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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
アザリア大公国
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駄策

俺には危機回避能力が欠如している。

様々な危機を上手く回避するつもりなのだが、出来ない。

天空族と獣人族の問題は当人と会わなければ誰かが適当に(あしら)ってくれる。

これで問題はない・・・と思った俺は浅はかだ。

天空族の問題はまだ良い。

子供の我儘なので何とか出来る。

しかし獣人族の問題はメルテに任せてみても・・・

いや、メルテに任せた俺のミスだったのかもしれない。

メルテは獣人族の姫様を俺の嫁に迎え入れたいのだ。

他の奥様たちに手を回し何とか俺の嫁に出来ないものかと

策を巡らせている節さえ見受けられる。

その結果、アイラが断然その気になってしまったのだ。


「獣人族の懐妊率は非常に高いらしいです」


「獣人族と魔族の間の子は魔族しか生まれないらしいです」


「獣人族と魔族の間の子は聡明な子が生まれるらしいです」


()の姫様は見栄えも悪くありませんし従順で聡明です」


「妻の人数が少な過ぎだとは思われないのですか」


「妻を様々な種族から娶るべきです」


アイラは少し控えめではあるが姫を嫁に勧めてくる。

アイラはまだ少し控えめだ。

大福たちに至っては・・・・


「ヤッちゃいましょう」


「子種をばら撒きましょう!」


「もっと積極的にヤリましょう!」


「ヤリ捲りで健康な肉体と健全な精神を!!」


最後のはなんか違う様な気がするが・・

ストレートにヤレと言ってくる。


アイラと大福は俺に婚姻を迫るのだが、

アストレアとディアナだけは熟慮すべき案件で

簡単に受け入れるべきではないと言ってくれる。

ただ、この婚姻に関し誰も反対意見を述べる者がいない・・のか?


「断固、反対致します!!!」


「決して受け入れるべきではございません!!」


理由は知らないが()()だけが猛反対してくれるのは

せめても救いかもしれない。

実際、奥様たちの全員の賛成が無ければ

新たに妻を迎え入れないと俺が宣言している。

その宣言を撤回させようとメルテは様々な方面から工作している様だ。


獣人族の嫁入り問題は騎士団からも要請が出ている。

妻として受け入れて欲しいと・・・理由は分からない。

騎士団以外でも官吏や警備隊、公都の住人からも要望が出ている。

憶測にすぎないがメルテの仕業だろう。



獣人族の姫様をこのまま放置するわけにも行かなくなったので

止むを得ず会って直接話をすることにした。

出来れば姫様と二人だけで話をしたいので相手の都合の良い時に会談を行うことにした。

この会談に反対する者はいる。

獣人族の付き添いの者は猛反対だ。

余りにも反対するので、今回の縁談の件は無かった事にすると言うと

仕方なく承諾したのだが、反対者は獣人族の者だけではなかった。


奥様のうち婚姻に反対している二人が会談に反対している。

俺も会談に積極的ではないので奥様が反対するようなら

取り止めようかとも思ったが

そうすると何時まで経ってもこの問題は解決しない。

解決せず有耶無耶になって立ち消えにする策も考えたが

今後の獣人族との関係を考慮するとそう言う訳にも行かない。

仕方なく反対する奥様たちの説得を試みることにした。


「ブラウ、ケイ、それ以上反対するようなら・・・」


直ぐに会談に賛成してくれた。

まあ彼女たちの説得は簡単?だ。

「負んぶ」に「抱っこ」封印政策を講じただけだが、

かなり有効な手段だ。

良策とは言い難いが駄策とも思えない。

ただ説得したと言えるかどうかは問題だが、

ここでは気にしないことにする。


しかし何故彼女たちがそこまで今回の婚姻に反対するのか聞く必要もある。

後で頃合いを見計らいそれとなく聞いてみよう。




駄策は決して悪策はならず!!!


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