フットーマレルノ魔法学園
朝のサクレルノ城下町の隣町サザシュレルノに在る住宅地の1軒の家の前に特務隊・隊長室から姿を消した俺達は姿を現した。そして、タクスは昨日探した指輪を左中指に着ける。
タクス「着いた。これが、俺の家だ。」と木造2階建ての1軒の家の前に居る。
ミカ「これが、タクスの家なの。」
タクス「そうだが。」
テム「普通の一軒家ですね。」
ミカ「確かに、普通の家よね。」
タクス「普通の家だが。どうした。」
ミカ「私は、ただ特務隊・隊長をしているんだから豪華な家に住んでいると思ったの。」
テム「私も、そう思いました。」
タクス「それは、俺の養父母が住み慣れた家が良いて言うのと余り俺の貯金からお金を使わないからだよ。それに、一般人である俺の養父母が貴族でもないのに豪邸を建てたら怪しまれて、俺が『戦慄の魔剣士』だって言う事がバレるだろ。」と説明をした。
ミカ「それなら仕方ないわね。」
テム「私は、タクス様が良いなら私は従います。」
タクス「そう言う事だから外に居るのもなんだから中に入るか。」と言うと家の門をくぐり玄関のベルを2回鳴らす。
『ジィリリリリリリィ。ジィリリリリリィ。』
すると、少しして家の中から聞き慣れた女性の声が聞えて来た。
女性の声「はーーい。」と早足で、玄関のドアに来る音が聞え、ドアが空いた。
タクス「シェリルさん。」
シェリル「タクス君。お帰りなさい。」
タクス「ただいま。」と笑顔で言うとその笑顔を見たシェリル・ミカ・テムは、顔が赤くなり幸せと言いそうな顔になっている。
タクス「シェリルさん?顔が赤いですけど大丈夫ですか。」
シェリル「えぇ。大丈夫よ。それより後ろにいる2人の女の子は…。」
タクス「この………。」と説明をしようとするとシェリルの後ろからシェリルの夫でタクスの養父であるステールが玄関に来た。
ステール「シェリル。誰か来たのか。」とシェリルの肩越しにだれが来たのか確かめる。
ステール「オッ。タクス、帰ってきたのか。」
タクス「ステールさん。ただいま。」
ステール「お帰り。タクス。ところで、お前の後ろにいる女の子は誰なんだい。」
タクス「この子達は、魔法学園での生活のサポートをして貰う為に使い魔の2人を人の姿になって貰っているんだ。そうしないと任務で忙しい時があるから洗濯とかが出来ない時がある。」と説明をする。
シェリル「任務の事は、エンザンスさんから聞いているけどそんなに忙しくはならないんじゃない。」
タクス「そうだと良いけど。」と困惑しながら言う。
ステール「タクス。2人の事も教えて貰わないと学園には前もって説明しないと2人は入れないぞ。」
タクス「そうだった。2人とも自己紹介をしてくれ。」と言う。
それを言うと2人はタクスの両隣に立ち自己紹介を始めた。
ミカ「私は、タクスの使い魔で天使のミカです。宜しくお願いします。」
テム「私、タクス様の使い魔をしています。悪魔のテムと言います。宜しくお願いします。」と言い終わると次にシェリルとステールが紹介を始めた。
シェリル「私は、タクスの養母のシェリル・フォスコードよ。宜しくねぇ。」
ステール「私は、タクスの養父のステール・フォスコードだ。宜しく。」と紹介も終った。
シェリル「それじゃ、中に入りましょうか。」とシェリルが5人に言うと家の中に入って行く。
家の中に入ってリビングでシェリルが作った朝食を食べた後に俺は、自分の部屋で休む事にした。そして、あっという間に3日が過ぎた。
2日後・早朝のフォスコード家・玄関前
シェリル「それじゃ。気を付けてね。」
タクス「ハイ。シェリルさんも何かあったら連絡をください。出来るだけ駈け付けます。ステールさんにも伝えてください。」
シェリル「えぇ。分かったわ。ミカちゃん・テムちゃんも行っていらっしゃい。タクスの事お願いね。」
2人「ハイ。(シェリル。シェリルさん。)」とこの2日間でミカとテムはシェリルと仲良くなっていた。
タクス「そろそろ2人とも時間が無いから行こうか。」
2人「ハイ。」と言うと2人は荷物を持ち門の所に向かう。
タクス「それじゃ、行って来ます。」
シェリル「行ってらっしゃい。」と言うと、俺達を見送っていた。
何故、早朝に家を出ないといけないかと言うと2日前、ステールがフットーマレルノ魔法学園に電話で連絡をした時に何時から学園が始まるか聞いて貰った所。8時半に朝礼が始まるので8時に学園に来て欲しいと答えられたので転移魔法で行けないので歩いて向う為、その時間に間に合う様に早朝に出る事にしたのである。
数時間、歩いてフットーマレルノ魔法学園の入り口の門の前に着いた俺達は、門を開けて貰う為にベルを『ジィリリリリィ。』と鳴らすと門の中から警備に就いている男性が現れた。
警備の男「何か、用事かい。」
タクス「あの、今日から、入学する事になっています。タクス・フォスコードですが中に入りたいんです。」
警備の男「ちょっと、待ってくれ。今、学園長に確認を取るから。」と言うと、ポケットから電話を取り出すと学園長に電話を掛け始めた。そして、電話が繋がり学園長に「タスク・フォスコードと言う男の子と女の子2人が今日、入学予定だと来ていますが。中に入れても良いですか。」と学園長に訊くと「はい。分かりました。タクス君は、学園長室の行き方を教えて女の子は寮に連れて行けばいいんですね。それでは失礼します。」と答えると電話を切った。
警備の男「学園長の許可が取れたから入って良いぞ。」と言うと、門を開ける。そして、タクス達と一緒に学園の敷地の中に入った。
警備の男「それじゃ、タクス君に今から学園長室への行き方を教えるよ。まず、この道を真っ直ぐ行くと噴水で十字路になっている。その十字路を右に曲がると5階建ての建物が見えてくる。その建物の正面玄関から中に入ると廊下が三方に分かれているので真ん中を真っ直ぐ行くと次に5差路になっているからその5差路を斜め右に行くと突き当たるそこにある扉が学園長室だ。」
タクス「えっと、学園長室に行くにはココを真っ直ぐ行って噴水で右に曲がる、正面玄関の3方に分かれた廊下を真っ直ぐ行き、次の5差路を右に斜め行けば扉があってそこが学園長室で合っていますか。」
警備の男「合っているよ。」
タクス「それじゃ、2人とも荷物は頼んだよ。行ってくる。」と2人に答えると早足で学園長の居る校舎に背後から「行ってらっしゃい」を聴きながら向う。
