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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
アザリア大公国
315/596

掃討

目的地の占拠は終わった。

今後ここを統治しなければならない・・・焼野原だが。

統治と言うより管理すると言う方が適切だろう。

誰も近づけない様に周囲を外壁で覆い

不審者の侵入を防ぐ為の監視をしてもらう。



早速ディアナを呼び焼野原の近くに監視所の建設に取り掛かってもらった。

皇妃にも監視所を建設するに際し意見も頂くことにした。

荒野での街造りの経験をここで生かしてもらいた。


街建設の為の部隊を5万ほど残し、残りは近隣の獣人の村へと

軍を派遣し魔族に対する敵対心の確認を行ってもらう。

またそれが終わり次第、猿人族の本拠地への総攻撃を行う予定だ。

アイラを求めるだけの為に軍を起こしたのであれば、

ここで軍を引いても良いのかもしれない。

獣人国軍は相当な痛手を受けているはずで、そう簡単には立ち直れない。


今回の遠征の目的はほぼ終了しているのだが、肝心の者を捕らえていない。

獣人国軍の総司令官を捕らえていないし、

また五人の獣王を名乗る者も捕らえなくては

また何か仕出かす恐れも(ぬぐ)い去れない。

敵国領内に遠征したのだ、そう何度も遠征するわけにもいかない。

ここできっちり叩きのめす必要がある。


麻薬製造配布の首謀者は猿人族で獣王を名乗る5人組だ。

エテコーだったか・・・確か。

アカン、イカン、オカン、ヤカン、バカンの5人は

捕まえて極刑に処さなければならない。

人を廃人と化す麻薬を広めた罪は重い。

多くの人の人生を奪ったのだ・・酌量の余地など与えることは無い。


自己の愉悦(ゆえつ)を得る、快楽を(むさぼ)ろうとする欲求、他者を従えようとする傲慢(ごうまん)

他人を気遣うことのない我欲の権化、

何の実績もなく平気で王を名乗る独尊的な行為。

他者を排す自己中心的な行為には目もあてられない。


「ディアナ、敵の首魁は逃げたんだよね?」


「申し訳ございません、恐らく戦況を察し直ぐ様

逃げ出したのではないかと思われます」


状況判断が的確なのか、配下を置き去りにして我先に逃げ出した様だ。


「どの辺りに逃げそうか見当は付きそう?」


「はい、例の兎人族からの情報によれば、恐らくこの辺りと思われます」


ディアナは兎人族から得た情報で作成した地図の猿人族の集落を指差した。


「手配は?」


「滞りなく進めており完了している頃かと」


集落は騎士団によって包囲されている。

問題はその中に首魁がいるかどうかなのだが・・・

若しいなければ、敵の本拠地まで乗り込むことになる。


アザリアの国境付近に10万の兵を残し、この荒野と化した場所に10万

残り50万のうち40万は公都に戻す。

場合によって10万の兵で猿人族の本拠地を襲撃する事になるが

正直敵の本拠地がどの様なものかはっきり知らない。

兵を損じることなく総てを終わらせたいのだが、

知らない場所に攻め込むとなると多少の損害は覚悟しなくてはならない。

戦術は包囲戦を行いたいのだが相手の規模によっては

10万では少ないのかもしれないしどのような戦術を

相手が仕掛けてくるのかも皆目見当がつかない。


まあ初戦の初戦の様子からすれば

戦術など用いてはこない様な気もするが窮鼠(きゅうそ)猫を()むの例えもある。

用心して掛かるに越したことは無い。

重機関銃やロケットランチャーを搭載した装甲車両で囲み

殲滅ってやり方が被害も少なくなり理想的だが・・

いっその事、大魔法でもぶち込むかと思ったのは秘密だ。


無関係な一般住民は巻き込みたくない。

善良な者が戦禍に見舞われる事態は避けなければと

言う思いは失ってはいけない。

それは指導者としての務め・・いや、義務だ。

俺は無能だが、愚者ではない、その様な事態だけは絶対に回避だ。

大人しく捕まって受刑されれば良いものを・・・



敵首魁掃討作戦の開始だ!!!


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