施設
ご覧頂きありがとうございます。
本日投稿分の3話目になります。
交流都市に移住してくる人々は思ったよりも多くは無い。
ダークエルフにエルフ、ハイエルフも移住者している。
アザリア自治州からの移住者もそう多くはない。
全人口で3000人くらいだろう。
しかし人が暮らす都市には変わりはない。
都市と言うより村くらいの人口だが、様々な施設も建てることになっている。
商業施設に治療所、警備本部に市長庁舎などなど・・
えっ? 学校も建築予定? 初等から高等まで・・大学は?
創る予定は今のところ無いが将来的には創りたいと・・・へぇ~。
上下水の確保は?・・・何それって・・・
生活用水の確保と下水の処理は当然だと思うのだが、
帝都では下民に処理を任せていて気が回らなかったようだ。
この地は荒野に近い状態で水の確保には多少難がある。
およそ10キロ離れたところに川があるのでそれを利用することにした。
アグラットを呼び水の管理について尋ねると
早速リザードマンと恫喝ともとれる交渉をして利用許可を得た。
ちなみに、ここのリザードマンの長はカパールの弟だった。
今後とも色々便宜を図ることを約束してくれたので助かる。
ディアナとブラウを呼び上下水道の建設に取り掛かると、
ブラウがこの地でも牧畜農業を行いたいと言い出した。
早速この都市の行政の長である市長と会い許可を求めると直ぐに許可がおりた。
「事後承諾でも構いません。お好きにして良いのですよ。
家族じゃないですか。」
この都市の長は皇妃だ、家族だから甘えるわけにはいかないと言うが
「いいのです、息子の不始末の責を負うのも親の勤めですから。」
息子扱いだ・・・確かにまだ15歳の子供かもしれないが・・
一応緊急の場合を除き筋は通すと言うと、感心し抱きしめられそうになった。
・・ブラウ、ジト目で見るのは止めなさい。
・・ディアナ、これは不可抗力です。
・・あとで抱っこしてあげるから。
・・但し皆には内緒で。
都市には井戸はあるが、水量が少なくすぐに枯れてしまいそうだ。
生活用水の確保は必須だ。
川からの摂水について説明したら、
大量の水が確保できるなら製鉄所の建設も可能なので
帝都に連絡を取り職人を呼ぶと言っている。
帝国では魔鉱石以外でも多くの鉱石が発掘されている。
その鉄鉱石を製鉄し、それを売却することで市の歳入にあてるつもりらしい。
歳入が確保でいることは良い事なので口出しはしないことにした。
上下水路を確保し、下水については浄化処理をした後農業用水として再利用する。
広大に広がる荒れ地だがこの地を緑で埋め尽くすとブラウは張り切っている。
農地を広げるためには人手が必要だ。
魔族の女性なら魔法で簡単に出来てしまうが、
それだと魔族だけの農地となりかねない。
そこで人手の募集を行うのだが、
交流都市だけ行ったのでは十分な人手が集まるか分からない。
そこで自治州でもダークエルフたちに声をかけることにした。
住宅は都市にかなりあるので問題は無い。
ただ、食料をどうするかだ。
当面はアザリアから調達するが、移動販売となり商人たちも大変になる。
そこで市長と相談し住宅地の近くにも商業施設を建設することになった。
建物は一つで複合商業施設とし利用する。
まあショッピングモールのようなものだと思えば問題ないだろう。
その建物には生活相談所、治療所や警備支所、保育施設も備えてもらう予定だ。
女性でも安心して働ける環境作りも怠らないようにしなくては。
魔族は働く女性が多いのでその点は留意しよう。
「妾の息子殿は良い案を出される。
感心しまいた、今後も何か妙案があれば出してください。」
元の世界では常識なのだが・・・
文明文化が発展しないと他者への配慮、個人への配慮、
男女各々への配慮など為されないのだろうか。
急激な変化は人々への動揺を産む。
良かれと思い取った行動が逆の結果を生むこともある。
行き過ぎた行動は控える様にしよう・・と思ったのは秘密だ。
水路の建設も順調で農地開拓も進み、複合商業施設も完成し一安心・・
一息入れるためアザリアに戻ろう、ゆっくり温泉にでも入り・・
などと思っていたら、公衆温泉大浴場の建設のための源泉を求められた。
どうせならと思い、室内温泉には男女別大浴場と個人だけで入れる個室風呂や
家族一緒に入浴できる家族風呂、男女別の露天風呂と
様々な温泉を提案したら、これにも驚かれた。
風呂とは本来一人で入るものだと思い込んでいたらしいが、強ち間違いではない。
色々入浴の仕方があったら楽しいのではと適当な事を言った。
俺が楽しみたいだけなのだが・・それは秘密だ。
源泉を掘り当て、もう暫くは自治都市に用も無いと思い
市長に挨拶しアザリアへ戻ることにしたら・・・
ノアルさんや、何をピッタリ俺に寄り添うのですか?
・・今夜はOK?
・・もう待てない?
・・すっと待っていた?
・・我慢できない?
・・今すぐヤリたい?
・・ほら、アイラを見てごらん。
・・そんな事をいうから、目が・・
・・えっ、大丈夫?
・・ノアルからと約束してる?
・・三日間はノアルだけ?
・・我慢できる?
・・へぇ~・・・
ノアルを見れば瞳は潤み、顔が火照っている。
この様なノアルの表情は珍しい・・張り切るしかない。
ヤッてやる!!!