そして、道沿いを行き噴水で右に曲がって正面玄関から校舎に入り3方に分かれた廊下を歩いて真っ直ぐ行き次の5差路を右斜めに曲がろうとした。その時、左から誰かぶつかって来た。
『ドン。』
???「キャ!」と声が聞えた。
タクス「(オッと)」と、ぶつかられた衝撃でバランスを崩したが立て直す。
???「イターい。」と声を出しぶつかって来た人は、尻餅を着いていた。
タクス「大丈夫ですか。」と微笑みながらぶつかって来た人に近づいて訊く。
???「…\\\…。」と顔を赤らめている人は、この学園の女教師らしい人にタクスはもう一度「大丈夫ですか」と聞いて手を差し出す。
女教師は「エッ!?」と俺に気づき。そして、差し出した手を握り立ち上がる。
女教師「大丈夫よ。ご免なさいねぇ。急いでいたので。君こそ大丈夫。」
タクス「僕は、大丈夫です。それより、どうして急いでいたのですか。」
女教師「それは………。」と何か思い出したのか慌てて、俺が向う方向に早歩きで向って行きながら「本当にゴメンね。」と言って行った。
タクス「………。(大丈夫かな、あの先生。)」と想いつつ学園長室に向った。
女教師~Side~
タクスとぶつかる少し前。
1年生職員室内で魔法学の用意をしている女教師の机の電話が鳴る。
『プルルルルルッ。プルルルッ。ガチャ。』
女教師「もしもし、学園長!ハイ。わかりました。直ぐ行きます。」と言うと受話器を置き急いで職員室を出た。
職員室から学園長室に向うには、職員室から左に出て突き当たりを右に曲がり直進すると十字路になっているからその十字路を直進すると学園長室に着く。
職員室から左に出て突き当たりを右に曲がり直進し、5差路に指しかかり左に斜め行こうとしたら右から出てきた誰かにぶつかる。
『ドン。』
女教師「キャ!」とぶつかられた衝撃でバランスを崩して尻餅を着いてしまい「イターい。」と声を出した。
???「大丈夫ですか。」とぶつかった誰かは微笑みながら近づいて聴いてくる。
女教師はぶつかった人の顔を見て、「(この子、カッコイイ。)」と顔を見ていた。
ぶつかった人はもう一度、「大丈夫ですか」と聞いている男子生徒に気づき。
女教師「エッ!?」と言うと、その男子生徒が差し出した手を握り立ち上がる。
女教師「大丈夫よ。ご免なさいねぇ。急いでいたので。君こそ大丈夫。」
男子生徒「僕は、大丈夫です。それより、どうして急いでいたのですか。」
女教師「それは………。」と思い出し、急いで学園長室に行きながら「本当にゴメンね。(あの子、カッコ良かったな。)」と想いながら学園長室に向かう。
そして、学園長室に着き『コッン。コッン。コン。』とノックをした。
女教師「メイリス・ブロメリアです。入ります。」と言うと中に入る。すると、机の後ろで椅子に学園長が座っている。
学園長「忙しいのに呼び出してすまないな。」と私に訊いて来た。
メイリス「イェ。大丈夫ですよ。大事な用があると言っていましたが。」
学園長「用件は、君の担当する特待生クラスに入学式から入る予定だった子が3日遅れてもう直ぐ来る。」と言うと、学園長室の扉を『コン。コン。』とノックをする音が聞こえ、学園長が「入って良いぞ。」と言うと「失礼します。」と言い学園長室に来る途中でぶつかった男子生徒が入って来た。
タクス~Side~に戻る。
学園長室の扉の前にやって来た。タクスは、『コン。コン』と扉をノックして扉の向こうから「入って良いぞ。」と聞こえ「失礼します。」と言い中に入る。
すると、机の後ろで椅子に座っている学園長らしい老人と机の前で学園長室に来る途中でぶつかった女教師がこっちを向いて立っていた。
メイリス「あっ、君は。」とぶつかった女教師が聴いて来た。
学園長「何だ、メイリス君。知っているのか。」
メイリス「えぇ、さっきココに来る途中でぶつかりまして。」
学園長「そうか、それなら話は早い。この子が、さっき話した子だ。こっちに、来なさい。」と言われ。
タクス「ハイ。」と言うと学園長の机の前に行く。
学園長「よく来た。私が、この学園の学園長のクロース・ドラクロじゃ。そして、君の隣に居るのが、君が入るクラスの担任のメイリス・ブロメリア君。」
メイリス「担任のメイリス・ブロメリア。魔法学、担当よ。宜しくねぇ。」
タクス「タクス・フォスコードです。宜しくお願いします。」と3人の自己紹介も終わり。
学園長「それじゃ、挨拶も済んだし。この学園の学園証のカードを渡すから、後の詳しい事は、メイリス君に聞いてくれ。私は、今から用事があって時間が無いから頼んだよ。メイリス君。」と言う俺の名前が入った学園証を渡してくれた。
2人「ありがとうございます。(分かりました。学園長。)失礼しました。」と言い、メ2人は、学園長室から出て5差路の廊下の所まで来た。
メイリス「さっきは、ぶつかってご免なさいね。」
タクス「もう済んだ事です。それに、怪我もありませんから。」
メイリス「それなら良いの。」
タクス「先生。学園の事を教えて欲しいのですけど。」
メイリス「最初に、学園校内と校庭の事を教えるわね。まず、ココが中央廊下でこの中央廊下は、東西南北。そして、北東に分かれて建っている建物に繋がっている。学園長室がある建物に繋がっているのが今、通って来た北東の廊下。そして、北の建物は食堂。西の建物は1階が、各学年職員室・2階~4階が、各学年一般生徒教室・5階が、各学年特待生・生徒教室。この学園には、1年~6年生まで居て、それぞれに一般生徒の3クラスと特待生生徒1クラスになっているの。南の建物は1階が、正面玄関・2階が、学園からギルドへ転移する時に使う転移室・3階が、薬学の授業で薬の調合の時に使う薬学室・4階が、戦術の授業の時に使うシミュレーション室・5階が、体育館。東の建物は1階が、プール&シャワー室・2階~5階が、図書室と資料室があって、それぞれの建物に繋がっていて、西の建物と南の建物。そして、東の建物の各2階を繋ぐ廊下があるから移動事業の時はそこを使って移動するのね。次に、校庭の事を教えるわね。校庭は正面玄関から見て、西に、この学園で学生が生活する学園寮。南に、魔法学の授業で使う格闘・魔法練習(訓練)場。東に、この学園から休みの時に出入りするために使う門。そして、正面玄関。学園寮。魔法学で使う格闘・魔法練習(訓練)場。学園から出入りするために使う門からのびる道がクロスする所に東西南北を解り易くする為に噴水があるの。後、学園から出るには、休みの時にしか出られないから出る時は、門をけいびしいて居る警備人に学園証を見せないと出られないから。最後に、一年間の学園行事を教えるわ。まず、学園祭・フットーマレルノ魔法学園学年選考格闘トーナメント・各学園選抜格闘トーナメント・フットーマレルノ魔法学園全学年美人・美少年・コンテストがあるのだけど。実は、私この学園の卒業生でね。このコンテストで、最後の年に優勝したの。」と言う。
