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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
交流都市
259/596

儚夢

ブラウがアザリアの代表、つまり総督代行に就任する。

そのためにブラウより条件を附された。

その条件とは・・・床入りだ。

いつかはと思ってはいた。

まだずっと、先のことだとばかり・・・

この様な形でブラウを迎え入れることになろうとは・・・

それも五日間、二人きりで夜夢を奏でることになるとは・・

心の準備も整わぬまま・・夜の儚い睦あう時間。


「この時を長らく待ち侘びておりました。

 不束者ではございますがどうぞ末永く

ご寵愛を賜りますようお願い申し上げます。」


何時も夜になるとケイと一緒に悪戯っ子になるブラウだが、

今日は妙に慎ましやかで大人びている。

ブラウと二人きりで夜を過ごすのは初めてだ。

ブラウは相変わらず白の寝間着でそれが清廉さを醸し出し美しく見せる。

彼女は布団に入る前に寝間着を(はだ)け、

部屋の明かりに照らされた彼女の純白の下着が煌びやかに輝き清楚さを増す。


ブラウは俺に愛を求めているのが手に取るように分かる。

そして優しく包み込む。

ブラウは心地よさそうにおれに身を任せ、喜びに満ち(あふ)れた。


「あ、 あ、 ああぁ・・・い、いっ・・いた~ぃ!!!」


ブラウは我慢できずに大声で叫んだ。


「お婆様、お母様・・・・痛いじゃないですか!

 天に昇るが如く気持ち良いって言ったのに!」


「アイラ様たちの嘘つき!!!」


何をどう聞いたのか分からないが、

理想と現実の違いを思い知ったようだ。

涙目になりながら、いる筈もない人々に文句を言う・・・

・・・いないよね・・・どこにも・・いな・・・


「それくらい我慢おし!

 痛いのは初めだけだから、そこを辛抱しな!!」


「何と情けない!

 その様に情けない娘に育てた覚えはありませんのに・・」


「頑張って下さい、ブラウ様、何事も我慢です。

 その先に行きつく処こそ至高!」


「快楽に(おぼ)れるにはそれなりの試練が必要です。

 今は忍の一文字です!」


「「「「そうですよ~、がんばってくださいね~

 愛があれば頑張れますよ~!!」」」」


「頑張って、手本を見せてください。

 ブラウお姉ちゃん!」


「無理は禁物です!

 耐えられないようでしたら、すぐにお止めなさい。

 私が代わりを務めます!!」


「「「「「ブラウ様、頑張って下さい! 

 でないと、私たちには永遠に順番が回ってきません。

 ここで頑張らないで何時頑張ると言うのですか。

 今でしょ!!!!!!」」」」」


いつの間に奥様たち+αに・・ブラウの侍女まで!

社会見学会がこの時催されていようとは気が付かなかった。

初姫始めなど見学をしようと誰が言い出したのだろう・・・

・・・ブラウが?

・・・雄姿を見定めろって?

・・・人生で一度きりだから?

・・・皆に周知してもらいたかって?

・・・オープンなのがいい?

・・・これ、夫婦の秘め事っていうの知ってる?

・・・知らなかった?

・・・誰もが気持ちが良いものとしか教えなかったって?

・・・ケイたち未経験者もそう思い込んでいる?

・・・否定はできないけど・・・


家族総出で見学会を開きその後、感想会も開かれる予定だった。

全て却下したいのだが、アザリア総督代行の権限で開かれることが確定した。

五日の間、ブラウとのみ夜の(むつみ)(あい)を行い、

その後に感想会が俺も参加して開かれる。

それも来客を招き民衆の目前で開催される運びとなったが、

参加資格は未婚未通の女性のみのようだ。

既に招待状も配布しているらしいのだが・・・ダメだろ!


「今後の教育上必要不可欠であると判断しました!!」


どの様な教育が行われるのか調査する必要があるな・・・



皆が見守る中、ブラウの初の情交が断行された。

出来ればもっと情緒あふれるような状況を演出したかったのだが、

経験の浅い?俺には無理だったのかもしれない。


終わってみれば初仕事を無事成し遂げた気分になってしまった。

ブラウも安堵の表情を浮かべ深い眠りについている。

見学者もブラウの表情を見て安心したようだ。


結局は、みんな俺がブラウと無事に事を済ますのか心配していたが

事を終え一番安心してのはブラウだったようだ。


「旦那様、明朝反省会開くからそのつもりで。

 ちょっと下手過ぎというか、強引過ぎだよ」


アグラットにそう言われると何か(まず)い事をした気になった。



朝よ・・・来なくていいから!!!




途中会話が多くなりもうしわけありません。

奥様たちの会話になりますが、誰が何を言ったのかは読者様の想像にお任せします。

※いつもの事ですが、表現が稚拙で申し訳ございません。

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