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34話 強襲

随分遅れて申し訳無いです……

レポートとか、destinyとか、モンハンとかやる事多過ぎました。

一応、書き方を少し変えてみたのと、一話を書き換えました。

一刀達が平原の牧として納めてから一週間が経った頃。

街から大分離れた森奥の行商人が通る道を、木に登り見下ろしている一つの集団がいる。

格好は黒一色のコンバットスーツに身を包み、手にはナイフかハンドガンが握られている。そして、身を隠す為か、木の葉に隠れる様に枝の上に腰を掛けて、上手く身を隠している。真っ黒なだけあって動けば目立つのだが、彼等、いや、狼は全く動かず、じっと獲物が通るのを待ちわびていた。しかし、そのなかでもジッと出来ない奴が一人だけいた。



「一体いつ来るのかな?」


「おい、黙れレイン」


「でもさー、この体勢でかれこれ3時間半なんだけど」


「一週間動かないよりはマシだろ。それよりドッグ、もう一度作戦を確認してくれ」



その耐え切れて無いのは言うまでも無く、一匹狼のレインだ。一刀達に実力を見せると言って、はや数時間。事前に情報を入手しているだけあって既に行動、賊を待ち伏せているのだが、これが簡単には行かない。時間が過ぎて行くだけにレインは痺れを切らしたのだ。しかし、それはファングによって宥められる。レインはえーと言う顔をするのだが、ファングはまるっきり無視で、ドッグに作戦の確認を求め、ドッグは2回目の作戦の内容を伝え始めた。



「オッケーだ。作戦は至って単純。このポイントに通る行商人を襲う賊を捕縛する。過去数十回の襲撃ポイントを割り出し、統計した上で予測地点を計算、次の襲撃ポイントを予測したのが、ココだ」


「奴等、身なりが豪華な行商人と、貴族しか襲わないと言われているが?」


「ホーネットの情報によると、奴等は金持ちを襲撃する事を目的としている。そして、タチが悪い事に奪った金品を貧困に困ってる街々にばら撒いているらしい。所謂、” 義賊 ”だ。今回は民の反感を買わない様に隠密に捕縛する。それが、隊長からの命令だ」


「要するに、相手は貧しい市民に恩を売ってるから、反感を買わない様に、バレずに捕まれろってことっすよ」


「面倒くせぇ……」


「まあまあ、そう言わずに」


「だが、相手は賊だと言う事に変わりは無い。もし、市民を傷付ける場合は、即刻排除しろとの事」



最初のブリーフィングで確認してなかった事をドッグが伝えると、一同は面倒臭そうな顔付きになる。義賊とはその名の通り、権力者からは犯罪者だが、民衆からは正義だと言われたりする盗賊だ。後漢王朝が機能していない状況からすると、現れるのは必然だったのかも知れない。すると、ドッグとは別の木の上で待機しているファットマンが何かを思いついた様に手を挙げる。



「極論だが、ワザと傷付けさせるか?そしたら、容赦無く殺せるだろ。念の為に、地雷は幾つか埋めてあるが」


「おい、爆殺魔。捕縛しろって言って殺す奴があるか!」


「安心しろ、半分は冗談だ」


「半分とか笑えねぇ…」


「地雷はクレイモアだが、中身は対人ゴム弾だ。精々身体中真っ赤になって動け無くなるだけだ。まぁ、ゼロ距離ならどうなるか分からんがな」


「うわぁ…」



ファットマンのゲス顔に引く一匹狼達。引かれた事など全く気にしないファットマンはここに居ないメンバーの事を尋ねる。



「で、ホーネットと隊長は高みの見物か?」


「隊長は双眼鏡片手に天の御使い達と俺達を見てるが、ホーネットは別の情報収集らしい。後、居ないのはイーグルもだ。あいつも隊長の横でチェイタックを構えてる」


「それなら良い」


「ワイヤートラップの設置完了したぜ」


「お疲れコブラ、ヘルメス」


「エリア内に入るなら作動しないが、逃げようとしたら手足を縛り、宙釣りになる様に仕掛けた」


「そのエリアはどれ位だ?」


「約半径500メートルぐらいだな。一度入ると逃げ場はないぐらいだから、多分逃げ切れ無いと思けど?まあ、逃げ切ったら褒めたいぐらいだな」


「来たぞ、静かに」



何か近付いて来る気配を察知したストームがドッグとヘルメス、コブラの3人の会話を断ち切る。会話が終わった事でヘルメスとコブラの2人も木へと登り、待機する。

ストームが察知した気配は商業道路を通る、馬に荷台を引かせている行商人だった。しかし、行商人の身なりはあまり良く無く、義賊の標的となる行商人ではない。



「こいつも貧相な行商人だな」


「言ってやるな」


「待って、他の気配が近付いてる」



行商人が通り過ぎて行くと本音を漏らすファング。それを呆れながらストームは返す。ストームが呆れているのは既にこのやり取りを3時間の間に飽きる程しているのだ。その言葉からは疲れと苛立ちを感じる程だ。