タクス「それは、凄いじゃないですか。」と答える。
メイリス「あっ。関係ない事だったわね。この学園行事の事は、分かったかな。」と尋ねる。
タクス「分かりました。」と答える
『カラ~~ン。カラ~~ン。』とチャイムが鳴る。
メイリス「このチャイムは!朝礼のチャイム。タクス君。教室に向かいたいのだけど職員室に授業で使う道具を取って行きたいから急ぎましょう。」と言う。
タクス「はい。良いですよ。」と答えてメイリスの後に付いて職員室に向かいメイリスが、授業で使う道具を取りに向かった。そして、直ぐに手に授業で使う道具が入ったカバンを持って戻って来て職員室の脇にある階段で建物の5階にある特待生クラス・1年の教室のドア前まで来た。
メイリス「タクス君。呼ぶまで、少しココで待っていてくれる。」
タクス「分かりました。」と答えると、メイリスは、教室のなかに入って行った。
教室内
メイリス「みんな、おはよう。」
クラス生徒全員「おはようございます。」
メイリス「今日は、みんなに嬉しい報告がありま~す。」
???「はい先生。嬉しい報告って何ですか。」と男の子が訊いている。
メイリス「それは、本当は皆と一緒に入学する予定だった子が。今日、来ました。」
???「先生。その子は、男の子ですか。それとも、女の子ですか。」と女の子が尋ねる。
メイリス「女の子は、喜んで男子よ。」と答える。
クラス男子全員「えーっ!男かよ。」
クラス女子全員「どんな、男の子なんだろう。(カッコイイかな。)」と色々、話している。
メイリス「それじゃ、呼ぶから静かにするのよ。入って来て。」と言う。すると、教室の中に入って来てメイリスの隣に行き、生徒が座る席の方を向く。
クラスの女子「カッコ良くないよね。普通じゃない。弱そう。」などと言っている。
メイリス「それじゃ、名前・属性・ギルドランクを紹介して貰えるかな。」
タクス「はい。タクス・フォスコード。属性は、光。ギルドランクは、Eランクです。よろしくお願いします。」と自己紹介する。
???「えっ!お兄ちゃん。」と教室の3人座りの机が縦3×横3の配置の右側の一番後ろの机の方から聞き慣れた声が聞こえた。
メイリス「レイラさん。知り合いですか。」
レイラ「私の大好きなお兄ちゃんです。」と言うと俺の所に来て抱き付いた。
それを見たクラスの全員「エ~~~~~~~ッ。」と大声を出して驚いている。
メイリス「レイラさん。お兄さんって本当ですか。」
レイラ「本当です。」と抱き付きながら言う。
メイリス「タクス君も本当ですか。」
タクス「ハイ。」と答えた。
メイリス「レイラさん。お兄さんに会えて嬉しいのは分かります。でも、タクス君から離れて席に戻って下さい。」とレイラに言う。
レイラ「イヤです。」とメイリスに答える。
メイリス「レイラさんが席に戻らないとタクス君の席も決められなくて、もう直ぐ授業が始まりますから………。」と授業が出来ない事を伝えようとすると1授業目のチャイムがなる。
『カラ~~ン。カラ~~ン。』とチャイムが鳴ったのを聞いた俺は、レイラに言った。
タクス「久し振りだね。レイラちゃん。先生も授業が出来ないって言っているから席に戻ってくれるかな。」
レイラ「でも……。お兄ちゃんと話したい。」
タクス「今まで、違う学校だったけど。今度からは、同じ学校に居るからいつでも話せるだろ。」とレイラの頭を撫でながら言う。
レイラ「うん。分かった。」と少し赤く染め自分の席に戻って行った。
メイリス「ありがとう。タクス君。これで、魔法学の授業を始められるわ。タクス君は、左側の1番後ろの机に着いてくれる。」
タクス「左の1番後ろですね。」と答え、1番後ろの空いている椅子に座ると1授業目がはじまる。
その授業の中、俺は、教室に来る前に聞いたこの学園の建物の配置を頭に入れていた。そして、気付いたら1授業目が終わり。休み時間なっていた。
レイラ「お兄ちゃん。」と俺の所にやって来た。
タクス「なあに、レイラちゃん。」
レイラ「お兄ちゃん。約束を憶えていてくれたの。」
タクス「あぁ。3年前のステールさんに聞いて憶えていたよ。(本当は、3日前に聞いた事は言えないし。)」
レイラ「憶えていてくれたて嬉しいな。」と話しているとレイラの後ろからクラスの女の子がレイラに話し掛けて来た。
女の子「レイラ。この人が、中学の時に話していた。お兄さん。」
レイラ「そうだよ。エレナちゃん。私が、大好きなお兄ちゃんだよ。」と話し掛けて来た女の子と仲良さそうに話している。
タクス「レイラちゃん。その子は。」
レイラ「この子は、エレナちゃんで中学からの友人なの。」と兄の俺に紹介する。
エレナ「紹介されました。エレナ・ポラリスです。エレナと呼んで。」
タクス「(おい。この子は、ギルドマスターの孫娘じゃないか、1度ギルドで合った事があったな。バレないと良いけど。)エレナさん宜しくねぇ。」と心の中で思いつつ言う。
エレナ「でも、タクス君はレイラのお兄さんでしょ。何で、そんなに魔力が弱いの。」とレイラに聞く。
レイラ「それは、私にも解らないけど、中学に入ってから私の方が強くなっていたの。でも、お兄ちゃんは気にしてないの。」とレイラが聞いてきた。
タクス「(その時から魔力を抑えるようにしたからなぁ。)うん。気にしてないよ。それに僕、魔法下手だし。」と心の中で思いながらエレナに答えた。そこに、男子がやって来た。
男子「君。レイラさんのお兄さん。」とタクスに聞いてきた。
タクス「そうだけど。君は?」
男子「僕の名前は、ヴァージェス・クロード。この特待生クラス、入学試験成績1位で入った。」と言ってきた。
