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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
アザリア大公国
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対処

獣人族が嫁入りの為に何の打診も無くやって来た。

獣人族にとって嫁入りなど「ちょっと遊びに来ました」

などと言う感覚なのかもしれない。

俺としてはそのような事は到底受け入れられない。

何処の誰とも知らない相手と結婚などしてたまるか!と、言う思いだ。


メルテに(うなが)され嫌々ながら獣人族の使節団の所に戻ろうとすると

ディアナとアイラが慌ててやって来た。


「大変です、精霊族が攻め込んできました!」


これは不幸中の幸い・・じゃなかった。


「何だって!!」


優先事項を変更、俺の一番に対処すべき案件は精霊族への対応だ。


「すでにプトレ領内に侵入し小さな町を占拠している模様です」


「直ぐに撃退しましょう!」


「すまん、メルテ、獣人族の対応は任せた。

 直ぐに精霊族の殲滅に向かう」


「いいえ、旦那様お待ちください。

 アイラさん、貴女たちで十分対応出来ますね?」


「そうですね、魔法が十分行使出来れば対処できますが・・

 プトレ側の報告によりますとこちらの魔法が無効化され

苦戦しているようです」


アイラの説明によれば精霊族軍はプトレ王国領に侵入し

アザリア方面に向け進行中だ。

数は五千あまりで少数ではあるが相手は魔法を行使し

火力面においてこちらを圧倒している。

こちらの軍は魔法が使えず防御すらままならない。


「何で向こうが使える魔法がこちら側は使えないんだ?」


「分かり兼ねます。

 何やらこちらの魔法を無効化する特殊な魔法を使っているのかもしれません。

 精霊族の魔法は魔族の魔法とは根本的に違いますので・・・」


この際、魔法の無効化の原因を追究するのは後回しだ。

どう対処すべきか・・

バルバロスやエルフたちを派遣すればこの様な状況下においても

対処できるとは思うのだが軍を編成し

精霊族に向かわせるのには時間が掛かり過ぎる。

アイラたちを向かわせても魔法が行使できないとなれば苦戦するに違いない。

アザリア騎士団に死ぬ気で戦えと俺に言う度胸は無い。


それじゃあ、どうする? 俺一人で敵を殲滅するか?

五千くらいなら一人で何とかできるんじゃ・・いや、待てよ・・

俺も魔法が使えないとなると接近戦で一人ずつ倒す事になる。

そうなると、その間に俺と戦っていない敵に村や町を襲われる。

いや、魔法が使えたとしても広範囲に有効な攻撃魔法となると

場所によっては敵味方関係無く人を傷付けることになる。

俺じゃこの場合対処上手くできない・・・頼むか・・


(ハチ、精霊族に対処できる? 殺さない様にだけど)


『可能です、ただ暫く敵の体の自由を奪う事になります』


(構わない、瞬時に対応可能?)


『ハイ、直ぐにドローンを配備します

 しかし敵の特定などで殲滅終了までには30分程お時間を頂きます』


(了解だ、直ぐに取り掛かってくれ)


自分で出来ることは自分でやれと言ってくるハチも今回は時間との戦いだ。

殲滅まで時間が掛かればかかる程、魔族に多くの被害が出る。

俺にはハチほど早く事の終結に動くことはできない。

それをハチも理解していて、即座に対処してくれた。



ハチが精霊族への対応を引き受けてくれたので一安心だ。

しかしハチに全てを任せる事は出来ない。

自分で対処可能な範囲は自分でやる。

敵の無力化に成功したのちの事は俺が指揮を取り対処しなくてはならない。

あれ? その程度の事であればアイラに任せても問題ないのか?

敵を捕縛しプトレ領に軍事侵攻した理由などを聞き出さなくてはならないし

今後の精霊族への対応も検討しなくてはならない。


「アイラとディアナはアグラットと共に軍を率いて敵の捕縛に向かってくれ」


「捕縛ですか? その前に敵を無力化しない事には・・・」


「大丈夫だ、問題ない」


「えっ? それはどう言うことでしょうか」


「心配ない、敵は直ぐに無力化できる。

 あとは捕縛するだけだ」


「わ、分かりました・・・しかしアグラット様は・・」


「アグラットがどうかしたの?」


「敵の進行をお聞きになられると一人でプトレに向かわれてしまいました」


・・・えっ? 一人で?



アグラットに連絡を取ってみると彼女は状況の把握のために

既にプトレ王都にいるとのことだ。

行動が早い・・疾き風の如し・・いや、短気なだけか・・



情報収集のための行動だ、彼女が危険な目に会うこともないだろう。

しかし軍事行動において時間との戦いは最も被害を少なくする上に置いて

重要だし情報収集も同様だ。

アグラットは戦い慣れているのでは? と思ったのは秘密だ。




しかし、戦争なんて慣れたくねえよ!!!!



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