一緒
すっかり失念していたエルフ貴族の習慣により
奥様が一人増えてしまった。
正直新たな奥様は苦手なタイプでもある。
性格は真面目で優しくもあるのだが、妙な癖をもっている。
本人に言わせると説教が好きなわけではないとのことだが、それにしても長い。
一度始まったら終わりが全く見えないくらいに説教をする。
あれ?・・・そう言えば俺以外で長い説教を受けている人を見たことが無い。
俺だけ長いのか?
それだけダメな部分が多いのだろう・・・自覚はある。
しかし皇妃もそうだが思い切った事をしたものだとも思う。
エルフ社会において皇族である貴族が魔族に嫁ぐとは常識外だ。
余程の覚悟、いや非常識、いやバカなのかと噂されてもおかしくは無い。
いくら貰い手がいないとはいえ、あり得ないことを彼女はやったと言えよう。
エルフ社会における立場を失ったと言っても過言ではない。
皇妃である市長も魔族に肩入れなど似たようなものだ。
今更だが、エルフの皇族って変わり者が多いのかもしれない。
先生の名前は・・・忘れた。
確か学校で出会ってすぐ紹介を受けたことは間違いないのだが、
当時は先生の名前などに興味は無く顔を覚えるより先に
胸を覚えたのは記憶している。
先生の胸は独特で丸みがかってはいるが平たく広がった感じの
カンパンの様なものだと思った。
いや・・・丸みのある大きな煎餅か?
その程度の記憶しかない。
あとはやせ型美人でお尻は控えめで上品ではあった。
けっして奥様方のお尻が大きくて下品という事ではない・・念のため。
しかし・・・名前・・・名前ねぇ~???
まあ、今後の呼び名も先生で良いかと思っていると、
先生から公私混同はしない様に早速注意を受け
プライベート時は名前で呼ぶように言われた・・・どうしよう。
「私的な時間を過ごすときはアストレアとお呼びください。
それ以外は先生で構いませんよ。」
悩んでいたら先生が自ら呼び名を指定してきた。
ある意味助かったと言える。
「私も、今後は私的な時は旦那様と呼ばせて頂きますし、
それ以外は今まで通り呼びますので
そのおつもりで宜しくお願いします。」
何だか先生に旦那様とか呼ばれるのは面映ゆい感じがするが
呼び名など俺はあまり気にしないので先生の言う通りにすることにした。
妻の数ばかり増えているのだが、
果たして俺は彼女たちに相応しい夫だと
胸を張って言えるのだろうかと時折思う。
妻に立派な旦那様と思われたいという気持ちはあるのだが、
そう思われるために無理をしても意味が無い。
俺は俺のままで出来る範囲で出来ることをやる・・・それだけだ。
しかし、夜の生活はどうするつもりだろう。
一緒か、一緒に寝るのか?
今までは別の部屋で過ごしてもらっていたのだが、
今後も同じように別の部屋で寝てもらうのか?
奥様宣言をして他の奥様たちがそれを受諾したわけなのでそういう訳にもいかない。
俺たちの夜の激し過ぎる営みを
男性経験が豊富な女性ならば素直に受け入れてくれるとは思うのだが
彼女は果たしてどうなのだろう。
「あの~、男性経験豊富ですか?」
・・・そのような事は聞けない。
まあ、なるようになれだ。
その場その場での対応、臨機応変、機転を利かせれば良いだけだ。
・・・いい加減ともいう。
奥様宣言の夜、案の定先生は驚き言葉を失ったが・・・
しっかりと観察してメモを取っていた。
ブラウの提案で夜の愛の表現を研究解析し
今後の参考にすることにしたらしいのだが
正しく勤勉という言葉が似あう人だと思った。
順番が終わった後の妻たちの感想までしっかり書き留めている。
俺の攻略及び対処法?
局地戦及び持久戦も物量作戦も効果的・・・何それ?
出来れば止めて欲しいと思ったのは秘密だ。
翌朝、市長も含め全員で食事を取る時に市長が提案してきた。
「私も夜ご一緒させて頂きたいのですが・・・」
控えおろ~・・・人妻が何を言う!!!
とんでもない事を言い出した。
メネス帝国皇帝の妃で皇妃様なのだ・・・人妻だよね?
「アストレアより聞き及んでおります。
今後の参考にさせて頂きたく存じまして・・・
その道の専門家であるロンヒル総督の奥様たちから
色々と学ばせて頂きたいのです。」
・・・おい、誰が専門家だって!
確かに奥様たちは夜の営みに対し研究熱心で情熱的ではある。
それは愛ゆえに自然と身についた結果・・・・だよね?
市長は顔を赤らめ照れているようだが・・欲求不満か?
人妻が新たな刺激を求めてる!!