タクス「よろしく、ヴァージェス君。何か用。」
ヴァージェス「君みたいなギルドランクに魔力が弱いのが入って来ると迷惑なんだよ。」と俺に言う。
俺は興味がないので、そのまま聞き流そうとした。その時、近くの席の男子がやって来て言った。
男子2「あれを見ろ。」と俺に言う。それを聞いた、俺はレイラの方を向く。そこには、俺の悪口を言われ起こっているレイラが、魔力の球を作っていた。
レイラ「お兄ちゃんの悪口を言うと許さない。」と言いながら魔力の球を放とうとしている。
タクス「レイラちゃん。止めて僕は、気にしてないから許して上げて。」とレイラに近づきながら言う。
レイラ「本当にお兄ちゃん。気にしてないの?」
タクス「本当だよ。気にしてないから、その球を消してくれないか。危ないからねぇ。」
レイラ「うん。お兄ちゃんがそう言うなら。」と答えると魔力で作った球を消した。
それを見たエレナと男子2は「ふ~う。」と溜め息を吐いた。
ヴァージェス「チッ。」と舌打ちして自分の席に戻った。
男子2「危なかったね。」
タクス「君が教えてくれなかったら危なかった。君の名前は?」と言う。
男子2「僕の名前は、キリュウ・マクスベス。宜しくキリュウって呼んで良いから仲良くしよう。」
タクス「よろしく。」
キリュウ「僕が言っている。危なかったは、彼に当てていたらあれより強力な魔力の球がレイラさんに当てられていたぞ。」
エレナ「そうね。タクス君がレイラを止めてくれなかったらきっとそうなっていたわ。」
キリュウ「今日は、何もして来なかったけど。でも、タクスは気を付けた方が良いな。」
タクス「どうして。」
キリュウ「アイツ、タクスのギルドランクと魔力の弱さでこの特待生クラスに入って来た事が気に入っていないから。また、何かして来るかも知れないな。」
タクス「そうなのか?気を付けるよ。」と答える。
『カラ~~ン。カラ~~ン。』と2授業目のチャイムが鳴る。
レイラ「また後で来るね、お兄ちゃん。」と言うと3人は、それぞれの席に戻って行った。
そして、全授業が終わり。校舎を出て学園寮へと向かうタクスは、妹のレイラと親友のエレナ。そして、仲良くなったキリュウの4人で、噴水の所まで来て寮へと続く道を寮へ向かっているとキリュウが俺に訊ねて来た。
キリュウ「そういえば、タクス。寮の部屋は、何号室なんだ。」
タクス「えっと。何号室かな。」
レイラ「お兄ちゃん。聞くのを忘れたの。」と左腕に抱き付き聞く。
タクス「う~ん。ココまで来て戻るのも……。」と立ち止まり来た道を見る。
レイラ「ココまで来て校舎に戻ると時間が掛かるよ。」
キリュウ「それなら、寮の管理人が居るから何号室か聞けば早いんじゃないか。」
エレナ「そうね。その方が早いわね。」と言うと4人は、学園寮に向かった。
そして、学園寮の建物の前まで来た。
エレナ「この8階建ての建物が、私達が6年間生活する学園寮よ。」と俺に説明する。
タクス「これが、学園寮。」と8階建て寮を見ている。
レイラ「そうだよ、お兄ちゃん。ねぇ、エレナちゃん。寮の事をお兄ちゃんに教えてあげて。」とエレナに頼んだ。
エレナ「良いわよ。タクス君。この寮は、管理人室の前を通って奥に各階に上がる階段が有って、上り口と出入り口の間に待ち合わせ等に使う椅子と机が有るの。そして、階段を上がると2階~7階が1年~6年の一般生徒の各部屋が在って8階が各学年・特待生の部屋になっているわ。」と説明してくれた。
レイラ「分かった!お兄ちゃん。」
タクス「えっと。僕達、特待生の部屋は最上階の8階になるんだね。」と答えた。
キリュウ「寮の中の事が解ったようだから早く中に入って管理人さんにタクスの部屋が何号室か訊こう。」と言うと4人は、学園寮の中に入り1階に在る。管理人室の前に行く。
レイラ「それじゃあ、お兄ちゃん。私が聞いてあげようか。」
タクス「ありがとう。でも、自分で聞くから良いよ。」
レイラ「お兄ちゃんがそう言うなら。」
タクス「それじゃ、聞いて来るよ。」と3人に言うと管理人室のドアを『コン。コン。』とノックをして中に入っていった。
管理室内
管理人室の中に入って管理人を呼ぶ。
タクス「あの~。すいません。」
管理人「ちょっと待ってくれ。」と部屋の奥から返事が返って来た。そして、直ぐに管理人の男の人がやって来た。
管理人「何か、用かな。」
タクス「貴方が、管理人さんですか。」
管理人「そうだ。私が、管理人のウラド・バハレイヤだが。」と筋肉質の男が答える。
タクス「今日から、特待生に入った。タクス・フォスコードですが、部屋の番号を聞くのを忘れたので教えて貰いませんか。」
ウラド「そうか。君が、学園長が朝から電話で言われて、その後に使用人の女の子2人が来て君の部屋がどこか聞いて来た2人の雇い主か。」
タクス「そうです。」
ウラド「あの2人は、あの若さであんな対応が出来て魔力も高いのは凄いな。」
タクス「そうですか。(あの2人、魔力を抑えてなかったな。)ところで、僕の部屋は何号室ですか。」
ウラド「そうだったな。君は、8ー635室だよ。」と答えてくれた。
タクス「8ー635室ですね。分かりました。ありがとうございます。」と言うと入って来たドアからみんなが待っているフロアーに出て行く。
管理人室前・フロアー
『ありがとうございました。』と俺が言うとフロアーで待っているレイラ達と合流して、8階に続く階段を上がりながら部屋の事を聞いて来た。
レイラ「お兄ちゃん、部屋の番号。何号室だったの。」
タクス「部屋番号は、8ー635室だったよ。」
キリュウ「8ー635室なのか。じゃあ、俺の隣がタクスだったのか。後で、部屋に遊びに行っても良いか。」と訪ねて来た。
タクス「今日は、部屋の片づけがあるから駄目だけど、部屋の荷物が片付いたら良いよ。」
レイラ「私、お兄ちゃんの部屋の片付けを手伝いに行っても良い。」
キリュウ「俺も手伝いに行くぞ。」とレイラとキリュウが言い出して来た。
タクス「(エッ!どうしよう。片付けが嘘でレイラちゃんが、あの2人の事を知ったら大変な事になる。)」と心の内ではどうするか焦る。
レイラ「お兄ちゃん。急に黙ってどうしたの。」
タクス「レイラちゃん。ありがとう。でも、今日は1人で大丈夫だからレイラちゃんとキリュウは……。」と言おうとした。
