戦闘
声のする方に向って、全力で走ったらすぐ到着した。
既に乱戦模様だ。
少女たちがオッサンたちに襲われている。
よく見ると園児の学芸会かと思うくらいのレベルの戦闘だ。
チャンバラか?
まさか学芸会の練習かと目を疑ったが、本気でオッサンが少女を襲っている。
何故こんな森の中に大勢がやって来たのだろう。
少女たちは綺麗な細身の剣で必死に戦っている。
彼女たちの身なりは何処かの国の騎士様かと思うくらい立派だ。
上着は真紅の生地に金糸が映える。
上品な服装で、カッコいいと一瞬思ったが
・・・何故に白のミニスカ?結構みえてるぞ・・
それじゃまともに戦えないだろ!
それに引き換えオッサンはまさにアニメでよく見るような盗賊衣装。
おまけに下品な声を響かせている。
「首領、どうせ殺すんだ。その前に遊んでもいいよな!」
「弄んだあと殺してもいいんですかい?」
「もったいね~、弄んだあと奴隷として売り飛ばそうぜ」
「どうでもいいが、女どもをサッサと捕まえろ。それから遊んでやれ。
できねぇようなら殺してしまえ。」
俺はカッとなった。ぶっ殺す!
盗賊が少女の衣服を剥ぎ取り襲っている。
念の為に帯剣していたが剣は使わない。
乱戦密集状態の中、長剣を振り回せば少女に当たる可能性がある。
先の少女の所に瞬時に移動し盗賊を倒す。
殺してやろうとも思ったが、盗賊の腕や関節を主に殴り骨を砕いてやった。
クソオヤジが何てことしてやがる、と思いながら戦った。
盗賊たちの年齢層は結構幅があるようだ。
見た目だけだが20代半ばから40台半ばくらいだろうか。
大人が子供を襲うって、一体どうなっているんだ、この世界・・
とか思ってしまう。
お前ら大人だろ?
子供たちを正しい方向に導いてこそ大人って言うんじゃないのか
などと倫理・道徳的な事ばかり考えてしまう。
前世ではあまり思わなかったことだ。
というか、こんな状況に出くわしたことが無い。
こんな幼気な少女を襲うようなのは碌なヤツではない。
腐った根性の持ち主だ、
元の世界とこの世界も同じ倫理観でいいよね・・・・たぶん。
少女たちを助けていると、俺の存在に気付いた盗賊たちが
一斉に声を荒げ俺に襲い掛かる。
気付くのが遅いんだよ!
ほぼ全て返り討ちだ。
魔物と比べ動きが遅すぎるし緩慢だし、戦闘技術もなにもない。
力任せに暴れている感じだが、その力もたかが知れている。
よくもまあこんな技量で盗賊なんてよくできるものだ。
人数を集めて数の力に物を言わせてやっている感じだな。
まともな職について、まじめに働け!・・・と言いたい。
盗賊たちの人数は30人前後で、そのうち9人は骨を砕かれ呻いている。
一応、少女たちの服を剥いでいた奴らの全員の骨は砕いてやった。
残りは投げ飛ばしただけだが、そでも動けずにいる。
また向って来るようなら何所となり骨を砕く。
この程度の相手なら骨を砕いておけば、戦いを続けようとは滅多に思わない。
多分引くだろうと思っていたら、首領らしき男が引き上げの声を発し、蠢いている仲間を引き連れ退却していった。
ここに俺の初めての対人戦闘は終了した。
盗賊のやつら全員去勢してやれば良かった。
今後の事もあるので、念の為にハチに簡単に去勢できる方法はないかと確認した。
『ありますよ。潰せばいいんです。』
後悔先に立たず!!