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悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
アザリア州
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気疲

俺に懇願するアグラットを(なだ)め陛下とブラウを呼ぶが出てこない。

懇願し続けるも俺が聞く耳を持たないとでも思ったのか


(わらわ)(まかり)り通る、者共、道を開けよ。」


アグラットが叫ぶ・・・何か諦めにも似た表情だ。


「旦那様、どうぞこちらへ、ご案内致します。」


アグラットは先程までとは違い毅然(きぜん)とした態度をした。

さすが元王太后と言うところだろう。


女官たちは道を開け(ひざまず)きその中を通っていく。

最深部の部屋までやってきて、アグラットが自ら扉を開き

俺を中へと導くとそこの中央部にブラウを存在が確認できた。

女官たちに囲まれたブラウを見つけホッとするも、

その様子は何かを口に含み(のど)を詰まらせているようにも見える。


「ブラウ、どうした、何があった!」


女官は何事も無かったかの様に無言でブラウを解放すると

解放されたブラウが何か言いかけた一人の女官に

一発蹴りを入れ俺の元に走って来た。

ブラウは微笑みながらやってきて、俺に飛びつき()っこの催促をしてきた。

女官は蹴られたせいか涙目になっていたが必死に我慢しているのが分かる。

俺は一つため息をつきブラウを抱いたままアグラットに言った。


「アザリアに帰ろう。」


その一言に驚きを隠せないアグラットだが、


「よ、よろしいのですか?」


「いいよ、今は・・とにかく帰ろう。」


アグラットは(うなず)いたのち、俺に深くお辞儀をした。


「私たちの家に戻りましょう。」



ルーシャには侍女5人の捕縛(ほばく)の指示を出している。

事の真相を知る手掛かりは子の侍女たちにあると推測した。

しっかりと捕えてくれている様だが皆気絶していた。

ルーシャがやったのか確認すると、捕縛に向かったが既に

5人とも気を失っていたらしい。

・・・ふ~ん、俺知らね・・・


5人の処分は俺の中では決まっている。

戦時中のスパイは拷問にかけられる・・・違ったか?

今はどうでもいい、ゲートを開き全員をアザリアへと送った。


本来、今回の事件?の後始末を優先すべきだが、

それよりメルテの具合も気になり今回の件の調査を全て後回しにした。

ブラウも疲れていたのだろうか、俺の腕の中で眠っている。

アグラットも何か躊躇(ためら)っているようにも思えるが

眠っているブラウを彼女に預けた。

皆疲れているだろう・・・今はゆっくり休ませるか。



俺もまた気疲れしているようだ。

ハチから注意を受けた・・気を動転させ過ぎだと。

相当気が動転していたらしい。

確かに何も考えが回らなかった。

メルテの捜索、ブラウの安否そのことだけが気になり

他に何も考えることが出来なかった。

やはり俺は無能だと言うより小心者だ。

しかしそれのどこが悪い、俺の大切な者たちの心配をして

それ以外に気が回っていないどこが悪い。

所詮それだけの男だ、笑いたければ笑え。

俺はこんな俺自身が嫌いではない。

元の世界で得ることの出来なかった大切な家族だ。

俺の中では最も大切で、何よりも代えがたい存在なのだ。



面倒な戦争から、家族の捜索と思った以上に忙しい日々だった。

とにかく今は何も考えず、ゆっくり体を休めたい・・いや。

精神的に参ったのだろう、気を休めたい。

のんびりしたい、(くつろ)ぎたい、安らぎたい・・


東屋へ向かいベンチに腰掛け、のんびり空を(あお)ぐ。

今後やるべきことを整理しようとするも、考えることが出来ない。

色々多過ぎだ・・仕方がない・・自分が招いた不始末とも言える。

出来ることから一つずつやって行こう。

今は・・・・休憩だ。


そう思ったら大福たちがやって来た。

また始まるのかと思ったら・・


「お疲れさまでした、今はゆっくり(くつろ)いで下さい。」

「今はゆっくりと気を休めて下さい。」

「精気を充実させて下さいね。」

「その後で、たっぷり可愛がって下さいね。」


今はゆっくりさせてくれるようだ・・・今は。


「えっと、今夜の順番どうなっている?」


「最初はアイラ様からで~・・・」


「最後は誰?」


「最後は私たちで~す!」



ハードな夜が決定した瞬間だった!!



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