キリュウ「邪魔しないからさぁ。手伝わせてくれ。」と言う。すると、隣に居たレイラが腕に抱き付いて来てこう言って来た。
レイラ「私も、邪魔しないから手伝いをさせて。」
エレナ「ほら、レイラもこう言っているのだから手伝わせて上げたら。」
タクス「うーん。」と何か考える。
レイラ「お兄ちゃん。お願い。」
タクス「(仕方ないか。)良いよ。それなら、来て良いよ。」と言う。
レイラ「じゃ、私とキリュウ君とお兄ちゃんの3人より、エレナちゃんも手伝いに来て4人でやれば早く終わるからエレナちゃんも手伝いに来てくれる。」
エレナ「レイラの頼みじゃあ、仕方ないから行っても良いわよ。」
レイラ「ありがとう。エレナちゃん。2人も手伝いに来てくれるって言うから後は、お兄ちゃんが良いって言ってくれれば良いんだよ。」と俺に言ってくる。
タクス「2人も手伝いに来てくれるなんて嬉しいよ。(3人が来るまでにあの2人に説明して昨日打ち合わせしたとおりにやれば大丈夫だろう。)」と心の内で準備をする。
レイラ「ヤッター!着替えたら直ぐ来るね。」と抱き付きながら喜んでいる。
エレナ「良かったわね、大好きなお兄さんの手伝いが出来て。」
レイラ「うん。」と笑顔でエレナの方を向く。
エレナ「久し振りにこの笑顔を見たわ。この笑顔を見ると本当にこっちまで嬉しくなるのよね。」
タクス「この笑顔は、本当に嬉しい時にしかしない笑顔だからね。」
キリュウ「そうだな。この笑顔は、こっちまで嬉しくなる。」
タクス「皆の笑顔を守らないと。」と独り言を言葉に出した。
キリュウ「タクス。何か言ったか。」
タクス「何でもない。」
キリュウ「そうか。」と言う。そして、俺達は、色んな事を話しながら階段を上がると8階に着いた。
タクス「フゥ。やっと着いた。」と肩で呼吸しながら言う。
レイラ「お兄ちゃん。大丈夫。」
エレナ「タクス君。あなた、体力もないのね。」
キリュウ「そうだぜ。この位の階段でへばっていたらギルドの中でも特別の天明の騎士団に入って特務隊には、入れないぞ。」
エレナ「キリュウ君。天明の騎士団の特務隊に入りたいの?」
キリュウ「あぁ。俺の夢なんだ。天明の騎士団に入って、憧れの『戦慄の魔剣士』さんと一緒に任務をする事なんだ。」
エレナ「その夢、難しいわよ。タクス君には、話していなかったんだけど私のお爺ちゃんは、ギルドマスターを遣っているんだけど天明の騎士団に入れても特務隊に入るには、隊長の『戦慄の魔剣士』様に選ばれた人しか特務隊隊員にはなれないらしいわ。」とキリュウに説明する。
キリュウ「それでも、俺は頑張って天明の騎士団に入って特務隊に入ってやる。」
エレナ「頑張りなさいよ。私は、一度お爺ちゃんに会いに行った時に会った事があるけど。」と言うとそれを聞いたキリュウが急に興奮し出してエレナに聞いて来た。
キリュウ「なぁ!会ったのか。」
エレナ「何よ。急に。」
キリュウ「会った時、どんな感じだった。」
エレナ「どんな感じって言われても。もの凄い魔力で気絶しそうになったとしか言えないわ。」と言う。
キリュウ「そんなに凄かったのか。」
エレナ「えぇ。もし、魔力を抑えてもらわなかったら危なかった。」
キリュウ「そんなに魔力が凄いのか。」
エレナ「普通であの魔力の量は凄かったわ。」と2人が話しているのを聞いていた俺とレイラは少し離れた場所に行き。
タクス「ねぇ?レイラちゃん。」
レイラ「お兄ちゃん。なぁに?」
タクス「この2人の話は、いつ終るのかな。」
レイラ「ウ~ン。たぶん、もう直ぐ終ると思うよ。」
タクス「早く、部屋の荷物を整理したいんだけど。」
レイラ「私は、早くお兄ちゃんの部屋に行きたい。」と言っている。そこに、話し終わったキリュウとエレナの2人がやって来た。
エレナ「ゴメンねぇ~レイラ。話しに夢中で忘れていたわ。」
キリュウ「憧れの『戦慄の魔剣士』さんの話が聴けて嬉しくて2人が居る事を忘れていた。ゴメン。」
レイラ「2人とも。2人で話がいくら弾んだとしても、私達が居る事を忘れないでよ。」と2人に言う。
2人「ゴメンなさい。(ゴメンね。)」と謝る。
レイラ「私達は、ココで分かれよう。」
エレナ「そうね。」
タクス「どうして、分かれるの?」とエレナに聞く。
エレナ「どうしてって、分かれた方が早いかって言うと。寮に入る前にも話したけど各階は、それぞれ各学年と特体制に分かれている事は話したわよね。」
タクス「教えて貰ったけど。」
エレナ「それとは別に、男女で各階の部屋の配置が左右に分かれていて、階段から近い右側が女子。階段から遠い左側が男子になっているから、ココで分かれた方が速いのよ。」と俺に説明してくれた。
タクス「それなら、ココで分かれて僕の部屋は、キリュウ君の部屋の隣って言うからキリュウ君に教えてもらうよ。」
キリュウ「隣だから、連れて行くから大丈夫。」
レイラ「じゃあ、後でね。お兄ちゃん。」
タクス「部屋で待っているから。」と言うとレイラとエレナの2人は自分達の部屋に帰る為、俺達と分かれた。俺はキリュウに部屋を教えてもらうので一緒に歩いて行く。
キリュウ「タクスって、どうしてこの魔法学園に通う事にしたんだ。」と歩きながら聞いて来る。
タクス「それは、レイラちゃんが中学の時に両親と約束した。3年経ったらお兄ちゃんに会える約束を聞いて覚えていたんだ。」とキリュウに教えた。
キリュウ「そうか、それで頑張って特待生に入ったんだな。」
タクス「そういう事。」と話しているとキリュウが立ち止まった。
キリュウ「着いた。ココがタクスの部屋だ。」と635号室と部屋番号と書いてある扉の前で俺に言う。
タクス「ココが、僕の部屋か。」
キリュウ「タクス。俺の部屋は隣の634号室だから分からない時があったら訊きに来て良いからな。それじゃ、着替えたら部屋の片づけを手伝いに来るから。」と言うと隣の自分の部屋の扉を開けて中に入る。
キリュウが自分の部屋に入るのを確認すると俺は、目の前の扉を開けて部屋の中に入る。すると、入って直ぐの所に赤のニットに黒のジャケット、黒のスカートを穿いたテムが立っていた。
テム「タクス様。お帰りなさい。」
タクス「ただいま。」と言う。
テム「ミカちゃん。タクス様が、帰って来たよ。」とミカを呼ぶ。すると、奥の扉の向こうから勢いよく扉を開け、ピンクの花柄の入った白いワンピースを着たミカが出てきた。
