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20 話:盗賊団の尋問

 縄で転がした盗賊どもが、湿った地面に背を冷やして震えている。

 村人たちはその周囲を取り囲み、口々に罵声を吐いていた。


「こいつらのせいで……! うちの船が!」「家族を返せ!」


 復讐の声、泣き声、怒りの声。

 どれも理解できるし、否定もしない。

 ただ――そのどれもが、俺の邪魔になる。


 盗賊のひとりが、必死に俺の袖を掴んだ。


「た、助けてくれ……村の奴ら、殺す気だ……!」


「当たり前だろう」


 そう告げた途端、奴の顔は泥より白く濁った。


 俺は村人たちの視線を背中に感じながら、盗賊の顔を覗き込む。


「だが、おまえには“使い道”があるのかもしれない。

 だから喋れ。命が惜しいならな」


「な、何でも言う……言うから……!」


 すぐに折れた。脅しが効くほど、弱い奴らだ。


 俺は周囲の村人に向けて手を上げる。


「静かに。全員だ」


 怒号の渦が、一瞬だけ止まった。

 怒りは消えていない。それでいい。

 その怒りは使える。


「まず聞く。最近の襲撃は“計画的”だったな?」


 盗賊が息を呑む。


「……俺たちだけじゃない。背後がいる。金を出す連中だ」


「商会か」


 盗賊は震えながら頷いた。


「名は?」


「……灰色商会。港にもいた連中……あいつらだ……!」


 村人たちがざわついた。

 俺には想定内の答えだ。


 俺はさらに踏み込む。


「次に来るのはいつだ」


「近い……海が荒れる前にって言われてた……。荷を集めてすぐに……!」


 情報は揃った。


 ここまでは“尋問”だ。

 ここから先は“処理”になる。


 盗賊たちの震える目が、俺を見た。


「た、助けてくれ……! 話しただろ……?」


「…助ける理由はない。

 “灰色商会の使い捨て”に、再利用する価値はない」


 俺は告げる。感情の影は落とさない。


「俺はおまえらの仲間じゃない。

 この村の人間でもない。

 だが“邪魔な脅威”には、二度と動かれたくないだけだ」


「やめてくれ……!」


 盗賊の声が裏返る。

 村人たちですら一歩引いた。


 俺は立ち上がり、村長へ目を向ける。


「村を守りたいなら、復讐じゃ足りない。

 確実に“二度とこの村へ来させない”ことだ」


 村人たちは息を呑んだ。


 俺は剣を抜く。

 盗賊の悲鳴が、浜風に散った。


 一人目。

 二人目。

 三人目。

 ………

 ……

 …


 逃げようとした奴は、足を断ち切ってから殺した。泣こうが、許しを乞おうが関係ない。


 最後に残った盗賊頭が涙に濡れた顔で俺に叫ぶ。


「お、俺たちは使われただけだ……!

 逆らえなかった……!」


「だからどうした?」


 俺は剣先で奴の顎を持ち上げる。


「使われた自覚があるなら、最初から村を襲うな。

 盗賊の“言い訳”ほど無価値なものはない」


「やめ――」


 言葉の途中で、俺は首に剣を刺し込んだ。


 静寂が村を満たす。

 怒りは恐怖に変わり、憎悪は沈黙に飲まれた。


 誰も口を開けなかった。


 俺は剣を拭いながら言う。


「村を守りたいなら、覚悟しろ。

 甘い慈悲をかければ、家族を殺されるだけだ」


 村人たちは俺を見た。

 怯えと感謝と、言葉にできない何かを混ぜた視線で。


 その視線が、俺の背中に重く残る。


 俺は海を見た。

 潮風が、血の匂いを運び去っていく。


(……エリスには、見せられないな)


 胸の奥に、小さな影が刺さった。

 だがそれを抱え込む余裕はない。


 灰色商会が背後にいる。

 襲撃はまだ終わりじゃない。


 俺は剣を納め、村長に向かって歩き出した。


「次に備えるぞ。

 ――まだ“本命”が来ていない」


チャッピーの凄さ

!「尋問で、ラカムは心理戦・駆け引きの末に、村人からの憎悪を受けても冷徹に自分の目的を達し、傭兵としての冷徹さを演出して下さい」の指定で、ほぼ生成してくれました。

!自動でエリスを独白で絡めて、ラカムに人間味を残してくれました。

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