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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
バーレン
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心配

猫人族の動きは変らず遅い。

そのお陰でこちらも慌てることも無く迎え撃つ準備が整った。

来るなら何時でも掛かって来いと言わんばかりに騎士団

特に大福たちが血気盛んである。

士気が上がることは悪い事ではないかもしれないが

血の気が多いのも困りものだ。

正直、少女たちが戦闘に臨み意気揚々とする光景は

目にしたくはないものだと思ったのは秘密だ。

まあ戦いに怯え嘆く様を見るよりは頼もしく思えるのも事実だ。

彼女たちには感謝しよう。

・・・全てが片付いた後が怖いと思ったのも秘密だ。



準備も滞りなく終わりあとは猫人族の軍勢を迎え撃つだけだが

猫人族の進行速度から推測するにまだ到着まで数日を要するだろう。

その間、メネスやプトレ地方の様子も気になる。


「一度、メネスとプトレに出向いてみるか・・」


思わず呟いた一言にアストレアが反応した。


「両方面とも然程、気になされることは無いかと」


「いや、両方とも開戦してるかもしれないし」


「共に十分備えが出来ているかと思います。

 メネスではイゲンダー卿の御子息が全軍の指揮を執ると思われますし

我が愚兄もおりますれば問題は御座いません。

またプトレにはアグラット様が

いらっしゃいますのでご安心頂いて良いのではないかと」


確かにイゲンダー卿の息子のシリアスは思った以上に

戦上手で大軍の指揮を執るのに適している。

それに戦に関しては頭も切れる・・・悔しいが俺より・・


まあメネスは彼女の言う通り問題はないだろう。

しかし問題はプトレというよりアグラットだ。


「メネスは問題が無いかもしれないが・・・

 プトレ・・と言うよりアグラットが心配なんだよね」


彼女がプトレへ向かった理由が理由だけに心配になる。

アグラットは猫人族の件を力尽くで解決しようと考えている。

アザリアは無論、メネスにプトレの兵を招集し

大軍勢を引き連れ猫人族を屈服させるつもりだ。

戦いに関しては俺を含め奥様たちの誰よりも適している。

いや適しているというより積極的だ。

好戦的な性格の様には思えないのだが・・

いざ戦いとなると陣頭に立ちたがる節も見受けられる。


「アグラット様は向かうところ敵無し、と言っても過言では無いお方。

 心配には及ばないかと存じますが」


う~ん・・・俺の心配を理解してもらえない様で残念だ。


「無敵のアグラットが戦ったら相手どうなるかな?」


俺の言葉を聞いてアストレアの顔は一瞬にして硬直し血の気が引く。

顔面蒼白とは正にこの事だろう。


「そ・・そこまでは考えが至らず・・・」


彼女の声は小刻みに震え又深刻そうに項垂れるがそれも一瞬の事だ。

毅然とした態度に改め思い返したように答える。


「しかし、今はもう以前のアグラット様では御座いません。

 旦那様の意を汲んだ行動をなされると信じております

 断じて酷悪な行動を選択なさることはありません」


確かに噂ほど凶悪な女性ではないことは俺自身がよく知っている。

それは平時における彼女だからとでも言えることだ。

普段の彼女の様子から狂乱の魔女と呼ばれていた事など

誰が想像できようかと思うのは俺の贔屓目かもしれない。

しかしアグラットがメネス帝国で起こした事件を知る者にとって

彼女は恐怖の象徴と言える。

彼女の逆鱗に触れたが最後、大量殺戮の始まりだ。

視界に入る全てを焼き尽くしたと聞く。

恐らく理性を失った状態だったのだろう。

そこまで彼女を追い込んだエルフも良くないとは思うが・・


「・・心配だけどね~」


相手の心配もそうだが彼女が怒りに任せ敵を蹂躙した後の

彼女に対する世間の評価も気になる。

彼女は基本的に周囲に気を配る事の出来る優しい女性だ。

礼儀も俺以上に弁え決して他者を傷付けるような行動を好まない。

俺はその様な彼女の悪評など聞くに堪えない。

彼女は俺の妻なのだ。


「アグラット様を信用あそばされ大丈夫です。

 あの方は知略にも優れたお方、必ずや良い様になされます」


アストレアはもっと妻に信を置くべきだという。

確かにその通りだ。

そう言われると反論の余地も無い。


「分かった、各方面は任せてみよう。

 俺は目の前の事に集中することにする」


何もかも自分がやろうとするのは時により最悪の結果を産むこともある。

俺の今やるべきことはこの地を確実に守る事だ。

自分の大切とする者は全部守る。

その力がある限りその力を思う存分使おうと思ったのは秘密だ。



斥候より猫人族がこの地に到来した報告が入った。

数日も待たず猫人族がこの地に現れたのは正直驚いた。

遅々として動きが鈍かったはずだ。

何処で進行速度を上げたのか不明であるがこの際だ。

可及的速やかに決着をつける。






ようこそ、最高な歓迎会を開いてやる!!!



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