ミカ「タクス~~~~。お帰り。」と言いながら抱き付いて来た。
『ドッ。』と音がした。
タクス「ただいま。」
テム「ミカちゃん!なに抱き付いているんですか。」
ミカ「良いじゃない。さっきまで、荷物を片付けていたんだから。」
テム「そうですが。タクス様も疲れています。」と言い離そうとする。すると2人のお腹が『グ~ッ』と鳴った瞬間、2人の顔が赤くなった。
タクス「2人とも、お腹が空いているのか。」
2人「うん。(はい。)」
タクス「もう少し、2人とも我慢してくれるか?」
2人「どうして?(どうしてです?)」
タクス「それが、2人は義理の妹が居る事は話しただろう。」
2人「うん。(はい。)」
タクス「その妹が、着替えて友達を連れて今から来るんだ。それと………。」と2人に説明する。
2人「もう、荷物の片付けは終りましたよ。(終ったわよ。)」
タクス「そうだよな。だから、後でおいしい夕食を作るからお腹が空いているのを我慢してくれないか。そして、早く着替えないと着替える時間がなくなるから着替えに行っても良いか。」
テム「良いですよ。私達は、リビングで待っています。」
タクス「それじゃ、着替えて来るよ。」と言うと着替えに部屋に向かった。そして、数分後に学生服から青のTシャツに黒のジャケット、赤いジーンズに着替え終わった。タクスがリビングに行く。
ミカ「タクス。3人が来たら。まず、どうするの?」
タクス「まず、俺が玄関に迎えに行くから2人は、リビングで待っていてくれれば良いから。」
テム「それで、良いですが。タクス様が大変です。」と言う。すると、玄関のチャイムが『ピーンポーン。』と鳴る。
レイラ「お兄ちゃん。エレナちゃんと手伝いに来たよ。」
タクス「来たみたいだから行って来るよ。」と言い、リビングから玄関に向かう。そして、玄関に着き玄関の扉を開ける。そこには、レイラとエレナが立っていた。
タクス「2人とも、よく来たね。ところで、キリュウは一緒じゃないの。」と2人に聞く。
レイラ「キリュウ君は、もう直ぐ来ると思うよ。」と答えるとそれを聞いた様に隣の部屋の扉が開きキリュウが出て来た。
キリュウ「ふぅ。間に合った。」
レイラ「キリュウ君も来たから、中に入れて。」
タクス「それが、部屋に入るのは良いけど、みんなに内緒に出来るって、約束出来る。」と3人に聞く。
3人「お兄ちゃん。約束する。(タクス君。出来るわ。)(タクス。出来るぞ。)」と3人は言う。
タクス「それじゃ、入って良いよ。」と言うと3人を部屋の中に入れて、リビングに向かった。
テム「タクス様、この子達がさっき話してくれた人達ですね。」
タクス「そうだよ。」
レイラ「あなた達、2人はお兄ちゃんとどんな関係。」と2人に駆けて行き2人に聞く。
2人「えっと、私達はステールさんとシェリルさんにタクス様の身のまわりのお世話をする為に雇われました。使用人です。」と2人はレイラに言う。
レイラ「本当に、タクスお兄ちゃんの為にパパとママが雇ったの。」と今度は、俺に聞いて来た。
タクス「本当だよ。ステールさんとシェリルさんが僕の為に雇ってくれた使用人の子だよ。」と答えた。
レイラ「エッ。でも、お兄ちゃん。この学園は、使用人は駄目なのにどうして許可が取れたの?」
タクス「僕が、料理しか出来ないからステールさんが学園長に頼んで特別に許可を取って貰ったんだ。」とレイラに答える。
エレナ「じゃ、タクス君って料理は出来るのに家事が出来ないなんて普通逆じゃない。」と聞いて来た。
タクス「それは、僕が料理以外の家事をして貰う代わりに僕が、お弁当を作ってあげていたんだ。」とレイラの質問に答える。そこに、キリュウが言って来た。
キリュウ「タクスの中学の頃の事は分かった。2人を紹介してくれないか。」
タクス「うん、良いよ。」と言うと2人の間に行き。そして、2人の紹介を始めた。
タクス「右側で白いワンピースを着ている子がミカで、左側で黒の服を着た子がテムだよ。」
ミカ「タクス様の使用人でミカって言います。よろしくネェ。」
テム「タクス様の使用人でテムと言います。宜しくお願いします。」と2人の自己紹介が終る。
レイラ「あなた達には、悪いけどお兄ちゃんの使用人を辞めてもらっても良いかしら。」と急に言い出した。
タクス「レイラちゃん。どうして、そんなこと言うの。」
レイラ「だって、大好きなお兄ちゃんと毎日この2人が一緒に居るのがイヤなの。」
2人「レイラさん。そんな事を言われましても、タクス様のお世話を頼まれたので。」
レイラ「お兄ちゃんには、私が居るからあなた達は要らないの。」
2人「それは、駄目。(駄目です。)」と2人、同時に言った
レイラ「どうして、駄目なの。」と2人に言った。
2人「どうしよう(どうしましょう)このままだと、タクスと(タクス様と)離れる事になる。(離れてしまいますし)それに、タクスが(それに、タクス様が)『戦慄の魔剣士』だって事がバレちゃうよ~~。(『戦慄の魔剣士』って事がバレってしまいます。)」と2人は同じ事を思っているとエレナがレイラにこう言った。
エレナ「ねぇ!レイラ。2人が言っている事が正しいかどうかシェリルさんに今から電話を掛けて聞いてみたら。」
レイラ「そうだね。ママとパパが本当に雇ったのか電話を掛けてみれば本当か分かる。」と言うと、ポケットから携帯電話を取り出すと家に電話をし始めた。
自宅・電話
『プルルルルル。プルルルルッ。ガチャ。』
シェリル「はい。もしもし、フォスコードです。」
レイラ「ママ。お兄ちゃんの事で聞きたい事があるんだけど。」
シェリル「なぁに、レイラ。タクス君の何が聞きたいの。」
レイラ「それは、お兄ちゃんの部屋に居るんだけど。そこに、お兄ちゃんの使用人って言う女の子2人がママとパパが学園に行くのにお兄ちゃんの世話をして貰う為に使用人として雇ったって言うのはホントなの?」
シェリル「タクス君に使用人を雇ったのは本当よ。」
レイラ「どうして、私が居るのにお兄ちゃんに使用人を雇ったの!」
シェリル「それは、タクス君が戦慄……。(危ない『戦慄の魔剣士』って事は、伏せなきゃいけなかったわねぇ。)」と言葉に詰まった。
レイラ「お兄ちゃんがどうしたの?」
