表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
39/608

帰来

王都の通用門で少しゴタゴタしたので、森に帰ることにした。

門番と()めて少しイラっとしたのだが、森に帰ると決めたら結構スッキリした。


『マスター、血圧が180を超えていましたが、具合に問題ありませんか?』

俺はそんなに興奮していたのだろうか、正直自覚は無かった。

『マスターは血圧異常により一度臨終(りんじゅう)を迎えているのを

お忘れではないでしょうね。』


・・・覚えています・・以降気を付けます。


少しだけ頭にきた自覚はあったが、ほんの少しだけだと思っていたら

相当頭に来ていたみたいだ。

流石にこの体は若い。

少々?血圧が上がったくらいでは何ともない。

以前の体だったらフラフラして普通に立っていられなかっただろう。

若さに感謝だ。


騎士団員たちには何も言わずに帰ってしまって悪いことをしたと思うが

これも運命なのだから仕方がない。

縁があれば(いず)何処(どこ)かでまた会うこともあるかもしれないし

また会えたらとしたらその時にでも謝ればいいだろう。



城門より距離をとり人目の付かない場所まで歩いてきたので

ここからは瞬間移動ワープで森まで帰った。

住み慣れた訓練場だが、3日間空けただけなのに何か変わって見える。

何故かこの場所が寂しがっているように感じるのだ。

普段感じない風も、日差しも、周りの木々までが、何か物足りないと

俺に(ささや)いているように感じる。

これらが声を発するなら「寂しいなぁ」とか言いだしそうだ。


この場が変わって感じる原因は考えるまでもなく分かっている。

騎士団たちだ。

彼女たちが居るのと居ないのでは、こんなにも差が激しいのかと

改めて思い知った。

彼女たちがここに来た当初は、早くここから出て行って欲しいと

毎日思っていた。

騒がしい、(しつ)こい、(わずら)わしい、面倒だ、この様な事ばかり思っていた。

今にして思い返せば、俺がこの世界に来て初めて出会った人たちだ。

どのように接して良いのかも分からないし、どうすべきかの判断も出来ずにいた。

その様な俺に対し彼女たちは初めこそ警戒もしていたが

警戒を解いた後はまるで旧知の仲ように接してくれた。

まあ極端に接してきた者も数名いたが、これはご愛敬(あいきょう)と言うことにしよう。

基本真面目で良い子たちばかりだった。

あと、団長と大福たちは俺に対する揶揄(からか)い方が極端(きょくたん)だったが

これもご愛敬(あいきょう)だ。

Sアンパンも(ひど)かったがこれも愛敬(あいきょう)で済まそう。

白パンちゃんは当初不安だったのか、妙にオドオドしていたり

色々心配してそうな感じだったが、ここに慣れたんだろうか

Sアンパンが目覚めた頃には元気になった。


今にして思えばこの世界での初めての人との触れ合いであり

にぎやかな体験で、若しかしたら俺も楽しかったのかもしれない。

祭りの後の静けさ、と言う感じでもない。

もっと感慨深いものを感じている。

二度と彼女たちと会うことは無いのかもしれない。

疲れたという実感はあるが、今思い返せばこれも良い想い出で、良い経験だ。



 いつまで感傷(かんしょう)に浸っている訳にもいかないので早速トレーニングを開始した。

騎士団の連中に合わせたトレーニングでは俺にとって暇つぶしにもならなかった。

相当体が(なま)っているかもしれないので結構ハードなトレーニングを行うことにした。

数日このトレーニングを繰り返し何とか感覚を戻したが

何だかモヤモヤしたものが抜けきらない。

そこで景気付けに上級の複合攻撃魔法を一発ぶっ放すかとイメージを始めた。

炎・風・光の融合ファイアーストームボルトとでも呼ぶことにしようと決めたら

『この森を消し去るつもりですか、マスター』

・・・止めておきます。


『マスター、それより周囲を警戒してください。

 集団でひと固まりになり、こちらに向かってきます。』


盗賊がここの場所を嗅ぎ付け奪いに来たのかもしれない。

探索魔法で辺りをサーチすると、距離はまだ数十キロ離れてはいるが

真っ直ぐこちらに向って来るのが分かる。

規模はおよそ50程度で魔物ではない。

人の様だが、盗賊たちがこの場所を嗅ぎ付け奪いに来た可能性が高い。

奪われたら大変だ。

王都から戻り久々に森小屋で美味しいレトルトを食べることができたのだ。

温泉もあり快適に過ごすことのできる俺の憩いの場だ。

それにだ、人の物を奪うとかあり得ないだろう。

盗賊などは物を奪われた人の気持ちなど考えもしない。

盗賊や強盗、泥棒などその様な事を考える事の出来ない低能な連中だ。

思考を司る脳が欠落した連中ばかりだ。

何かその様なことを考え出したら無性にも腹が立ってきた。

おまけに先の騎士団を襲ったのも盗賊だ。

盗賊全員ただじゃ済まさない、どうしてくれよう。

どうしようかな、なにしようかな、何か罰を与えよう・・決めた。

絶対にゆるさへん。



滅殺だ!!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