しかし、今度は空が気配を察知して他のメンバー達に伝える。今までなら通る者を確認していたが、空が自分の武器、ベレッタ90-twoとブレードを出して構えた事で、メンバー達も自分の武器を構えて近付いて来る気配を待った。

次の気配は商業道路から現れるのでは無く、道路を挟む様に茂みからボロボロの服を身に纏った複数の人だった。



「……ビンゴ。今やるか?」


「待て、襲う前に仕留める。武器を出したら行動開始だ」


『了解』



ファットマンはボロボロの人達が武器を持って何かを待ち構えるのを見て、ようやく来たといった感じで、横にいるドッグに指示を仰いだ。

ドッグはまだ義賊であると断定出来ない為に行動の直前に仕掛けると指示を出す。

そして、義賊達は通り過ぎようとひた行商人を襲う為に武器を出した。



「行動開始。捕縛しろ」


「おっ先ぃー!」



ドッグからの指示が出た瞬間、レインは直ぐ様に木から飛び降りる。

義賊達の進行方向に降り立ったレインを見て、義賊達は何だ?と驚き始める。



「誰だ!」


「ハーイ!突然だけど、動かないでね!」


「うごっ⁉︎ 」



レインは義賊へと挨拶の様な事をした瞬間、手に持っているゴムスタン弾に変更されているUSP45を撃ち込んだ。何があったかも分からずに義賊の一人は頭にゴムスタン弾をもらい一瞬で意識を奪い去った。



「貴様!よくも、ぐっ⁉︎」


「動くなよ」



仲間が一瞬でやられ、反撃しようとする義賊達。しかし、ストームが後ろから1人の首を絞め上げる。



「この野郎!」


「……遅い」



敵のど真ん中にいるストームをやれると思った義賊達は武器を手に一斉に斬りかかろうとするが、ストームをカバーする様に空が現れる。

空はストームに一番近い義賊をブレードの峰で殴りつけると、左手に構えているベレッタ90-twoで更に2、3人を撃っていく。

空に殴られ撃たれた義賊達は次々に意識が遠のいていく。



「雑魚共が。逃すかよ」


「ひぃ……」


「さっきの威勢はどうした!」


「やめ……」



既に数人もやられた義賊達は襲い掛かる事を止め、逃げ始める。しかし、それを狼達が許す筈も無く、追撃を掛けていく。特にゴースト、バイパーの2人は容赦の無さに義賊達が震え上がっていた。それ以外でもあちこちでクレイモアらしき地雷の爆発音が響いていた。







