やり直そう。許してくれる?」
素直に自分の気持ちを伝えた。
次の瞬間、周君が私を力いっぱい抱きしめてきた。
耳元で
ごめん、ありがとう、ゆず大好き
と泣きながら呟くのが聞こえた。
周君は、思っていたよりもどうしようもない子供だったけれど、私はそんな周君も大好きなんだから、仕方がない。
落ち着いた後、なんで寮なのかと周君に聞かれ、海外転勤について行くか寮かの二択だったと話して、周君が「あぶなかった...」と青ざめるのはまた別の話。
*エピローグ*
実際周君は頻繁に会いに来てくれ、また私をよく家に呼び、泊まらされていたおかげで、周君家族の公認彼女になった。
さらに、長期休みは私と一緒に私の両親のところに行き、最初は折り合いの悪かった父とも仲良くなり、(母はイケメン好きなので最初からウェルカム状態だった。)お互いの家族とは良好な関係を築いた。
そして大学は二人とも頑張って同じところに見事合格し、親公認の同棲を行い(周君の企みでうちの親の短期帰国時に周君の親を会わせるなどしてこのころには親同士もすっかり仲良くなっていた。)、そのまま周君は弁護士に、そして私は念願のOLになったが、一年たたずに妊娠し、専業主婦になりました。
周君は、きちんと予防はしていたはずなのに、おかしいなぁ!と満面の笑顔で言っていたので、これは絶対周君の計画だと思われる。
本当に、どうしようもない男だ!
そして、そんな男を愛しいと思う私もどうしようもない女なのかもしれない。
とりあえず、後悔するしないはさておき、宣言通り、彼は私を幸せにしてくれている。
そして、彼も同じように幸せを感じてくれているということが私は嬉しいのだ。