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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
アザリア大公国
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予防

ハチは猿人族本拠地辺り一帯の焼却を提案した。

いや、強制に近い感じだ。


『マスター自身の命に係わらなくても

今後の生活に大きな支障を来す大問題です。

 至急焼却し予防を行ってください。

 予防方法は、次の通りです・・・・』


猿人族を捕らえハチが様々な検査を行った結果、

非常に感染力の強い病原菌の存在が確認された。


その病原菌は様々だが、特に問題があるのは元の世界で言う性病だ。

梅毒や淋病と似たような病原菌らしいが、

感染力がこの世界のものはかなり強力だ。

元の世界の性病は血液媒介感染が主なものだったが

この世界では飛沫感染も起こりうる。

繁殖力も数倍強く感染したら無事では済まない。

魔族・エルフ族・獣人族などの亜人種は普通の人間族と異なり

それぞれ病原菌に対する耐性は高い。

それでも尚ハチが採取した病原菌は亜人種に対し脅威となりうるものだ。


『念のため、奥方たちとの性交は暫く控えられた方が賢明かと』 


・・・えっ? 夜の営みの営業停止処分???

・・・えっ? もしや自家発電を毎晩???

・・・えっ? 07PETの使用は???

・・・えっ? お手てが恋人生活???

・・・えっ? PC保存の画像使用は???

・・・えっ? 動画もOK???

・・・えっ? 使用後は焼却した方がいい?


これは非常に困る・・・・か? 

夜は元の世界同様に独身生活・・・か?


・・・獣王め・・・とんだお土産寄こしやがって!!!



俺は例え感染していたとしてもこの肉体のお蔭で健康を維持できる。

症状が一切出ないので何も問題も無いのだが

逆に健康な肉体を維持しているので

保菌していたとしても気が付かないのだ。

もし俺が保菌していたとして何も知らないまま

奥様たちと行為に及んだとしたら・・・

その際に若し子を授かったとしたら・・・



俺は無人の猿人族本拠地に飛び直ぐ様、全部を焼いた。

ファイヤーボールを打ちまくった。

それも高火力の特別製のやつだ。

通常のファイヤーボールを、時間をかけ魔力を必要以上に練り込み放った。

正直自分で何発放ったのか分からないくらいだ。


この本拠地には性病以外でも感性を引き起こす様々な病原菌が蔓延(まんえん)していた。

幸いにも、ここの病原菌は熱に対する耐性は無い。

従ってこの地の病原菌は全て熱処理により滅菌された。


しかし、収容所に移動した者たちの中には保菌者がいる筈だ。

その者たちを保菌者だからと言って焼却処分するわけにはいかない。

感染病棟を造り隔離し治療するしかない。


この世界でも抗生剤を生成できれば問題ないのだが、その様な技術は無い。

また抗生剤などという知識も存在しない。

自然治癒力を高める生薬を用いた治療法が一般的だ。

魔族には治癒魔法を使える者が多く生薬を用いることは少ないのだが

他の種族は治癒魔法を使える者が殆どいない、


・・どうしよう・・困った・・しかし治療しなければ・・


ボナディアとメルテには麻薬に侵された者たちの為の薬剤の生成を頼んでいる。

恐らく彼女たちの部下も作業に繰り出されている筈だ。

・・ここは俺が頑張るしかないのか・・


感染症予防の基礎は衛生管理にある。

消毒を徹底したいのだが、アルコール消毒が必要なのか?

エタノールなどのアルコール類は無い。

そこで薬草を用いた消毒を行う事にした。

ある種の薬草を水に浸し暫くしてから加熱して出来あがると言う優れもの?だ。

薬草はアザリアのどこにでも自生しており簡単に手に入る。

収容施設を徹底消毒し猿人族本拠地に従軍した者も

念のため病気予防の処置を行った。



ひと段落着いた頃、ボナディアに感染症の件について連絡した。


「何故もっと早く連絡して頂けなかったのですか!

 その件について対策は講じておりましたのに・・」


・・・えぇ・・・独り善がりで頑張っただけ?

線描やその他の感染症の対策は既にどの種族でもしている。

疫病に備え薬も保持しているはずであると・・・

ただ猿人族の置かれていた状況からすれば薬を所持していない可能性はある。

その分だけでも対処できたので良かったという事にした。





何事も備えあれば患いなし!!!






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