そして、辺りが静かになった頃には義賊達は全て無力化されていた。

義賊達は縛られ、一匹狼達はファントムに連絡。ファントムとイーグルは一刀や桃香など、蜀と呼ばれるであろう人達を連れて向かっていた。



「これで制圧完了(クリア)だな」


「手間掛けさせるなよお前等」


「ひぃ……」


「やめておけ。後で隊長にどやされるぞ」


「だな」



手間が掛かった事でバイパーは縛りあげた義賊の1人を睨み付けた。勿論、睨まれた義賊は震え上がって固まっていたが……



「今だ行け!お頭と柊に伝えるんだ!」



完全に気を抜いている一匹狼達を見た義賊の1人は仲間の1人に叫ぶ。



「お、おい!」


「ああ! 待って……ろ…??」



ドッグが止めようとするのを振り切り、義賊の1人は逃げ様とダッシュで森に入ろうとした。しかし、突然襲った衝撃と共に体が動かなくなり、地面に倒れてしまう。



「チッ、一匹残ってるだろ。」



スコープから目を離したイーグルはチェイタックM200のボルトを後退させ、撃った弾丸を排莢した。

そして、何事もなかったかの様に馬の手綱を再び掴んだ。



「ナイスショットだイーグル。」



イーグルの横に並んで併走していたファントムはイーグルが逃げ様とした義賊の狙撃を感嘆して褒めていた。

イーグルは馬で実行部隊の元へ向かって行ったが、その途中で馬に跨りながら狙撃したのだ。

そのピンポイントな狙撃に誰もが驚くのは間違いないだろう。



「初めて麻酔弾なんか撃ったが、ドンピシャ頸動脈だな」


「す、すげぇ…」


「えっ?え??何?何が起きたの?」



近くで、馬に乗りながらの遠距離狙撃を目にした一刀は感嘆していた。しかし、一刀の後ろにいた桃香は何が起きたのかすら分からずにオドオドしていた。



「今お見せたのは、行動の素早さ、脅威察知能力、敵殲滅能力、そして遠距離での攻撃能力の4つですかな。そして、イーグルが行ったのは約2キロ、5里先の目標に相手を動かなくさせる事が出来る薬を含んだ弾を当てました」



そんな桃香を見たファントムは先程の出来事を軽く説明する。



「えっ⁉︎ そんなに遠くにいる人に⁉︎」


「そんなに驚か無くても……天の世界ならそれが出来るのですよ」



桃香の素の驚きに反応に困るファントム。



「ほぇー、そんなに凄いなんて……」


「全く、この私を置いて行くなんて酷いですぞ、主」



桃香は良く分からないながらに関心していると横から馬に乗った星が突如として現れた。



「星⁉︎ いつからそこに?」



その突然現れた星に一刀はビックリしていた。



「主が馬に乗っている時に桃香殿の胸が当たってニヤニヤしている辺りから、ですかな」


「ほとんど最初からじゃん……」



星は一刀を見ながらニヤニヤしつつ説明をすると、一刀は、おい!って感じの表情になりながら、桃香の方を恐る恐る見た。一刀に捕まりながら馬にまたがっている桃香は、一刀をジト目で見ていた。

ジト目で見られていても、愛紗がここに居ない事に一刀はホッとため息をついた。もし、愛紗に見つかりでもしたらガミガミ煩い説教地獄が待っているのだから。







そして、場所は実行部隊の方へと戻る。

ファントム達が来る間、暇なメンバーはあちこちで暇を潰している中、ファットマンは縛って放置してある義賊達に近づく。



「で、お前達。何で義賊なんかやってるんだ?」


「お前達に俺達の何が分かるってんだ!」


「だから義賊か?だから奪うのか?」


「お前達の様な糞みテェな朝廷の犬になるよりは賊のほうがマシだ!」


「ハハハッ、面白ぇな。……だが、甘い」


「な、なに?」


「お前に問おう。平和な時に人を殺せば殺人者だ。逆に戦争で大量に殺せば英雄だ。なら何故、同じ殺人者なのに後者は崇められる?」



義賊達の考えに甘いと言ったファットマンは義賊達に問いかけた。

しかし、義賊達にファットマンの問いに誰も答える事が出来ずに黙った。



「答えは簡単。大義名分の違いだ。戦争が起きた時に殺し合いと言う大義名分が出来る。それだけだ。だが、殺し合いに精神が耐えれるのかは別だがな」


「……………」


「分からないのなら傭兵になって命を奪いまくってみろ。そうすれば自ずと分かる。自分の愚かさが、醜さが。だが、俺達はこの愚かさが好きでたまらない」


「あんた達は狂ってる」


「ああ、自覚済みだ。傭兵は良いもんだぞ。好きな様に生きて好きな様に死ねる。お前等の様にビクビクして生きるなんてどうかしてる。俺達なら頭が狂っちまうな。それに傭兵は稼げる。」



そう言いながらファットマンは木の棒で地面に現在のお金の単位に書き換えながら地面に金額を書いて行く。しかし、そこに書かれた金額は個人で払える様な金額じゃ無かった。



「こ、こんなに……」


「ああ、特殊な技能を売るんだ。俺達はそこまで安くあるつもりは無い。……それと、この世界はいずれ変わる。その時もまだ国が腐っているのなら俺達のところに来い」


「…………」


「その時は雇われてやるからよ。じゃ、そろそろ時間だ。隊長達が来ちまう。 まあ、死刑は無いだろうから安心しておけ」


「それは、どう言う?」



ファットマンに言われた事を疑問に思う義賊達。



「太守を見れば分かる。じゃ、立って貰うぞ」



一言だけ言ったファットマンは義賊達を立たせていき、縛ってある縄を掴んだ。そして、義賊達を一匹狼達が連れて行くのだが。この時、一ヶ月後に起こる事に一匹狼達はまだ気付く事が出来なかった。

destinyでレイドを周回するとは、馬鹿げてました。

お陰で全身レイド装備になりましたが……



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