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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
バーレン
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痛惜

アザリア領内ではヨコドリー伯爵による独裁が行われている。

領民にとって良い意味での独裁ならば問題はないかもしれない。

しかし私利私欲に塗れた者による独裁であるなら

領民たちの末路も哀れな結果になる。

ヨコドリーの取り巻き連中もそのうち粛清の対象になり兼ねない。

それらを理解して彼に全権を任せたのか疑問の余地も残る。

しかし単純に自己の思考を放棄し

他者に任せた者の愚かな決断の結果は自分に跳ね返る。


選択を他者に任せ自己思考を放棄した者に

幸せは訪れるだろうか?

運を天に任せ思考を取り止めたのかもしれない。

運が悪かったと諦めるかもしれない。

果たしてそれで良いのだろうか。

俺が人の事をどうこう言える立場にない。

また他人を幸福に導こうとしていた訳でもない。

ある意味伯爵と五十歩百歩、ドングリの背比べだ。



今回の出来事をよく考えてみると全ての責任はやはり俺にある。

領民に対しての責任を全うしていない。

途中で元首の座を放棄してしまった。

放棄したことに後悔は無いが

その後のアザリアに対しての対応を放棄したことに

今更だが痛惜の念を禁じ得ない。



領主は領民の生活を守る義務がる。

為政者は領民のための政治を行う義務がる。

その義務を履行することにより

領民の信頼を得、彼らは指示に従うのだ。

如何な善政を行おうと領民の理解を得られなければ

それを善政と言えないのだろう。

今回の事はその様な失態を演じてしまった結果と言える。

またヨコドリーの台頭を見過ごしたのも俺のミスだ。

反省すべきことばかりだ・・・

やはり俺は為政者に向いていない。



政治家失格の俺がやるべきことではないかもしれないが

俺のミスで領民が苦しんでいるとするならば

それを放置はできない。

俺が何か行うとまた失敗するかもしれないが

何もしないより良いだろう。

出来るだけ思い付く限りの事はやらなければ・・

為政者としての責任はしっかり取るべきだ。

失敗から逃げて「はい終わり」とはしたくはない。


逃げること自体悪くはないかもしれないが

逃げっぱなしで何もしない卑怯者の様な真似はしたくはない。


一旦退いて態勢を整え出来る限りの事をやろう。

所詮、俺はその程度しか出来ないのだから・・・

勇者的行動力、英雄的思考力・・・

そんなの持ってねえんだよ!!!

あ! エロ的思考力はあるかも・・意味ないけど。

スケベ的行動力・・そんなの無いに限る、性犯罪だ!



今は先にやるべきことがある。

俺を慕ってくれる者たちの安全の確保だ。


「私たちは大丈夫です!

 ノーヴ様の自宅には奴ら手出し出来ませんし。

 それにバルバロスさんたちを

どうこうしようと言う者もいませんよ。

戦闘民族の様な人たちですからねぇ~」


彼女たちは気丈に振舞うが内心は心細いに違いない。


「たまに様子を見に来るけど、何かあったら直ぐ連絡してね」


「はぁ~い、でもたまにじゃなく

毎日来てもらえると嬉しいです!」


流石に毎日様子を見に来ることは出来ない。

しかし出来るだけ早く迎えに来ると約束した。

約束を果たす為にも新しい移住先を見つける必要がある。

ハチからの連絡はまだ無いが報告次第で

直ぐに出発できるように準備はしておきたいものだ。



ブラウとアストレアに居残り三人組を

迎えに行ってもらったがまだ来ない。

時間が掛かり過ぎている様にも思えたので

俺も迎えに行くことにした。


迎えに行くとそこでは説教と言う名の演説が繰り広げられていた。

何故かと言うと、彼女たちの暮らす部屋が余りにも汚い。

汚れているのもそうだが、なにより整理されていないのだ。


「あれだけ言っておいたのに何という様ですか!!!」


ブチ切れアストレアに、横で怒号を放つブラウ・・・


「今度と言う今度は、許しません!!!」


彼女たちの前に机があったら叩いてそうな力を込めた演説だ。

あれを演説と言って良いのか疑問も残るが・・そう思うことにした。


しかしアストレアの説教は少し常軌を逸している様に見える。

一応心配になりブラウに尋ねてみた。


「彼女たち反省の色が全く見えないのです」


確かに言葉では謝罪を繰り返し述べている。

しかし態度は・・良くはないな、あれじゃ怒るわ。


まるでクレームを述べる客に対し

言葉だけ謝って態度で無視する従業員と言う感じだ。

あの三人、モンスタークレーマーの対応に

適しているかもと思ったのは秘密だ。


アストレアの様子を見ると

どっかの店で激昂しているオバちゃんって感じだ。

段々と声がでかくなり

最後には物に当たり散ら怒号を上げるオバちゃんを想像してしまう。

血圧大丈夫かと声を掛けたくなったのは秘密だ。


「一体、どうした、何があったの?」


見れば分かるがアストレアを落ち着かせるために状況を説明させた。


「なるほどね、ケイの言いつけを守ってないわけね。

 じゃあ、守らせなかったケイも悪いよね・・・

 アストレア、この事をケイにも報告してもらって良いかな?

 そしてケイからこの三人に注意してもらうからさ」


それまで太々しい態度を取っていた三人組も

ケイの名を出した途端、態度を急変させ挺身低頭、平謝りに謝った。

・・最初からちゃんと謝れよと思ったのは秘密だ。


しかし三人がケイをそこまで恐れる理由が分からない。

奥様たちの中でも優しい方だとは思うのだが謎である。





世の中には謎が犇めいている!!


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