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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
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同衾

団長と二人で怪我人が寝ているログハウスの中に入った。

すぐさま団長は彼女の側に寄り様子を見ている。

寝ている彼女はよく見ると団長に雰囲気が似ている。

姉妹と言われれば信じるだろうが、尋ねてみると違った。

この小さいアンパンの持ち主もよく見ると結構美人だ。

この騎士団は美人系が多いのだろうかと思ったが

大福4人組はアイドル顔負けの可愛いさだった。

騎士団員全部率いて芸能事務所でも開いたら儲かるだろう。

可愛い系アイドルにグラビア系美人にモデル系美人・・・・

う~ん・・・ボリュームからしてグラビアはきついかな・・

しかしその手のファンに結構人気出るかも・・とか思ってません!!

中々にこの様な美形・可愛い系とお目にかかったことがないので

(ろく)でもない方向に思考が向いてしまった。


俺に対する警戒心が緩んでから、厳しい雰囲気が団長から消えている。

どこにでもいるその辺りの中学生を見ている気分だ。

(この世界に中学校があるのかは不明だが)


小アンパンが大怪我を負って以降、ほとんど彼女に構ってないので

団長は一段落着いたことから、出来るだけ彼女の側にいたいみたいだ。

因みに一段落とは、言うまでもなく俺の事だ。

小アンパンと一緒のベッドで寝るように団長に勧めた。

その方が彼女も目が覚めた時に安心するだろうと。

ベッドのサイズはキングサイズで大人3~4人が楽に寝ることが出来るし

そう勧めてみたのだが、彼女は首を横に振り

「ノーヴ殿こそ、お疲れでしょうからベッドで横になってください。

 私は床で寝ますから。」

「それでは俺も床で横になりますよ。」


一瞬、戸惑ったがそう答えた。

俺は同衾(どうきん)の経験がない、

ここで若し、ベッドを共にしようものなら初体験という事になる。

この様な形での初体験などお断りだ。

怪我人の少女と同衾(どうきん)なんてありえない。

同衾(どうきん)には夢がある・・・ハズ。

もっとこう・・・ロマンス的な何かがないと・・・

一生の思い出となる何かがないと・・・

初めての女性との経験に何か感動じみたものを望んでいる。

俺は女性に夢をみたいし、感じたい。

俺は女性に夢を想い馳せている。

良い歳したジイサンだが、非現実的と笑われるかもしれないが

それで結構。

現実はそれほど甘くないのも重々承知。

俺に夢を見せてくれる女性はいる・・・

どこかに、遠くに、見知らぬ処に、未開の大地に・・・いるのか?


俺は壁に背を預ける形で座り込み、一寝入りしようとしたら

団長も俺の隣で同じように座った。


暫し彼女は騎士団について話し始めたが、興味がないのでまた聞き流した。

(ほとん)ど聞いてなかったが、一つの(くだり)に差しかかった時、衝撃の事実が・・・

何とビックリ、騎士団全員が成人女性だったのだ。


団長一人に話させてばかりだったので、あまりと思い相槌を打ったつもりで

「幼い子供ばかりで大変ですね。」

と感想を述べてしまった。

その際思い切り否定され、団員皆が成人女性であることが分かった。

まぁ、幼い子ども扱いした非礼は詫びたが、何か納得できなかったので

女性に年齢を尋ねることは、これも失礼に当たるかもと思いながらも尋ねたら

またまた、ビックリ!  

この世界の成人年齢って、いったい何歳なんだ・・

団員の年齢は、最も若い者で12歳、最年長で19歳、団長は17歳だった。


この世界では女性に年齢を聞くことは失礼には当たらない。

元の世界でも同じ事なのだろうが、変に気を使ってしまった。

名前が分からない人に名前を聞くのと同じことだ。

確かに言われてみれば、全く関わりがない人にいきなり名前を聞くのは

失礼に当たるが、見知った相手で名前が分からない時

タイミングを見計らい名前を聞くことはあるし、当然か。


人によっては年齢を尋ねることを良しとしない人もいるが

話の流れ次第ではなかろうか。

まぁ、自己の行いと年齢とのギャップを恥じて

言いたくない人もいるのかもしれない。



しかし、やはり異世界ってことか・・・・

みんな、見た目が若い!!


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