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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
交流都市
215/597

異議

ご覧頂きありがとうございます。

本日投稿分の2話目になります。

奥様たちは先生にお休み報告だけで欠席届が受理された。

この事に対し俺は異議を申し立てた。

不条理だ、理不尽だ、差別の極みだ・・と。

異議申し立ては全て却下された。

保護観察処分を受けている俺と奥様たちでは扱いが異なるのは当然であると。

その処分についても異議を申し立てた。

処分不当である。

俺だけが処分を受けることは納得がいかない。

俺は教室で騒ぎを起こした事事実は否定しないが、俺一人ではない。

相手がいたからこそ騒ぎになったのだ。

俺も騒ぎの一因であることは否定しないが、俺だけ処分を受けるのは理不尽だ。

・・・そうですか、糞ガキも観察処分中ですか・・・

彼は寮生活でその間寮監が観察していると・・・ハイ、文句ありません。



美しい女性に囲まれた旅だ、(はた)から見れば(うらや)ましいと思われるはずだ。

何と贅沢な旅だ、人目も(はばか)ることなく身を寄せて来る超美人たち。

・・ブラウ、ここで抱っこはないでしょ?

・・ケイ、負んぶはしないよ?

道中、すれ違う人はいない・・・ってか、みんな馬車だ。

乗合でも良いので馬車で移動すれば良かった。


「えっ、馬車が良かったのですか? お散歩ですよね?」


アイラに鋭い指摘を受けてしまった。

正直帝都までの道筋を俺は知らない。

知っているのは凡その方角だけだ。

俺一人ならまっすぐ突っ切れば問題は無いのだが、

女性が多いのでそのような真似は出来ない。

俺が一人帝都まで先に行き、ゲートで皆を迎え入れても良いのだが、

それでは奥様たちの同行の意味がなくなる。


・・先に俺一人で帝都に行っても良い?

・・ダメなの?

・・一人は危ない?

・・襲われる?

・・危なくないと思うけど? 俺強いし。

・・強いから危ない?

・・野生の凶暴なエルフの女性が襲うの?

・・貞操帯付けても意味がない?

・・何のこと?

・・アッチの方ね・・


野生で凶暴なエルフの女性の集団はアマゾネイターと呼ばれ精強な男性を襲うらしい。

彼女たちの住処(すみか)は交流都市と帝都の間に広がる荒野にある。

彼女たちの住処(すみか)近くを俺たちは通らなければならない。

まあ危険地帯を通過するわけだが、無暗(むやみ)に人を襲うわけではないようだ。

また凶暴なサキュバスと比べたら大人と子供くらいの差はあるとのことだが、

俺は両方見たことが無い。

一度見てみたいものだと思ったのは秘密だ。



帝都までは徒歩で数日かかる距離なので町か村に宿泊しなければならないが、

宿泊所を求め町や村に立ち寄ると帝都まで遠回りになるので

余計に日数を要することになる。

仕方がないので野営をしなければならないが、その準備などしていない。


「お任せください、こんな事もあろうかと準備万端です!」


大福たちが、野営セットを常にマジックバッグの中に忍ばせていると言う。


「食事も問題ないですよ~、携帯トイレもお風呂もありま~す!」


まさに至れり尽くせりだ。

ディアナの考案で野営セットなるものを製作したらしい。

考案もさることながら、大福たちの設計技術もたいしたものだ。

ディアナはエルフのツーバイフォーに感銘を受けたと言うが

しっかり者の奥様だと思ったのは秘密だ。



夜の帳が()りる頃、すでに食事も終わり後は風呂だが屋外にある。

ちょっとした露天風呂だ。

(のぞ)き放題となっているが流石に夜間、外には人はいない。


・・えっと、男湯は?

・・ないの?

・・じゃ交代で入るのね?

・・えっ、一緒に?

・・先生は?

・・一緒に?

・・嫌がるんじゃないの?

・・えっ、嫌がってない?

・・嘘じゃない?

・・でも、ほら、顔真っ赤で嫌そうだけど?


高潔なエルフだ、生徒と先生の仲とは言えお風呂に一緒に入るとかありえない。

ここは、仕方がないので俺が風呂を(あきら)めることにした。

よく考えてみれば、風呂に入らなくても体は魔法で清潔に出来る。

無理に入らなくても良いのだ。

ただ、日課になってしまっているので湯舟には()かりたい気はする。

気分的に疲れが(いや)されるのだ。


風呂を(あきら)め時間は少し早い気もするが寝ることにした。

今回の野営用の宿所は普通の住宅として使用できる立派なものだ。

おまけに二階建てで、一階部分はLDKとトイレになっている。

二階が寝室になるのだが・・・

広々とした部屋に一杯に広がる大きなベッド・・

先生と一緒に皆でこのベッドに寝るのだろうか?

流石にそれは無いだろう・・・ありえるか?

俺は一階のリビングで寝ることにしよう。


リビングとは言えソファーがあるわけでない。

椅子はあるのだが、(もた)れ掛かり寝ることになる。

・・・学校で居眠りしてると思えばいいか・・・


「そんなところで寝るなんて、何と(はした)ないのでしょう。

 寝所で休みなさい!!」


(うるさ)い先生だ、どこで寝ようが俺の勝手ではないか・・と思ったが言わない。


「あ~、ハイ、ハイ・・」


「あ~、は余計です、それにハイは一回!!」


高潔な種族は言葉使いにも(うるさ)い。

ノアルなら俺のすることに黙って微笑んでくれるんだが・・と思ったが言わない。

この様な女性を妻に(めと)った旦那さん、ちょ~お気の毒だ、と思ったのは秘密だ。

まあ、独身なのかもしれない・・(もら)い手がないとか思った事も秘密だ。



俺・・どこで寝れば良いの???




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