シェリル「タクス君が料理しか出来ないって言うから最初は、使用人の人は1人で良いと思ったんだけどそれだと、タクス君が学園に行っている間は1人寂しくタクス君が帰って来るのが可哀想だったからって、もう一人雇ったの。」
レイラ「じゃあ、お兄ちゃんのお世話を私がするから2人を辞めさせて。」
シェリル「それは出来ないわ。」
レイラ「どうして、出来ないの。」
シェリル「レイラ。アナタも自分の学園生活も在るのにタクス君のお世話も出来ると想う。」とレイラに聞く。
レイラ「それは………………。」と黙ってしまった。
シェリル「お兄ちゃんが好きなのは分かっているから今回の使用人の事は解って。」と言う。
レイラ「うん。」
シェリル「レイラ。今度、お兄ちゃんに頼んで買い物か何かに連れて行ってもらいなさい。きっと、連れて行ってくれるから。」
レイラ「分かった。ママ。」と言うと電話は切れた。
話は戻って俺の部屋。
レイラ「分かった。ママ。」と言うと電話を切った。
エレナ「それで、小母さんは何て言っていたの。」とレイラに聞く。
レイラ「ママは、辞めさせられないって。そして、本当は1人雇う予定だったんだけどお兄ちゃんが学園に行っている時が1人だから寂しくない様にもう1人雇ったんだって言っていた。あと、辞めさせられないからママが私と一緒に買い物か何かに連れて行ってあげなさいって言っていたよ。」と俺に言う。
タクス「(シェリルさん。僕が優しいのを知っているでしょう。)うん、良いよ。今度の休みにでも、行こうか。」とシェリルさんに心の中で思いながらレイラに言う。
レイラ「お兄ちゃん。本当に連れて行ってよ。」
タクス「ウン。」と約束する。
エレナ「レイラ。それで、私達はタクス君の部屋の荷物を片付けに来たのに片付ける事が無いなら、私は部屋に帰って良い。」
レイラ「エッ。帰っちゃうの。」
エレナ「エェ。手伝う事が無いなら自分の部屋に戻って、ある人に会えるかどうか分からないけどギルドに行きたいの。」と言う。
レイラ「ある人って有名な『戦慄の魔剣士』さんでしょう。」
エレナ「どうして、分かったの。」
レイラ「分かるよ。だって、さっきもキリュウ君と話していた時のエレナ。嬉しそうな顔していたからもしかしてと想った。」
エレナ「レイラには、かなわないわ。」
タクス「(その『戦慄の魔剣士』が目の前に居るなんて思わないよな。)」と思いながら2人の事を見ている。
キリュウ「俺もついて行ってもいいか?」とエレナに聞く。
エレナ「キリュウ君も『戦慄の魔剣士』様に会いたいの。」
キリュウ「あぁ!俺もあの人を生で感じてみたい。」
エレナ「着いて来ても良いわよ。その代わり、私の邪魔はしないでね。」と2人の話を聞いていた俺。
タクス「2人とも『戦慄の魔剣士』には、会えないと思うな。」
2人「どうして。(どうしてだ。)」と俺に2人揃って聞いて来た。
レイラ「お兄ちゃん。どうして、そう思うの。」とレイラも聞きに来た。
タクス「さっき、2人が『戦慄の魔剣士』って言う人に会いたいって言っていたのを聞いて思い出したんだ。僕も、1度だけだけど合った事があるって。」と言う。
エレナ「その事と会えない事が分かるの。」
タクス「その時、僕はギルドでEランクのはぐれたリビウルフの退治をして帰る時にSSランクのレッドギガントトロールに襲われて、逃げている時に助けて貰った。その時にお礼がしたいと思って今度、いつ会えますかって聞いたんだ。そしたら、俺の任務は、その日によって変わるし、それに今はギルドマスターの任務をしているからこの場所でまた会えるか分からないって言っていたよ。」と3人に伝えた。
キリュウ「何で、タクス君に教えたんだ?」
タクス「それは、僕が弱いからもう会う事がないと思って言ったんじゃないかな。」
エレナ「それでも、任務の事を教えるなんておかしいわ。」と俺の答えを疑う。
タクス「たぶん、うっかり僕に教えたんだ。だってその後、直ぐに姿を消したから。」と言う。
エレナ「そう。それが本当なら今日は行くのを止めて。明日、お祖父ちゃんに聞いてみよう。」と納得してくれた。
レイラ「その時に、『戦慄の魔剣士』さんが来てくれなかったらお兄ちゃんは死んでいたかも知れないの。」と訊いて来た。
タクス「そうだね。たぶん。」
レイラ「良かった。もしお兄ちゃんが死んじゃったら。」と悲しそうな顔をする。
タクス「レイラちゃん。大丈夫、こう見えて悪運は強いから。」とレイラの頭を撫でながら言う。
エレナ「今日は、ギルドには行かないからどうしよう。」と考えている。すると、『グゥ~~。』とお腹が鳴る音がして俺の所に空腹に我慢できなくなったミカとテムの2人がやって来た。
2人「タクス様。お腹が空きました。」
タクス「ゴメン。2人を紹介したら作ってやろうと思っていたんだけど忘れていた。」
2人「もう我慢できない。(もう我慢できません。)作って下さい。」
タクス「分かった。ちょうど、僕もお腹が空いたから作るよ。」と言うとキッチンに向かおうと扉を開けて部屋から出て行こうとする。
テム「あの~っ。タクス様。」とタクスを呼び止める。
タクス「どうしたの。テム。」
テム「レイラさん達もいらっしゃいますから、レイラさん達のご飯も作って上げてくれませんか。」
タクス「良いけど。」
キリュウ「俺達のも作ってくれるのか。」
タクス「ウン。作るよ。3人もお腹空いているでしょう。」
レイラ「お腹空いてる。お兄ちゃんの手料理食べてみたい。」
エレナ「そんなに料理が得意って言うなら食べて上げるわ。」
タクス「分かった。それじゃ、待っていて。」
5人「待っている。(待っています。)(楽しみにしています。)(美味いのを作ってくれよ。(作ってよ。)」と5人の声を聞きながらキッチンへ向かう。
キッチンに着き、何を作るか考える。
タクス「(う~ん。何にするかな。まず、シーフードリゾットにサラダ、鳥の唐揚げ、スープはニンジンとトマトを使って、デザートにフルーツの盛り合わせで良いか。)」と考え終わると調理を始める。
俺が調理をしている頃、リビングでは、各自で色んな話しをしていた。その中でレイラが隣の部屋に続く扉を開けようとする。
ミカ「レイラさん。何をしているのですか。その部屋は、タクス様の部屋ですから入らないで下さい。」とタクスの部屋に入ろうとするレイラに気づき近づき言う。
