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真・恋姫†無双-獣達の紡ぐ物語-  作者: わんこそば
第一章 外史に落ちた一匹達
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4話 変化

11月14日 大幅改稿 サブタイ変更

村に滞在してから一週間が経過した。

大きな変化は特に無いが、変わったとするなら青林と名乗った賊の1人が真面目に畑を耕す程に変化が起きていた。

賊の仲間を失ったのも大きかったが、村にいた知り合い達が黄巾党の討伐で失ったのが彼の心に響くことになった。

男手の不足もあり、今では賊をやめて農夫になった。



「イングリッシュでオーケー……」


「おいおい、ジャパニーズコメディアンみたいになってるぞ」


「お前もだよ」


「しかし、難しいものだな」


「まぁ、一週間でこれだけ喋れれば十分だろ」



青林が畑を耕す横で、一緒に桑を持って畑を耕しているのはローンウルブズのメンバーである、レイン、ストーム、ゴースト、ファットマン、バイパーの5人だった。

5人は農作業を片手間に日本語の辞書を使いながら会話をしていた。

まだイントネーションを掴みきれておらず、外国人タレントのような喋りで拙い。

また、集落の隅ではファングが怪我をした子供達の治療をしていた。



「おいおい泣くな。ほら大丈夫だ、骨は折れてないぞ。こんな薬草では無くて薬があればな……」


「とは言っても仕方ないっすよ。頼まれた薬草はここに置いておくっすよ」


「足りるか怪しいが、後はこっちで何とかする」


「へいへい」



子供の足に包帯を巻きながら流暢な日本語でファングとジョーカーは会話をしていた。

先程の3人とは比べものにならないレベルだった。

その一方で、1人黙々と馬車を修理するヘルメスや、手製の鍋を使い何か料理をするコブラとホーネット、その横ではイーグルが銃を分解して整備していた。

必死に日本語を勉強中の5人とは違い、他10人は思い思いに時間を過ごしていた。



「しかし、吸収が早いですね」


「あの5人の事?」


「いえ、あなたですよソラ」


「?」


「私が長年鍛えてようやくモノにしたのを、軽く覚えられるとヘコみますよ」



ちょっとした広場を使い、空とハルトマンは近接格闘のみの手合わせをしていた。

ハルトマンは自身の技を空に教えているのだが、その速すぎる吸収力に驚きながらも少しヘコまざるおえない。

長年をかけて手に入れたモノをほんの数時間で盗まれてモノにしてしまうのだから。



「元々基礎は叩き込まれてる。その応用ならまだ何とかなる。けど、まだあんたに追いついてない」


「いや、後数ヶ月もしたら多分抜きますよ」


「どうだか!」



空がハルトマンのジャブを回避するとその腕に張り付き逆三角締めに持ち込む。

体格差はハルトマンに軍配があがるのだが、そのハンデすら自身の身の軽さでカバーしていた。

それを見ていたドッグは感嘆を声をあげていた。



「しかし、凄いなアレ」


「何が凄いって?」



ファントムは何が凄いのかを聞いてなかったのか、ドッグへと聞き返した。



「ソラ坊だよ、ソラ坊。社長が欲しがって連れて来た時から見てるが、あの成長の速さにはいつも驚かされるな」


「ああそうだな」



ファトムの反応の悪さに空達からファトムの方へ視線を戻せば、ファトムは一週間前に拾った奇妙な紙と睨めっこをしていた。



「まだその紙見てんのか。良い加減諦めろ。そう簡単に帰れはしないと思うぞ」


「いや、欲しいモノを頭で念じろってのが少し気になってな」


「試したのか?」


「ああ、イメージが鮮明なモノなら何とかなる。試したが、銃弾は有り余る程確保は出来た、が……」


「何かマズイのか?」


「いや、今のところ想像以上に疲れるだけだ」


「そのうち慣れるだろ」


「だと良いのだがな」



特に問題はない事にドッグは少し安心する。

副作用でもあれば、その怪しい紙は破り捨てただろう。

見た所、副作用という副作用は無く、念じる際に集中力を要するため疲れるだけであった。



「兵器クラスはまだ時間がかかりそうだ」


「まっ、無理して用意する必要なんてねーよ。乗れる奴は1人しかいないんだからよ。乗れるって言ってもうちのトップクラスに追い付きもしねー実力なら素直に銃を持った方がマシだ」


「だな」



そう言って2人が笑い合っていると、集落の入り口から1人の少女が慌てた様子で走ってくる。



「大変よー!賊が来るわ!」


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