教育
貴族改革から行政改革へと繋がり
省庁再編成を行う事なり
新たな人員募集から研修制度の成立までたどり着いた。
改革を成功へと導くのはそれに伴う人材次第だと
言っても良いかもしれない。
いくら改革を行ってもそこで働く者の意識が
変わらないと改革は意味を成さない。
実際にアザリアの行政府で働く官吏の人数も
圧倒的に不足している。
殆ど騎士団から派遣しているのが現状だ。
アザリア騎士団とは便利屋で何でも屋であると人は言う。
稀に淫乱集団だと悪口を言う者もいるが極少数である。
騎士団のほとんどがサキュバスだが決して淫乱ではない。
サキュバスは淫靡なだけだ・・・あれ?
サキュバスはエロ好きなだけだ・・あれ?
サキュバスは男精が好きなだけだ・・あれ?
サキュバスは・・・あれ?
彼女たちは至って健全であり
何事にも真剣に取り組むのを好むのだ!
サキュバス祭り、然り!
夜のお勤めも然り!
種族批判をそのままに放置できないが一部の悪評も必ず消える。
それだけ彼女たちはアザリアの為に働き続けているのだ。
実際に彼女たちへの感謝を口にする領民は圧倒的に多い。
それを僻む者もいて批判的な評価を下しているだけだ。
そういう者こそ他者への感謝の気持ちを持つべき
批判される立場にあることに気付いて欲しい。
「アザリアの行政からの指導による年間行事も
取り決めた方が良いと思いますが」
ブラウから、祭りなどの予定を決めて欲しいと願い出があった。
「サキュバス主催となりますと騎士団主催と同義になりますので
この際行政が指導した方が風紀的に良いかと思います」
アストレアは風紀の乱れを懸念している様だ。
「でも、アザリア祭って事なら風紀面の心配はいらないよね?」
「いえ、サキュバスの本質的な問題の方の祭りの事です」
ああ・・確か私的に行うって事になって祭りの方だ。
この祭りには基本的にサキュバス以外は参加できない。
俺も参加するので奥様たちは別だ。
俺が参加しないという手もあるのだがそれ出来ない。
俺がサキュバスの主菜なのだ。
主役ではない・・あくまでも餌だから・・・
種族差別という批判を避ける為に
私的なホームパーティー形式で行う事になってたはずだ。
「多種族と言えども、やはりある程度の参加は
認めない訳には参りませんので」
「まあ、その点は・・皆で話し合って決めてね」
ストレアとイトラは風紀に厳しい。
アストレアが異常かと思えるほど厳しいのだが実際は違った様だ。
イトラが異常に厳しいのだ。
俺の前では何も言わないのだが、
俺のいない所ではかなり厳しく取り締まっているらしい。
確かに街の中で服装もミニスカを全く見ないし
華美な服装の女性も見当たらない。
質素倹約質実剛健を求めているのかと思うくらいだが
よく考えてみれば騎士団の制服が派手過ぎるだけだ。
それでも外では皆ズボン姿だ。
あれ? 親衛隊はミニスカだったような・・・
見逃しているのか?
・・・気にしないことにした。
「アストレアには教育に専念して欲しい。
それに多少無理があるかもしれないけど
孤児には徹底した英才教育を行って欲しいんだよね。
将来このアザリアを背取って立つ様に育てて欲しんだよ。
かと言って官吏に絶対なれって訳ではないんだけどね」
これは俺の贔屓だ。
贔屓の引き倒しになるかもしれない。
しかし恵まれない子供たちに
恵みの多い将来へ繋がる可能性を与えて何が悪い。
俺のエゴなのは分かっている・・・分かっているが・・
「分かました、必ずやその様に育てて見せます。
つきましては、特別クラスを設けたいと思いますが
そのクラスへの参加希望者がいた場合は
組み入れても構いませんか?」
一切構わない。
孤児と一緒に学びたいという者は大歓迎だ。
「孤児のクラスをエリート育成コースとして運営していきますし
授業について行けない者も一切出さないことをお約束致します」
奴隷制の名残だろうか。
この世界の孤児は奴隷だという認識が未だに強い。
それをアザリアでは必ず払拭する。
また子供たちに孤児であることに
引け目を感じさせない事も重要だ。
アストレアが責任を持って引き受けてくれたのは非常に有難い。
彼女の教育理念は素晴らしい。
万人が多様な可能性を秘め、
まだ個人の能力を完全に生かし切れていないという
概念の下に教育を行っているし
教育における平等性も信念として持ち合わせている。
彼女に任せておけばまず間違いが無い。
「教員育成機関の設立を要請しても宜しいでしょうか?」
「俺の承諾無しにアストレアの思う様にやって良いよ。
事後報告で構わないから。
何かあれば俺の方から頼むこともあるかもしれないから
その時は宜しく頼む。
アイラ、アストレアが望むだけ資金を出してやってくれ。
出し惜しみ無しでね。
もし資金が足りない様なら他を削っても優先させてね。
それでも足りない時は言ってくれれば何とかするから」
・・ハチに何とかして貰うと思ったのは秘密だ。
「分かりました、教育関係費を最優先にさせて頂きます。
不足する様でも問題ございません。
いざとなれば私の身に着けている下着を売れば
金貨200枚程度になりますので」
「絶対に売るな!!
みんなに言っておくけど、
自分の身に着けてる下着を売るの禁止だからね」
しかし金貨200枚とは恐れ入る。
元の世界の金額で言えば金貨一枚10万円程度だが・・・
ブラ一着1000万、パンツで1000万って・・
どういう了見で買うのか謎だ。
後に分かるのだが彼女の作る下着は非常にレアで
高位貴族の女性に大人気だ。
何と言っても他者が真似できないデザインが
人気の原因の様だが中にはアイラの下着を身に着ければ
自分もアイラの様なスタイルになれるという
妄信者もいるらしい。
男性も買いたがるらしいのだが・・
それって異常なの? あれ? それが尋常なの?
女性用下着の謎は深まるばかりだ。
妻の使用済み下着は俺が死守する!!!