レイラ「どうして、お兄ちゃんの部屋なのに、妹の私が入ったらいけないの?」と声を張り詰めて言う。その声に気づいたテムが来た。
テム「どうかしたのですか。レイラさん。」
レイラ「この部屋に入ろうとしたら、ミカさんがこの部屋はお兄ちゃんの部屋なのに入ったら駄目って言うんです。」
テム「ミカ。タクス様の妹さんにそんな事を言ったの。」
ミカ「だって、タクス様の部屋に入ろうとしたんだよ。」
テム「ミカ。こっちに来て。」とミカを呼ぶ。そして、小声で話し始めた。
テム「ミカ!私達、今は使用人でしょう。」
ミカ「でも、テム。私達はタクスの使い魔でタクスの事が好きでしょう。」
テム「それは、私も好きですよ。でも、今は使用人ですからタクス様の妹さんに部屋に入るなとは言えないの。」
ミカ「それなら、私達もレイラさんと同じでタクスの事が好きて話せばいいのよ。」
テム「それで、大丈夫ですかね。」
ミカ「たぶん、大丈夫よ。」と言うと2人は、レイラの方を向いた。
2人「レイラさん。やっぱり、タクス様の部屋には入らないで下さい。」
レイラ「どうして、テムさんもお兄ちゃんの部屋に入ったら駄目って言うんですか。」
2人「私達もレイラさんと一緒でタクス様の事が好きだからです。」とレイラに言う。
レイラ「テムさんもミカさんもお兄ちゃんの事が好きなんですか。」と目を見開き聞いて来た。
2人「雇われて会った時に笑顔を見て好きになりました。(一目惚れです。)」
レイラ「それで、どうしてお兄ちゃんの部屋に入ったらいけないの。」ともう一度、声を張り聞いてみるレイラ。
『戦慄の魔剣士』の話しをテーブルの椅子に座り話して居た2人は、その声を聞いて話を止めてレイラの所にやって来た。
2人「どうしたの、レイラ(ちゃん)。」
レイラ「エレナちゃん。キリュウ君。テムさんとミカさんがお兄ちゃんの部屋に入ったらダメって言うんだよ。」
エレナ「分かったわ。私も話を聞いてあげるから。」
レイラ「ありがとう。エレナちゃん。」
エレナ「どうしてレイラがお兄さんであるタクス君の部屋に入ったら駄目なのですか。」とテムとミカの2人に訊ねる。
2人「それは、私達がレイラさんと同じでタクス様の事が好きだからです。」とエレナに答える。
エレナ「それでも、妹であるレイラを中に入れないのは、おかしいわぁ。」
キリュウ「それなら、タクスに聞いてみれば良いじゃないか。」と言うとタイミングよく俺が料理を持って戻った。
タクス「出来たから温かいうちに食べよう。」と持って来た料理をテーブルに並べる。
レイラ「お兄ちゃん。ミカさんとテムさんがお兄ちゃんの部屋に入ったらダメって言うけど。入っても良いよねぇお兄ちゃん。」とやって来て聞いて来た。
タクス「ミカとテムが、そんな事を言ったのか。約束出来るかな?食事が終わってから部屋に入るってレイラちゃん。」と訊く。
レイラ「ウン♪約束する。」と答えてエレナ達の所へ戻って行った。
それを聞いたミカとテムが俺の所に料理を並べるのを手伝う為にやって来た。
2人「タクス様。部屋に入れても大丈夫なのですか。」と手伝いながら俺にしか聞こえないように小声で訊ねてきた。
タクス「レイラちゃんに部屋に入ったらいけないと言ったのは俺の正体がバレないようにしてくれたんだろ。ありがとう。でも、大丈夫。ローブも剣も見つからないようにしたから。」と2人にしか聞こえないように小声で答えた。
2人「タクス(様)が、そう言うなら。」と納得して料理を並べる。
レイラ「お兄ちゃん。並べるのを手伝う。」と手伝いに来た。
タクス「手伝ってくれるのは嬉しいけど、もう終わるから大丈夫だよ♪だから、席に着いて良いよ」と伝えた。
レイラ「うん。分かった。」と言うと近くで話しているエレナとキリュウの2人に伝えに行く。そして、2人に伝え終わると3人で俺達が料理を並べているテーブルに着くと俺達が料理を並べ終わり席に俺達が席に着くのを待っている。
テーブルに料理を並べ終えると俺達3人はエレナの反対側にテムが座り、テムの隣に俺。その隣にミカが座る。そして、俺の正面にレイラ座り、ミカの反対側にキリュウが座っている。
タクス「それじゃあ、食べようか。」と言う。
レイラ「うん。食べよう。」
キリュウ「食べようぜ。」
タクス「じゃ、いただきます。」と俺が言う。
全員「いただきます。」と言うと料理を食べ始める。
キリュウ「なぁ、この料理って全部タクスが作ったのか。」と俺に聞いてきた。
タクス「そうだけど、どうかしたの。」
キリュウ「もの凄く美味いな。」とレイラちゃんに聞いている。
レイラ「美味しいね。エレナちゃん。」
エレナ「そうねぇ。美味しいわぁ。」と答える。
タクス「良かった。」と言う。
俺が作った夕ご飯の料理を食べ終わると俺に挨拶をしてエレナとキリュウは、自分の部屋に戻って行き。レイラは、テムとミカの2人と紅茶を飲みながら俺が片付けを終えって戻って来るのを待っている。そして、俺が後片付けを終えて戻ると約束通りにレイラに俺の部屋の中を見せて、その後にレイラちゃんを部屋まで送ってから一度寮の外に出て学園の敷地を見て回った後に自分の部屋に戻って隠していた天使の翼と悪魔の翼の模様が付いた黒いローブと黒剣の斬魔を取り出しその二つをテムとミカが使っている部屋に持って行く。
テムとミカの部屋の前
『コン。コン。コン。コン。』と2人の部屋のドアをノックする。
ノックをすると部屋の中からテムが返事をした。
テム「少しだけ待っていてください。」と言うのを聞く。
タクス「急いでないから慌てるな。」とドアの前から言うと少しして部屋のドアが開きネグリジェ姿のテムが出てきた。
テム「タクス様!どうかしましたか。」と聞いてきた。
タクス「この二つを任務がない時は2人の部屋で預かってくれないか。」と天使の翼と悪魔の翼の模様が付いた黒いローブと斬魔を手渡す。
テム「この二つを預かれば良いんですね。」
タクス「任務の時は、言うからその時は取りに来るからミカにも伝えてくれ。」とベッドの上で寝ているミカの姿を見て言う。
テム「はい。分かりました。ミカちゃんにも明日の朝に伝えておきます。」
タクス「それじゃあ、お休み。」と伝えてテムの頭を撫でて自分の部屋に戻った。そして、俺は着替えを取って風呂に行き風呂に入った。風呂から上がると着替えに着替えて部屋に戻り眠りについた。