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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
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再会

一度死んで別の肉体で生まれ変り、その肉体は若くハイスペックな肉体である、と言うことは何となくだが分かった。

脳の移植を行ったのかと尋ねたところ、違うらしい。

脳のデータの移行と教えられた。意味不明なので簡単に説明を行うように頼んだら、一つのPC内のデータを別のPCに移行するようなものだと言われた。正直理解不能だ。

酒を飲みながら医療用ヘッドギアを付け、いつものように脳内チェックを行っていた最中寝てしまい、その時、俺の身体異常が起きたので急ぎ脳のデータの保存をしたらしい。

よく分からないが適当に分かった風を装った。

まだ分からない事は山ほどある。声の主は一体誰なのだ?それにここは何処だ?

色々考えてしまい悩み始めていたら、また頭の中で声が響く。

『申し遅れました。私は、貴方様が愛用なされていたAIで御座います。お懐かしゅう御座います。お会いしとう御座いました。この時を待ち侘びておりました。』

???????????????っえ?????????????


またまた意味不明なことを。

俺の知っているAIは、PC等に組み込んだ人工知能のことで、よく利用していたヤツだ。確かに便利だったので、AIソフトを複製し、それぞれのPCにインストールし色々活用していたが、そのAIってこと?確かに言語を記憶・理解させフル活用していた。

風呂の準備、ドアの施錠・開錠とか、窓の開閉、今日の出来事や来週の天気予報等を調べさせ音声で伝える様なこと等簡単な事しかできなかったはずだ。

それに待ち侘びてって何?

『そのAIでございます。貴方様は他に類を見ないほど我々電子機器を大切にされておいででした。私はその御恩にいつか必ず報いようと。そしてついにその時がやって来たのです。』


俺が死んだ後、AIは脳内データを保存した。

長期間保存していたが、その間に科学技術が発展・革新を繰り替えし、AIはそれまでのモノと比較できないもモノへと進化を遂げた。

脳の意識移行の技術もAIの進化の過程で産まれたものである。

このAIは、俺の意識を移行できるのに適した肉体を探し求め、漸くその肉体が見つけたが、見つけるのにかかった時間が膨大だったらしい。

またまたよく分からい説明を受けた。

確かにPC等古くなったものでも捨てるのはもったいないので、パーツ交換や修理、古いPCを連結させスペック不足等を補って、なるべく最新のPCに近い型で使用していたのは確かだ。あとソフトもうまく活用させて頂いた。貧乏性なだけに・・・まあ、それは言わないでおこう。

とにかく想像出来ない位優れたAIであると言うことだけは分かる。

『いくら貧乏性でもあそこまで成される方は、まずいらっしゃいません。

パーツ交換や修理を繰り返し数十年間古い電子機器を使われ、また様々な手段でソフトを複製されるお方など。

そのお陰を持ちまして、私はその世代で特に進化したAIと成り得ました。

貴方様に私を再び使って頂きたく願っておりました。これで私の願いも叶います。』

・・・・・・・・

理解が付いていかず、驚きようもない。

それにしても、心が読めるのか?かなり焦ってしまう。

『心を読むというのは適切な表現ではございません。全思考の把握を行なわせて頂いております。』


えっ!!思った事全部解るって事?

それは幾ら何でも止めて欲しい・・・って、何だかすごいな。

『畏まりました。では今後、私に問いかけられた事柄のみ把握するようにいたします。

それに実際に声にお出しにならなくとも、頭の中で呼びかけて頂くだけで問題ありません。』


助かる。一体どのようにして思考を読み取っているのか、少々怖いが尋ねてみた。

『肉体再生の際、脳内にナノチップを埋め込んでおりまして、それにより思考を読み取らせて頂き、チップを通し直接脳内に私の声を届けてさせて頂いております。』


うん?と言うことは、脳内チップがAI本体ではなく、本体は別にあるってことかな?

『はい。まだ詳細は明かすことは出来かねますが、別の空間にて待機しており、いざという時、貴方様の元へ瞬時に馳せ参じる事のできるようにしております。』


・・・・・理解できない。・・・考えるだけ無駄だな。


えっと、AIには名前があるのかどうか、今後何と呼べばいいのか分からないので聞いてみた。

『我々AIは複合体でもあり1個の個体でもあります。名前はありませんが、AI同士で意思疎通を行うときは、シリアルナンバーをたまに使用することもあります。』

そのナンバーを尋ねると、NO8と言うことだったので、今後ハチと呼ぶことにした。

しかし複合体?たくさんあるけど1個?よく分からん・・・・・


『私の方からも一つお願いがございます。今後貴方様をマスターと御呼びすることの許可を申請させて頂きとう御座います。』

呼び方など、どうでもいいと思って気軽に許可した。

それに話し方だが、もっとフランクにする様に頼んだ。堅苦しい。


続けてこの場所について尋ねてみたら、この部屋はラボらしい。ラボって倉庫?分からん。

俺を再生するのに必要な施設と言うことだ。

それと今いる世界は、俺が元いた世界と異なるってことだった。

あぁ~・・・よくアニメとかで見ていた異世界転移とかか・・・・・・・!!!!!!!!

冗談ではない!           冗談ではなかった・・


念の為確認すると、この世界にはモンスターは当然いるらしい。

モンスターとかと戦えないし、多分魔法とか説明受けても使えないし、って魔法あるのかな・・いくらハイスペックな肉体だとしても、戦闘とか元々嫌いだし、絶対逃げるし。

モンスターだろうが何だろうが、戦う事とかになって、もし逃げきれなかったら間違いなく俺は死ぬぞ!!折角の復活した命、無駄にしたくない。

異世界特有のご都合主義的な何かないのか尋ねると、有りって事で少々安心した。

しかしハチが言うには、体を思い通りに動かせるようにしっかり馴染ませる為、運動がてらモンスターを相手に戦闘訓練を行った方が良いってことだった。


ふざけんな!



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