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27話:議員を追い詰める

 議員という生き物は、足が遅い。


 身体の話じゃない。

 判断の話だ。


 裏で何かが起きていると気づくのは早い。

 だが、それが自分に向かって来ていると認めるのが遅い。


 俺はその遅さを、何度も見てきた。


 港の小役人。

 税を抜いていた監査官。

 商会と結託していた倉庫管理者。


 皆、同じ顔をする。

 「まさか、自分が」と。


 今回も同じだ。


 ただし――

 相手は、少しだけ偉い。



 最初に動かしたのは、噂だ。


 酒場でも、裏市場でもない。

 議会に出入りする人間の耳だ。


 清掃係。

 書記官の補佐。

 届け物を運ぶ使い。


 誰もが知っているが、

 誰も重要だと思っていない連中。


 彼らは、議員がどんな顔で帰るかを知っている。

 どんな日に、どんな名を口にしたかも。


 俺は、仲介人の使いを通して、いくつかの“断片”を流した。


 ――灰色商会が焦っている。

 ――帝国の使者が動いている。

――港の混乱は、もう裏では済まない。


 名前は出さない。

 だが、議員本人なら分かる程度には、輪郭を残す。



 二日後。


 俺は、王都の外れにある、小さな私邸の前にいた。


 門構えは質素。

 だが、警備は多い。


 ここが“答え”だ。


 正面からは行かない。

 用事もない。


 裏手の塀沿いに回り、

 護衛の交代時間だけを確認する。


 ――来る。


 そう確信した。


 夜半、俺は近くの路地で待った。


 雨が降り始め、通りは静かになる。

 足音が近づく。


「……何者だ」


 声が震えている。


 若い護衛だ。

 剣は抜いていない。

 抜けない理由がある。


「静かに」


 俺は、姿を見せた。


「命を奪いに来たわけじゃない」


「……なら、なぜここに」


「伝言だ」


 護衛は唾を飲み込んだ。


「誰から」


「“港の狂犬”から」


 その名を聞いた瞬間、肩が跳ねた。


 噂は、もうここまで来ている。


「議員に伝えろ」


 俺は一歩近づく。


「灰色商会の帳簿は、もう裏では守れない」


「……!」


「帝国の使者の動きも、外務局は把握している」


 護衛の顔色が変わる。


「選択肢は三つある」


 指を一本ずつ立てた。


「一つ。何もせず、切り捨てられる」

「二つ。灰色商会と心中する」

「三つ。先に切る」


「……誰を」


「誰を切るかは、議員が一番よく知っている」


 護衛は、しばらく黙っていた。


「……あなたは、脅しているのか」


 俺は首を振る。


「助言だ」


 その違いが分からないなら、

 ここに立っている意味もない。



 翌日。


 評議会の周辺が、妙に静かになった。


 人の動きが減り、

 視線が合わなくなる。


 逃げ道を探している。


 俺は、遠くからそれを見ていた。


 議員本人とは、まだ会わない。

 会う必要がない。


 追い詰めるのは、周囲からだ。


 灰色商会に繋がる補佐官が一人、職を辞した。

 理由は「体調不良」。


 商会に近い学匠ギルドの研究費が、一時凍結された。

 理由は「精査」。


 帝国の使者が、予定より早く帰国した。

 理由は「外交日程の都合」。


 理由は、いつも無難だ。


 だが、積み重なると意味になる。



 夜、港に戻る。


 仲介人が、珍しく自分から声をかけてきた。


「……やり過ぎだぞ」


「どこが」


「もう裏の話じゃない」


「最初からだ」


 仲介人は、しばらく俺を見ていた。


「議員を殺す気か」


「殺さない」


 即答した。


「殺す必要がない」


「……追い詰めるだけか」


「逃げ道を塞ぐ」


 仲介人は、苦く笑った。


「本当に、嫌なやり方を覚えたな」


「仕事だ」


「港の剣は、いつから政治屋になった」


「なってない」


 俺は歩き出す。


「俺は、噛む場所を変えただけだ」



 部屋に戻り、傷を手当てする。


 刃傷より、疲れの方が重い。


 エリスの顔が、また浮かんだ。


 今頃、研究資料と向き合っているだろう。

 この裏で何が起きているか、知らずに。


 ――知れば、怒るか。

 それとも、黙って横に立つか。


 何にせよ、知らないままで終わらせる。


 議員は、もう動けない。

 だが、まだ落ちていない。


 次は――

 表で裁く段階だ。


 ヴァロス卿の名が、頭をよぎる。


 政治は、俺の得意分野じゃない。

 だが、牙を見せる役目なら、果たせる。


 狂犬は、議場に立たない。

 だが、議場の外で吠える。


 それで十分だ。


 俺は灯りを消し、

 次の一手を考え始めた。


 ――ここからが、本番だ。

チャッピーの凄さ

!圧をかけて行く、程度の指示で、かつ、話の流れも提示していないのに、この話全文を生成する。この話は調整をせず。自分の手で変更した部分もなしでコピー&ペーストで終わる。

!指示→生成→コピペの所要時間 < 後書きを考える時間+打ち込み所要時間

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