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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
交流都市
242/596

和室

俺がアザリア州都に戻ったことは一気に自治州内に広まり、

三日後に帰省祭が開催されることになった。

帰省祭とは名ばかりのサキュバス恒例の祭りだ。

ただ今回は方々に出向していた騎士団に加え

自治州内の村々からの住民も参加するらしい。


サキュバスだけではなく他の魔族やエルフたちも州都に集まって来る。

主な祭りは帝都内の男子禁制区画で行われるのだが、

男女共同参画区域でも同時に開催される予定だ。

大鬼族のバルバロスや入国管理官のマルカジーリも

参加すると張り切っているが、マルカジーリの奥様たちの

許可を得ているのか少し心配になった。

まあ奥様たちも参加すれば問題ないのかもしれない。



この世界というかプトレ王国は無論、

メネス帝国にも祭りと呼ばれる催しは存在しない。

元の世界の祭りは豊穣への感謝や祈りが起源だったと思うのだが、

元々両国において農耕なる文化が存在しないので

祭りのような催しが無いのかもしれない。


まあ神に感謝するとか、感謝の対象である神という概念が

もしかしたら存在しないのかもしれない。

おまけに悪魔族の俺が神に感謝しても神には迷惑なだけだろう。

しかし神の存在など関係なく感謝の気持ちは忘れない様にしよう。



市長と先生にアザリアに滞在する期間どこで過ごしてもらうか

奥様たちと相談しなければならないと思っていたら、

既に手配済みとのことだ。

・・・えぇ~、俺の家かよ・・・


市長は良い、市長は問題ないのだ。

先生が問題なのである。

アザリアでも俺に説教地獄を味わわせたいのか!

ある意味拷問だ。

よく考えてみよう。

学校で毎日煩い先生と顔を合わせ、

長期休暇に入りやっと顔を見なくて済むと思ったら、

家で同居することになった。

これじゃ家で何気兼ねなく過ごすことなど出来る筈もない。

・・・もう、お帰りになって結構ですよ、先生!!


何とまあ気が重い事か、折角のんびり出来ると思ったのに。

束の間の夢、幻、頭の中が真っ白・・

気が乗らないので奥様へのご奉仕はお休みします。

・・・えっ、励まなければダメ?

・・・勘弁してもらえないの?

・・・えぇ~、嫌だ!!!



強制執行が発動された。

先生と市長が騎士団員に案内され男女共同区画に行っている間、

思いきり蹂躙(じゅうりん)されてしまった。

口では嫌だ、そんな気分ではないと言っておきながら、この体は若いのだ。

はち切れんばかりの精力を持て余している。

やりたい放題好き放題、俺のバルカン砲が連発で火を噴いた。

短時間ではあるが、俺の速射連発に奥様たちは満足されたようだ。


・・おい、ブラウ、何してる?

・・何故裸になってるの?

・・やる気満々だって?

・・何をやる気なの?

・・決まってる、って?

・・俺の上に乗るのは止めなさい!!!


ドサクサに紛れブラウとケイまでが臨戦態勢に入っている。

誰か止める者はいないのかと思ったのは秘密だ。



俺の部屋にはベッドが3つあるのだが、これも何とかしなければとは思っている。

交流都市での俺の部屋みたいに出来ないか考えている。

交流都市での部屋はほぼ全部ベッドが敷き詰められている。

簡単に部屋のどこででも寝ることが出来るようになっていた。

この際なので、思い切って部屋を畳部屋に改造しよう。

イグサさえあれば出来るのだが、この世界にもあるのだろうか。


ハチに頼んで調べてもらうとイグサはあるようだ。

奥様たちが出かけて留守している間に

ハチに頼んで畳を製造してもらい、俺の部屋に敷くことにした。

ベッド類の家具を一度マジックバッグに収納し畳を敷き詰め完成。

洋間に畳を敷いたようになってしまったがこれはこれで良い。

当然土足厳禁である。

畳の上にベッドを置いても良いのだが、和布団を用意しそれで寝ることにする。

ベッドの上での寝転がりも悪くは無いのだが、やはりゴロゴロは畳に限る。

本当は旅館の和室をイメージした部屋も用意したいのだが、今はこれで良いだろう。

そのうち書院造りの部屋を用意してやると思ったのは秘密だ。



買い物に出かけていた奥様たちも戻り食事の準備に取り掛かった。

市長たちはまだ戻らないようだが心配はないだろう。

何か問題が発生したら連絡が入る事になっているし騎士団員たちが付いているので大丈夫だと思う。


大福たちが俺を呼びに部屋に入ってくると中を見て驚いている。


「ここって、ヤリ部屋ですか?」


「どんなプレイをするのです?」


「やり心地ってどうでしょう?」


「さっきヤッタばかりなのに

何か変な気分になっちゃいます~。」


・・・和室って女性を妙な気分にするようだ。

いや、俺が和室で(くつろ)いでいるので彼女たちが変な妄想(もうそう)をしているだけだ。

決して和室がヤリ室の雰囲気を(かも)し出している訳ではない。

俺が部屋の真ん中で大の字になって寝ていただけの事だが、

「さぁ~、ヤッテくれ!」と言わんばかりの格好に見えてしまったようである。

広い和室で大の字は男のロマンだ、そう思うのは俺だけかも。



和室最高!!!





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